中学受験の授業が分からないまま進む子へ→ 授業の進度についていけず、つまずきが残る不安
この記事の内容
中学受験の授業は進度が速く、一つの単元を十分に理解できないまま次へ進むことがあります。すべてを完璧にしてから進む必要はありませんが、次の学習に影響するつまずきは残せません。授業についていけなくなったときの確認方法を、ときわの塾が解説します。

「中学受験の授業についていけているのか分かりません」
「分からない単元があるのに、授業はどんどん先へ進んでいます」
「復習させたいのですが、どこまで戻ればよいのでしょうか」
西宮市で中学受験を考えている保護者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。
中学受験の塾では、入試に必要な内容を限られた期間で学ぶため、学校よりも速い進度で授業が進みます。
一度の説明ですべてを理解し、その場ですべての問題を解ける子ばかりではありません。
授業で理解しきれなかった部分を、宿題や復習によって身につけていくことも中学受験の勉強です。
しかし、分からない部分を確認しないまま次の単元へ進み続けると、以前のつまずきが原因で、新しく習う内容まで分からなくなることがあります。
必要なのは、すべての問題を完璧にして授業を止めることではありません。
次へ進んでもよい未完成と、先に直す必要があるつまずきを分けることです。
授業を聞いて分かったことと、一人で解けることは違います
先生の説明を聞いているときは、内容を理解できたように感じることがあります。
先生が問題文を整理し、使う公式を選び、途中式を書いてくれるからです。
説明を聞いた直後であれば、同じ手順をまねて問題を解けることもあります。
しかし、翌日に何も見ずに解こうとすると、最初の式から書けない。
数字や聞かれ方が少し変わると、どの方法を使えばよいか分からない。
解答を見れば納得できるけれど、自分では思いつかない。
このような場合、授業の説明がまったく分からなかったわけではありません。
ただし、教わった内容を自分で使えるところまでは身についていません。
「授業は分かった?」と聞くだけでは、この違いを確認することは難しいものです。
実際に何も見ずに解かせ、自分の言葉で考え方を説明してもらう必要があります。
つまずきは新しい単元の中に隠れていることがあります
中学受験の学習では、前に習った内容を使って新しい問題を解きます。
そのため、現在取り組んでいる単元が分からないように見えても、原因がもっと前にあることがあります。
例えば、割合の文章題が解けない子に、割合の公式だけを繰り返し説明しても解決しないことがあります。
問題文から、何をもとにして比べているのかを読み取れていない。
小数や分数の計算が安定していない。
かけ算と割り算のどちらを使うのか整理できない。
図に表す方法を知らない。
こうした別のつまずきが隠れている場合があるからです。
国語でも同じです。
記述問題が書けない原因が、書き方だけにあるとは限りません。
質問で何を聞かれているか分かっていない。
文章の中心となる人物を捉えていない。
指示語が何を指しているか確認していない。
答えの根拠となる箇所を探せていない。
必要な部分を短くまとめられない。
現在の単元だけを繰り返すのではなく、子どもの手がどこで止まっているのかを見なければ、本当に戻るべき箇所は分かりません。
分からないまま進んでいる子に見られる様子
授業についていけなくなっていても、子ども自身から「分からない」と言えるとは限りません。
次のような様子が増えていないか確認してみてください。
- 授業のノートは書いているが、内容を説明できない
- 例題と同じ形の問題しか解けない
- 宿題で解説や答えを書き写すことが増えた
- 問題を見ると、すぐ「習っていない」と言う
- どの公式を使うのかを当てようとする
- 前に習った方法を別の単元で使えない
- 答え合わせをしても、間違えた理由を確認しない
- 復習しようとしても、どこから始めればよいか分からない
- テスト前に範囲を最初からすべてやり直そうとする
- 分からない問題が増え、勉強を始めることを嫌がる
一つ当てはまるだけで、授業についていけていないと決めることはできません。
しかし、複数の行動が続いている場合は、現在の問題だけでなく、以前の内容も含めて理解の状態を確かめる必要があります。
「全部分からない」をそのままにしないことが大切です
授業についていけなくなった子に、
「どこが分からないの?」
と聞くと、
「全部」
と答えることがあります。
本当にすべての内容が分からないとは限りません。
問題文は読めている。
図に書かれている数字の意味も分かっている。
使う公式も思い出せる。
しかし、式の立て方だけが分からない。
このように、分かっているところと分からないところが混ざっている場合があります。
子どもにとっては、一人で最後まで解けなければ「全部分からない」と感じます。
そこで最初からすべて説明すると、子どもが自分でできていた部分まで先生が行うことになります。
まず、
「問題は何を聞いているの?」
「分かっている数字はどれ?」
「似た問題で使った方法はある?」
「どこまでは自分でできた?」
と確認します。
分かるところと分からないところを分けると、本当に必要な説明が見つかります。
すべてを完璧にしてから進む必要はありません
つまずきを残さないことは大切ですが、習った問題をすべて完璧にするまで次へ進めないという意味ではありません。
中学受験では、学習を進めながら何度も同じ内容に触れ、少しずつ理解を深めることがあります。
最初の学習では基本問題を解けるようにする。
次に、複数の考え方を組み合わせる問題へ進む。
復習の時期に、以前できなかった問題へもう一度取り組む。
このように段階を分けることも必要です。
