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2026年8月8日

間違い直しで答えを書き写す子へ|正しい答えを書いても解けるようにならない理由

ときわの塾先生のブログ

この記事の内容

間違えた問題の正しい答えを赤ペンで書いても、子ども自身が解けるようになったとは限りません。元の間違いを残して原因を見つけ、解答を閉じてもう一度解く間違い直しの方法を、ときわの塾が解説します。

「間違い直しは、きちんとしています」

ノートを見ると、間違えた問題には赤ペンで正しい答えが書かれています。

計算式も、漢字も、国語の記述も、すべて正しい内容に直されています。

ところが、数日後に同じ問題を出すと解けない。

数字や聞かれ方が少し変わっただけでも、また同じところで止まってしまう。

このようなことがあります。

正しい答えがノートに書かれていても、その答えを子ども自身が考えて出したとは限りません。

解答を見ながら書き写したのであれば、正しくなったのはノートです。

子ども自身ができるようになったかどうかは、まだ確認できていません。

「正しい答えを書くこと」が間違い直しになっている

間違い直しをするとき、次のような流れになる子がいます。

問題を間違える。

答え合わせをする。

間違った答えを消す。

解答を見ながら、正しい答えを赤ペンで書く。

丸を付ける。

次の問題へ進む。

これで、ノートはきれいに完成します。

先生や保護者が見ると、間違えた問題をすべて直しているようにも見えます。

子ども自身も、

「間違い直しは終わった」

「正しい答えは分かった」

と思っています。

しかし、この方法では、子どもが最初にどのように考え、どこで間違えたのかが残りません。

算数なら、式の作り方を間違えたのか、途中計算を間違えたのか。

国語なら、本文を読み違えたのか、問いに合わない答えを書いたのか。

漢字なら、読み方を知らなかったのか、形を正しく覚えていなかったのか。

元の答えをすぐに消してしまうと、間違いの原因を見つけるための材料まで消えてしまいます。

正しい答えを書き写すことが悪いわけではありません

分からなかった問題の答えや解説を見ること自体は、悪いことではありません。

知らない解き方を学ぶ。

自分の考え方との違いを確かめる。

正しい言葉や計算方法を覚える。

そのために解答や解説を使う必要があります。

問題は、答えを見ることと、自分で解けるようになったことを同じにしてしまうことです。

解答を見れば、正しい式を書くことができます。

解説を読めば、分かったように感じることもあります。

しかし、テストでは解答を見ることができません。

必要なのは、正しい答えをノートに残すことではなく、次に何も見ずに自分で答えを出せるようになることです。

赤ペンで答えを書くと「できたように見える」ことがあります

例えば、算数の文章題で、

1個120円のお菓子を4個買いました。代金はいくらですか。

という問題を間違えたとします。

子どもが「120+4」と書いていた場合、解答を見れば、

120×4=480
答え 480円

と赤ペンで書き直せます。

しかし、この式を書き写しただけでは、

  • なぜ足し算ではなく、かけ算なのか
  • 120は何を表しているのか
  • 4は何を表しているのか
  • 「1個分の値段×個数」という関係を理解したのか

までは分かりません。

翌日に、

1本150円のペンを6本買いました。

と数字を変えて出すと、また「150+6」と書くかもしれません。

正しい式を書いたことと、式の意味を理解したことは同じではありません。

だからこそ、ときわの塾では、赤ペンで正答を書いたかどうかだけでは判断しません。

なぜその答えになるのかを確認し、何も見ずにもう一度使えるかを見ます。

国語でも正答を書き写すだけでは力になりません

国語の記述問題でも同じことが起こります。

問いに合っていない答えを書いたあと、模範解答を赤ペンでそのまま写す子がいます。

ノートには、正しい記述が残ります。

しかし、その子自身が、

  • 問いで何を聞かれているのか
  • 本文のどこを根拠にするのか
  • どの言葉を使うのか
  • どこまで書けばよいのか
  • 問いに合う文末へどう直すのか

