学校のテストはできるのに、中学受験の模試で点数が取れない理由
学校のテストでは点数が取れているのに、中学受験の模試になると思うような結果が出ない。
子ども本人も頑張っているように見えるため、
「もっと勉強しなければいけないのかな」
「まだ受験問題を解く力が足りないのかな」
と感じる保護者もいると思います。
しかし、学校のテストと中学受験の模試では、単に問題の難易度が違うだけではありません。問題の性質や構成が異なり、点数を取るために必要な行動も違います。
学校のテストと同じ考え方や解き方のまま、いつも以上に頑張っても、その頑張りが模試の点数に反映されないことがあります。
なぜそのようなことが起きるのか。国語と算数の例から、ときわの塾が解説します。

学校のテストと中学受験の模試では、問題の構成が違う
学校のテストでは、授業で習った内容を理解しているかが確認されます。
基本的には前から順番に取り組み、習った通りに考えていけば、最後まで進められるように作られています。
一方、中学受験の模試や入試では、すべての問題を解くことが前提になっているとは限りません。
自分が解ける問題を見つける。
すぐに解けない問題はいったん後に回す。
残った時間で、自分の解答の中から間違いを探す。
持っている知識だけでなく、試験中にどのように動くかも点数を左右します。
国語は傍線部の近くだけを探しても答えが見つからない
学校の国語のテストでは、傍線部の前後2、3行を探すと、答えの根拠が見つかることが多くあります。
ところが、五ツ木・駸々堂などの中学受験の模試では、答えの根拠が傍線部のすぐ近くにあるとは限りません。問題によっては、40行ほど先に出てくることもあります。
学校のテストと同じように傍線部の近くだけを探していると、どれだけ文章を読む力があっても、そこにない答えは見つけられません。
そこで必要になるのが、
「近くになければ、この先に出てくるかもしれない」
と考えることです。
その場で答えが見つからなければ、いったん次の問題へ進みます。その後、文章を読み進める中で根拠となる部分が出てきたら、先ほどの問題に戻って解答すればよいのです。
分からない問題を放置するのではありません。見つからない場所を探し続けるのをやめて、答えを見つけられる可能性のある行動へ切り替えます。
記述問題に時間を使い過ぎない
国語では、記述問題を何とか書こうとして、長い時間を使ってしまう子がいます。
もちろん、記述問題に取り組むことは大切です。しかし、試験には制限時間があります。
一つの記述問題にこだわり続けるよりも、ほかの問題に間違いがないかを探したほうが、点数につながることもあります。
難しい記述問題で数点を取りにいくのか。
すでに解いた問題から、取りこぼしている点を回収するのか。
試験中は、頑張った量ではなく、残された時間をどこに使うかを考える必要があります。
算数は難しい問題が最後にあるとは限らない
学校の算数のテストでは、前から順番に解いていくと、最後に難しい問題が出てくることが一般的です。
しかし、中学受験の模試や入試では、途中にまったく歯が立たない問題が入っていることがあります。その数問先には、自分が解ける問題が残っていることもあります。
ここで、
「前から順番に、すべて解かなければいけない」
と考えてしまうと、一つの難しい問題に時間を使い、その後にある解ける問題へたどり着けなくなります。
普段の学習では、難しい問題にも時間をかけて取り組むことが必要です。
しかし、試験では、自分が解ける問題から確実に点数を取ることも必要です。
勉強中の取り組み方と、試験中の攻め方は同じではありません。
算数は「大問の順番」ではなく「取れる問題の順番」で進む
すべての子に、同じ順番で解くように伝えているわけではありません。
その子の現在の学力や、普段どこまでの問題を解けているかによって、試験中の進み方も変える必要があります。
例えば、お子さんの現状を踏まえて、次のような順番で解く方法があります。
- 最初に、計算問題と一行問題で構成される大問1・大問2を解く
- その後は、大問の順番通りに進まず、すべての大問の(1)だけを先に解く
- 解ける(1)をすべて終えたら、いったん間違い探しをする
- それから各大問の(2)へ進む
大問の(1)を解いた後、そのまま(2)へ進むと、そこで時間を使ってしまうことがあります。その間に、後ろの大問にある解ける(1)を残したまま、試験時間が終わるかもしれません。
そこで、まずはすべての大問の(1)を横に拾っていきます。
自分が取れる可能性の高い問題を先に解き、さらに間違いがないかを確認してから、残った時間で(2)へ進みます。
この順番に変えるだけでも、本来なら取れたはずの問題を時間不足で落とすことが減ります。
