文章題が苦手なのは国語力不足?計算前の読み方を確認する方法
この記事の内容
計算はできるのに文章題では式を作れない場合、すぐに「国語力がない」と決めることはできません。
最後まで読んでいない、数字が表すものを確認していない、言葉の意味が分からないなど、計算を始める前のどこで止まっているのかを見分ける方法を、ときわの塾が解説します。
対象となる保護者様
- 計算問題はできるのに文章題になると止まる
- 「もう一度読んで」と言うと解けることがある
- 問題文を読まず、数字だけを見て計算している
- 文章題が苦手なのは国語力不足なのか気になっている
- 計算練習と読解練習のどちらが必要か分からない
文章題が苦手なら、国語力不足なのでしょうか
「計算はできるのに、文章題になると式を立てられません」
「文章題が苦手なのは、国語力がないからでしょうか」
算数の文章題について、保護者の方からこのようなご相談をいただくことがあります。
文章題では問題文を読むため、読む力が関係しているのは確かです。
しかし、「文章題が苦手だから国語力がない」とは限りません。
ときわの塾で子どもたちを見ていると、文章を読む能力以前に、文章題を解くときの行動に原因がある場合もあります。
例えば、
- 問題文を最後まで読んでいない
- 数字だけを探している
- 何を聞かれているのか確認していない
- 分からない言葉を飛ばしている
- 図を書かず、すべて頭の中で考えている
という状態です。
まずは「国語力」という大きな言葉でまとめず、どの行動で止まっているのかを確認する必要があります。
「もう一度読んだら分かった」は、読めないのとは違います
文章題で止まっている子に、
「もう一度、最初から読んでみよう」
と伝えることがあります。
すると、
「先生、もう一回読んだら分かった」
と言って、自分で式を作れることがあります。
この子は、問題文を理解する力がまったくないわけではありません。
最初に読んだとき、
- 最後まで読まなかった
- 途中から数字だけを見た
- 問われている内容を確認しなかった
- 読んだ内容を頭の中に残さないまま計算を始めた
可能性があります。
この場合に必要なのは、国語の問題を大量に解くことだけではありません。
文章題を解くときに、最後まで読み、問いを確認してから計算する行動を身につけることです。
最後まで読めるかを確認します
文章題が苦手な子は、数字を見つけたところで読むのを止めることがあります。
例えば、
1本80円の鉛筆を3本買い、500円を出しました。おつりはいくらですか。
という問題があったとします。
「80円」と「3本」を見つけたところで、
80×3=240
と計算します。
計算は合っています。
しかし、問題で聞かれているのは、鉛筆3本の代金ではなく、おつりです。
最後の「おつりはいくらですか」まで読まなければ、もう一つの計算が必要だと分かりません。
この場合、計算力には問題がありません。
問題文の途中で計算を始めたことが原因です。
まずは、
何を聞かれている問題なの?
と確認します。
「おつり」と答えられれば、500円から代金を引く必要があることに気づけます。
数字が何を表しているか説明できるかを確認します
文章題に「80」「3」「500」という数字が出てきても、数字だけでは式を決められません。
それぞれの数字が何を表しているかを確認します。
- 80円は鉛筆1本の値段
- 3本は買った鉛筆の本数
- 500円は支払った金額
ここまで説明できれば、
80×3=240円
500-240=260円
という式へつなげられます。
反対に、
「80と3を掛ける」
とは言えても、
「なぜ掛けるの?」
と聞かれたときに説明できない場合があります。
これは、文章の意味から式を作ったのではなく、数字や習った単元から計算方法を予想した可能性があります。
文章題では、計算へ進む前に、
この数字は何の数?
と聞くことで、問題文を理解しているかを確認できます。
分からない言葉を飛ばしていないか確認します
問題文を最後まで音読できても、内容を理解しているとは限りません。
例えば、
- 何倍
- 差
- 合計
- 一人分
- 同じ数ずつ
- 残り
- 代金
- おつり
といった言葉です。
子どもは言葉を声に出して読めても、その言葉が数量の関係として何を表しているか分からないことがあります。
「3倍」という言葉を読めても、
48分の3倍
=48分が三つ分
=48×3
とつなげられなければ、式は作れません。
この場合、必要なのは「よく読みなさい」という注意ではありません。
「3倍とは、どういう意味?」と確認し、本人が理解できる言葉へ言い換えることです。
問題文を自分の言葉で話せるか確認します
問題文を読んだ後に、
どんな話だった?