を考えたわけではありません。

模範解答は、その問題に対する完成した答えです。

完成した答えを書き写しても、答えを作るまでの考え方は身につきません。

国語の間違い直しでは、模範解答を写す前に、

「自分の答えは、問いの何とずれていたのか」

「本文のどの部分を使えばよかったのか」

「足りなかった言葉は何か」

を確認する必要があります。

そのうえで模範解答を閉じ、自分の言葉でもう一度答えを作ります。

模範解答と一字一句同じである必要はありません。

問いに合い、本文を根拠にした答えを自分で作れることが大切です。

社会や理科では「答えだけ」を覚えてしまうことがあります

社会や理科の答え合わせでは、間違えた用語を赤ペンで書くだけになりやすいことがあります。

例えば、

鎌倉幕府を開いた人物は誰ですか。

という問題に対して、「源頼朝」と書き直せば、その問題の答えは正しくなります。

しかし、問題文を読まずに「源頼朝」という答えだけを覚えると、聞かれ方が変わったときに使えません。

  • 何をした人物なのか
  • どの時代の人物なのか
  • 似た名前の人物と何が違うのか
  • どの言葉と結びつけて覚えるのか

まで確認する必要があります。

用語だけを正しく書き直すのではなく、問題文と答えを一緒に覚えることが大切です。

「この答えは何だったか」だけでなく、

「なぜ、この問題の答えがそれになるのか」

まで言えるかを確かめます。

間違った答えは、すぐに消さないでください

間違った答えを見ると、すぐに消して正しく直したくなるかもしれません。

しかし、間違った答えには、そのときの子どもの考え方が残っています。

例えば、算数の途中式に、

36-18=28

と書かれていたとします。

この答えだけを消して「18」と書き直すと、なぜ28になったのかが分からなくなります。

確認すると、

  • 6から8を引けないため、8から6を引いた
  • 繰り下がりを忘れた
  • 十の位と一の位を別々に引いた
  • 18を28と読み違えた

など、さまざまな原因が考えられます。

原因によって必要な練習は変わります。

だからこそ、元の答えを完全に消す前に、

「どこで最初に違ったのか」

を確認します。

間違った答案は、責めるためのものではありません。

子どもが何を理解し、どこから分からなくなったのかを知るための記録です。

ときわの塾で行う間違い直し

ときわの塾では、間違えた問題をすぐに正答へ書き換えるのではなく、次の順番で確認します。

元の答えを残す

まず、間違った答えや途中式をすぐに消しません。

どのように考えたのかを確認できる状態にします。

算数であれば、式や途中計算を見ます。

国語であれば、問いと自分の答えがどのようにずれているかを見ます。

社会や理科であれば、問題文のどの言葉と答えを結びつけたのかを確認します。

最初に違った場所を見つける

問題文、式、途中計算、答えを順番に見ます。

最後の答えが違っていても、原因が最後にあるとは限りません。

問題文を読み違えたのであれば、途中計算を直しても改善しません。

式の意味を理解していなかったのであれば、正しい式を一度書くだけでは足りません。

最初に違った場所を見つけることで、直すべき内容が分かります。

なぜその答えになったかを確認する

「間違っているから直しなさい」だけでは、子どもは正答を書き写すしかありません。

そこで、

「この式は、どのように考えて作ったの?」

「この数字は何を表している?」

「問題では何を聞かれている?」

「本文のどこを使った?」

と確認します。

子ども自身が考えたことを言葉にすると、勘違いしていた場所が見つかりやすくなります。

解答と自分の考え方を比べる

解答を見るときは、完成した答えだけを写しません。

自分の考え方と何が違ったのかを確認します。

  • 読み落とした条件
  • 使えなかった公式
  • 間違えて覚えていた言葉
  • 抜けていた途中計算
  • 国語の記述に足りなかった根拠

違いが分かれば、次に何を変えるかを決められます。

解答を閉じて、最初から解く

正しい方法を確認したら、解答や赤ペンを閉じます。

そして、同じ問題を最初から何も見ずに解きます。

ここで初めて、子ども自身ができるようになったかを確認できます。

解けなければ、まだ理解や練習が足りていない部分があります。

もう一度、止まった場所へ戻ります。

翌日や別の問題でも確かめる

解説を読んだ直後は、答えや手順を覚えています。

そのため、すぐに解き直すと正解できることがあります。

本当に身についたかを確かめるには、翌日や別の日にも何も見ずに解きます。

また、数字や聞かれ方を少し変えた問題でも、同じ考え方を使えるか確認します。

今日だけでなく次もできる。

同じ問題だけでなく別の問題でもできる。

先生が隣にいなくてもできる。

ときわの塾では、この再現性を大切にしています。

間違い直しノートをきれいに作ることが目的ではありません

間違い直し専用のノートを作り、正しい答えをきれいにまとめる方法もあります。

それが復習に役立つ子もいます。

しかし、ノート作りが目的になると、

  • 解説を丁寧に写す
  • 色を使ってきれいに整理する
  • 正しい答えを書いて満足する
  • ノートを作ったあとに解き直さない

ということがあります。

時間をかけてきれいなノートを作っても、テストで何も見ずに解けなければ、まだ学習は終わっていません。

間違い直しノートに必要なのは、見た目のきれいさではありません。

例えば、

  • 最初に何を間違えたか
  • なぜ間違えたか
  • 次に何を確認するか
  • 何も見ずに解けたか
  • 翌日にも解けたか

が分かれば、学習の記録として役立ちます。

ノートを完成させることよりも、次に一人でできる問題を増やすことが目的です。

ご家庭では「直した?」のあとに一つ確認してください

ご家庭で宿題やテストを確認するとき、

「間違い直しはした?」

と聞くことがあると思います。

子どもが「した」と答え、ノートに正答が書いてあれば、それ以上確認しにくいかもしれません。

そのときは、すべての問題を細かく調べる必要はありません。

一問だけ選び、

「赤ペンと答えを閉じて、もう一度解ける?」

と聞いてみてください。

何も見ずに解ければ、自分の力へ変わり始めています。

解けなかった場合も、責める必要はありません。

正しい答えを書いたことと、自分で解けることがまだつながっていないと分かっただけです。

その場合は、

「どこまでは分かっている?」

「最初に間違えたのはどこだった?」

「答えを見て、何が違うと分かった?」

と確認します。

家庭で答えまで教えようとすると、親子ともに負担が大きくなることがあります。

原因が分からない場合は、元の答案を残したまま、学校や塾で質問できるようにしてください。

正しい答えではなく、次にできる行動を残します

間違い直しで大切なのは、ノートからバツをなくすことではありません。

元の間違いを残す。

最初に違った場所を見つける。

自分の考え方と解答の違いを確認する。

必要な部分を練習する。

解答を閉じて、もう一度自分で解く。

翌日や別の問題でも確かめる。

ここまで取り組むことで、間違いは次の学習に役立つ材料になります。

赤ペンで正しい答えを書いたら終わりではありません。

正しい答えを見なくても、自分で出せるようになったところが間違い直しの終わりです。

ときわの塾は、点数を追いかける塾ではありません。

点数につながる行動を育てる塾です。

お子さんの間違い直しが正答の書き写しになっている場合は、まず一問だけ、解答を閉じてもう一度解いてみてください。

間違いの原因や、どこまで戻ればよいかをご家庭だけで見つけることが難しい場合は、いつでもご相談ください。

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