一方で、次の学習で繰り返し使う内容が分かっていない場合は、そのままにできません。
例えば、
- 基本的な計算が安定していない
- 問題文で何を聞かれているか読み取れない
- 単位の意味を理解していない
- 割合や比の基本的な関係が分からない
- 図や表から必要な情報を取り出せない
- 記述問題で質問に合う形の答えを書けない
といった部分です。
難問を一問解けないことと、その後も使う基本的な考え方が分からないことを、同じように扱わないことが大切です。
復習は学年の最初まで戻ればよいとは限りません
授業についていけなくなると、
「小学校の算数を最初からやり直した方がよいでしょうか」
「中学受験の教材を一冊目から復習させた方がよいでしょうか」
と考えることがあります。
しかし、最初からすべてをやり直すと、すでにできる問題にも多くの時間を使うことになります。
子どもも「全部やり直さなければならない」と感じ、始める前から負担に感じるかもしれません。
必要なのは、広く戻ることではなく、つまずきの原因まで正確に戻ることです。
割合の問題が解けないなら、割合の単元を最初からやり直す前に、どの段階で止まっているかを確かめます。
言葉の意味が分からないのか。
数量の関係を整理できないのか。
図に表せないのか。
式を選べないのか。
小数や分数の計算で間違えるのか。
原因が計算にあるなら、必要な計算だけを練習します。
原因が文章の整理にあるなら、簡単な数字へ変えて数量の関係を確認します。
できるところまで戻るのではなく、できなくなった境目を見つけることが大切です。
授業の進度に追いつくことだけを目的にしないでください
授業に遅れていると感じると、早く追いつかせたいと思うのは自然なことです。
しかし、理解できていない状態で教材のページだけを先へ進めても、本当の意味で追いついたことにはなりません。
解説を覚えて問題を終わらせる。
答えを見ながら宿題を埋める。
同じ形の問題だけを繰り返す。
これで一時的に授業の位置へ戻っても、問題の形が変われば再び手が止まります。
少し遠回りに見えても、つまずいた原因を見つけ、必要な部分だけを練習する方が、その後の学習は進みやすくなります。
目指すのは、教材のページを授業へ追いつかせることではありません。
子ども自身が、授業で習う内容を使える状態に戻すことです。
家庭では授業を再現しようとしなくても構いません
子どもが授業を理解できていないと分かると、保護者の方が家庭でもう一度教えようとすることがあります。
しかし、中学受験の問題は、学年が上がるほど内容が複雑になります。
保護者の方が解き方を説明できても、塾と異なる方法を教えることで、子どもが混乱する場合もあります。
また、家庭で長時間教え続けると、
「さっき説明したでしょう」
「どうして、これが分からないの」
という言葉が増え、親子ともに疲れてしまいます。
家庭で大切なのは、授業を再現することではありません。
- どの問題で止まったか
- 何を試したか
- どこまでは分かっているか
- 先生に何を聞くか
を整理し、塾へ持っていくことです。
子どもが一人で説明できない場合は、ノートや問題へ印を残すだけでも構いません。
完成した宿題を持っていくことより、分からない箇所が分かる状態で持っていく方が、必要な指導につながります。
塾へ相談するときに伝えてほしいこと
「授業についていけていません」と伝えるだけでは、どこに原因があるか分からない場合があります。
相談するときは、具体的な様子を伝えてください。
- いつ頃から難しいと感じ始めたか
- どの教科や単元で時間がかかるか
- 授業ノートを見ても一人で解けないのか
- 解説を読めば理解できるのか
- 宿題にどのくらい時間がかかっているか
- 答えや解説を書き写していないか
- テストでどのような間違いが増えたか
- 家庭でどの程度の手助けが必要か
- 子ども自身が何に困っていると言っているか
塾側が授業中の様子や答案と照らし合わせることで、どこから確認すればよいかを絞りやすくなります。
「もっと頑張らせる」前に、何につまずいているのかを先生と共有することが必要です。
ときわの塾では手が止まった場所から原因を探します
ときわの塾では、現在取り組んでいる単元だけを見て、できるかできないかを判断しません。
子どもが問題を読むところから見て、
どの言葉で迷ったのか。
何を求める問題か分かっているか。
どの方法を使おうとしたのか。
途中まで正しく考えられているか。
計算や漢字など、別の部分で止まっていないか。
を確認します。
そのうえで、必要なところまで戻ります。
最初からすべてを教え直すのではなく、子どもが一人でできる部分は本人に任せます。
説明したあとは、同じ問題を解くだけで終わりません。
数字や聞かれ方が変わった問題でも使えるか。
先生の助けがなくても解けるか。
時間を空けたあとにも解けるか。
そこまで確認して、教わった内容を自分の力へ変えていきます。
分からないまま進ませないことと、授業を止めることは違います
中学受験の授業には進度があります。
すべての問題を完全に理解するまで、いつまでも同じ単元にとどまることはできません。
だからこそ、
今すぐ直す必要があるつまずき。
次の復習でもう一度取り組む問題。
現在は優先しない難問。
この三つを分ける必要があります。
授業の進度を無視するのでも、分からない部分を放置するのでもありません。
先の学習へ進みながら、その子に必要な部分を戻って補うことが大切です。
授業についていけなくなっているように見えるときは、勉強時間や問題数を増やす前に、子どもがどこで分からなくなったのかを確かめてください。
ときわの塾では、教材を進めることだけを目的にせず、教わった方法を子どもが一人でも使える状態を目指しています。
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