と聞く方法もあります。
文章をそのまま暗唱させる必要はありません。
- 最初に何があったのか
- その後、何が変わったのか
- 最後に何を求めるのか
を、自分の言葉で説明できれば構いません。
説明できない場合は、文章を一度にすべて覚えようとしている可能性があります。
その場合は、句読点ごとに区切ります。
一文を読んだら、その一文で分かったことを確認します。
次の一文を読み、新しく分かったことを加えます。
このように文章を小さく分ければ、どの文から理解できなくなったのかも見つけやすくなります。
読めているのに整理できない子もいます
問題文の内容を説明できても、式を作れない子がいます。
この場合は、読む段階を越えています。
次に確認するのは、数字同士の関係を整理できているかです。
例えば、
- 全体と一部分の関係
- 一つ分といくつ分の関係
- もとの量と増減後の量
- 比べる二つの量
- 速さ・時間・距離の関係
などです。
頭の中だけで整理できなければ、線分図や簡単な絵にします。
図は、きれいに書く必要はありません。
問題文に書かれた事実を、目で確認できる形に変えるために使います。
問題文の内容は分かっているのに図へ移せない場合は、国語力不足というよりも、言葉と数量の関係をつなげる練習が必要です。
「文章題が苦手」を四つに分けて考えます
文章題で式を作れない原因を、少なくとも次の四つに分けて確認します。
問題文を最後まで読んでいない
数字を見つけると、問いを確認する前に計算を始めます。
言葉の意味が分からない
問題文は音読できますが、「何倍」「差」「一人分」などの意味を式へつなげられません。
書かれている事実を整理できない
文章の内容は分かりますが、どの数字とどの数字が関係しているのか分かりません。
整理できても式に変えられない
図や数量の関係は分かりますが、どの計算を使えばよいか判断できません。
この四つは、同じ「文章題が苦手」に見えても、必要な指導が異なります。
すべてを国語力不足と考えて読解問題を増やしても、原因が図と式をつなげる部分にあれば改善しません。
反対に、言葉の意味が分からない子へ計算練習を増やしても、文章題は解けるようになりません。
家庭では三つの質問で確認できます
文章題で子どもが止まったとき、すぐに式を教える前に、次の三つを確認できます。
何を聞かれているの?
この数字は何の数?
問題の内容を簡単に話してくれる?
この三つに答えられれば、問題文の大まかな内容は理解できています。
答えられなければ、
- 最後まで読んでいない
- 数字の意味を確認していない
- 言葉の意味が分からない
- 文章を整理できていない
可能性があります。
保護者の方が解き方をすべて説明する必要はありません。
どの質問から答えられなくなったのかを確認するだけでも、子どもが止まっている場所を見つけられます。
算数と国語を別々にしすぎないことも大切です
文章題では、算数の知識と読む力の両方を使います。
しかし、「国語力さえ伸ばせば文章題も解ける」という単純な関係ではありません。
文章を正しく読む。
言葉の意味を理解する。
数字が表すものを確認する。
数量の関係を図にする。
図から式を作る。
最後に計算する。
この一連の行動がつながって、文章題を解けるようになります。
ときわの塾では、算数と国語を完全に別の力とは考えていません。
算数の授業でも言葉の意味を確認し、問題文を整理し、本人が理解できる言葉や図へ変えることを大切にしています。
文章題が苦手な原因を「国語力」で終わらせません
文章題が苦手だからといって、すぐに国語力不足と決めることはできません。
まず確認したいのは、
- 最後まで読んでいるか
- 何を聞かれているか分かっているか
- 数字が何を表しているか説明できるか
- 分からない言葉を飛ばしていないか
- 問題の内容を自分の言葉で話せるか
- 分かった事実を図へ移せるか
という具体的な行動です。
どこで止まっているかが分かれば、必要な練習も見えてきます。
文章題を増やす前に、計算へ進むまでのどこで止まっているのかを確認することが大切です。

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