大切なのは、難しい問題から逃げることではありません。
試験中は、まず現在の力で取れる点数を確実に取る。その後に、もう一段難しい問題へ挑戦するという順番に変えることです。
「見直し」ではなく「間違い探し」をする
算数で時間が残ったとき、普段は解けない問題に挑戦しようとする子がいます。
しかし、試験中だけ急に解けるようになることは、あまりありません。
難しい問題に時間を使うよりも、自分ではできたと思っている問題の中から、間違いを探したほうが点数につながることがあります。
ここで大切なのは、単に「見直す」のではなく、「間違いを探す」ことです。
「たぶん合っている」と思いながら自分の答えを眺めても、間違いにはなかなか気づきません。
計算を最初からやり直す。
問題で聞かれているものと、答えたものが合っているかを確認する。
単位や転記に間違いがないかを探す。
「どこかに間違いがあるかもしれない」という前提で、自分の解答を調べ直します。
先ほどの「すべての大問の(1)を解いてから見直す」というのも、合っているつもりで眺めることではありません。自分が取れるはずの問題の中に間違いがないかを探す時間です。
この間違い探しができるだけで、場合によっては10点以上点数が増えることもあります。
これは、テストが返却された後に学習の穴を探すこととは別の話です。試験時間内に、自分が取れるはずだった点数を回収するための行動です。
頑張っているのに点数が伸びないと、子どもの気持ちも折れてしまう
子ども自身は、いつも以上に頑張っているつもりです。
それでも、同じ考え方のまま同じ行動を続けていると、その頑張りが点数に反映されないことがあります。
「こんなに頑張ったのに、また点数が取れなかった」
そのような経験が続けば、投げやりになったり、自分には中学受験は無理だと思ったりする子もいます。まだ小学生ですから、それも無理のないことだと思います。
しかし、押さなければ開かないドアを、ずっと引いて開けようとしても開きません。
力が足りないのではありません。力のかけ方が合っていないのです。
少し厳しい言い方になりますが、ただ頑張ろうとすることと、その試験の性質に合わせた行動を取ることとでは、結果が大きく異なります。
試験に合わせて攻め方を変える
スポーツでは、相手の特性に合わせて戦い方を変えます。
試験も同じです。
学校のテストには、学校のテストに合った解き方があります。中学受験の模試には、中学受験の模試に合った解き方があります。
これは、どちらが簡単で、どちらが難しいという話ではありません。
実際、中学受験の問題に慣れている子が学校のテストを受けると、反対のことが起きる場合もあります。
国語では、
「こんなに傍線部の近くに答えがあるはずがない」
と思い込み、遠いところまで探して焦ってしまう。
算数では、
「こんなに簡単な問題ばかりのはずがない」
と考え、必要以上に難しくして間違えてしまう。
試験の性質が違えば、同じ力を持っていても、取るべき行動は変わります。
ときわの塾では、試験中の行動まで伝えています
ときわの塾では、中学受験の問題を解けるようにするだけでなく、試験中にどのように動けば、持っている力を点数へ変えられるのかも伝えています。
夏休みの時間外授業でも、
どの問題から取り組むのか。
分からない問題に出会ったとき、どう動くのか。
記述問題にどこまで時間を使うのか。
算数では、どの大問の(1)から先に解くのか。
残った時間で「見直し」ではなく「間違い探し」ができるか。
といったことを子どもたちに話しました。
ただ、理解したからといって、すぐに行動を変えられるとは限りません。試験になると、これまで通り前から順番に解こうとする子もいます。
だからこそ、模試を受けるたびに点数だけを見るのではなく、試験中にどのような行動を取ったのかを振り返ります。
試験当日は「落ち着いてね」で十分です
試験で頑張らない子はいません。
「もっと頑張らなければ」と思うほど、難しい問題に立ち向かい過ぎたり、普段以上のことをしようとして空回りしたりすることがあります。
試験で一番避けたいのは、焦って頭が真っ白になり、普段ならできる問題まで落としてしまうことです。
試験当日の声かけは、
「頑張って」
ではなく、
「落ち着いてね」
それだけで十分だと思います。
学校のテストでは点数が取れるのに、中学受験の模試では結果が出ない。
その原因は、努力や能力が足りないからとは限りません。
今の頑張りを点数につなげるために、試験の構成を知り、それに合った行動へ変えていくことが必要です。
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