テストで時間が足りない子へ|「もっと速く」より先に確かめたいこと
この記事の内容
テストで時間が足りなくなる原因は、問題を解く速さだけではありません。読み直しや計算のやり直し、難しい問題で止まる時間、必要以上の確認など、どこで時間を使ったのかを確かめ、原因に合った練習へ変える方法を、ときわの塾が解説します。

「急いで解いたのに、最後までできなかった」
「分かる問題だったのに、時間が足りなかった」
テストが終わったあと、お子さんからこのような言葉を聞くことはないでしょうか。
答案を見ると、最後の問題までたどり着いていない。
途中までは正解しているのに、後半が空欄になっている。
そのようなとき、
「もう少し速く解けるようになればよいのに」
と思われるかもしれません。
しかし、「もっと速く解く」という言葉だけでは、次に何を変えればよいのかが分かりません。
テストで時間が足りなくなる原因は、一つではないからです。
まず確かめたいのは、テスト中のどこで時間を使っていたのかです。
「時間が足りなかった」だけでは原因が分かりません
同じ「時間が足りなかった」という結果でも、テスト中に起きていたことは違います。
例えば、次のような原因が考えられます。
- 問題文を読み飛ばし、何度も読み直した
- 計算ミスに気づき、最初から解き直した
- 基礎計算に時間がかかった
- 一つの難しい問題で長く止まった
- 解く順番を決めず、前から順番に取り組んだ
- 一問ごとに何度も確認した
- 途中式や記述を書くことに時間がかかった
- 見直しの時間を残していなかった
原因が違えば、必要な練習も変わります。
計算に時間がかかっている子へ、問題文を速く読むように伝えても改善しません。
一つの難しい問題で止まっている子へ、計算問題だけを増やしても、時間の使い方は変わりません。
そのため、ときわの塾では、単に「解くのが遅い」と判断せず、
どの問題で、どのような行動をして、時間を使ったのか
を確認します。
急いだことが、時間不足の原因になる場合があります
「早く解かなければ」と思うと、次のような行動につながることがあります。
- 問題文を最後まで読まない
- 数字だけを見て式を決める
- 途中式を省く
- 暗算だけで進める
- 答えを確認せずに次へ進む
運よく正解できれば、短い時間で進めます。
しかし、読み違いや計算ミスが起きると、
- 問題文を読み直す
- 間違えた場所を探す
- 計算をやり直す
- 答えを書き直す
という時間が必要になります。
最初に数秒を省いたつもりが、解き直しに何倍もの時間を使うこともあります。
この場合に必要なのは、さらに急ぐことではありません。
一度で正しく解ける手順を安定させることです。
正しい方法を使い慣れることが速さにつながります
計算するときに毎回、
「次は何をすればよいのだろう」
と考えている段階では、一問に時間がかかります。
しかし、次のような手順を繰り返すと、少しずつ動きが安定します。
- 桁をそろえる
- 繰り上がりを書く
- 符号を確認する
- 決まった順序で計算する
一つひとつの手順で迷う時間が減るため、結果として速くなります。
ただし、一度正確に解けただけで、自然に速くなるわけではありません。
正しい方法を何度も使い、同じ種類の問題でも迷わず使える状態にする必要があります。
速さは、急ぐことで身につくものではありません。
正しい方法を繰り返し、使い慣れることで生まれる速さもあります。
丁寧に解いているのに時間が足りない子もいます
一方で、正確に解くことを意識するあまり、時間が足りなくなる子もいます。
例えば、次のような場合です。
- 一問ごとに何度も確認している
- すべての途中式を必要以上に細かく書いている
- 合っている問題まで最初から解き直している
- 少しでも不安になると先へ進めない
- 一つの問題を解き切るまで次へ移れない
このような子に必要なのは、「もっと丁寧に」という声かけではありません。
- どの問題に、どれくらい時間を使うのか
- どの段階で次の問題へ進むのか
- 最後に何を優先して見直すのか
という時間の使い方を練習する必要があります。
丁寧に解くことと、一つの問題から離れられないことは同じではありません。
必要な途中式や確認は残しながら、同じ確認を何度も繰り返していないかを見ます。
難しい問題で止まり続けていませんか
テストでは、すべての問題を同じ順番、同じ時間で解く必要はありません。
分からない問題で長く止まっている間に、後ろにある解ける問題へ取り組む時間がなくなることがあります。
この場合は、速く考えることよりも、次のような判断が必要です。
- すぐに解き方が見える問題から取り組む
- 一定時間考えても進まなければ印を付ける
- いったん次の問題へ進む
- 解ける問題を終えてから戻る
分からない問題を飛ばすことは、諦めることではありません。
限られた時間の中で、自分が解ける問題を確実に得点するための行動です。
特にテストや入試では、難しい一問に時間を使いすぎず、解ける問題を先に取る判断も必要です。
見直しは「残った時間でするもの」にしません
すべての問題を解き終えてから、
「時間があれば見直そう」
と考えていると、見直しの時間が残らないことがあります。
見直しをするのであれば、最初からその時間を含めて考えます。
また、答案全体を何となく眺めるだけでは、短い時間でミスを見つけることは難しくなります。
- 数字の書き写し
- 計算の符号
- 単位
- 問題で聞かれているもの
- 飛ばした問題
など、自分が確認する場所を決めておくことが大切です。
自分に多いミスが分かっていれば、限られた時間でも確認する場所を絞れます。
ときわの塾では「遅い」という結果だけを見ません
ときわの塾では、子どもが問題を解くときに、次のような行動を見ています。
- 問題文のどこを見ているか
- 式を決めるまでに何を考えているか
- 途中式をどのように書いているか
- どこで鉛筆が止まったか
- 間違いに気づいたあと、どこへ戻ったか
- 分からない問題から次へ移れるか
そして、
観察する
↓
起きた事実を整理する
↓
時間がかかった原因を確認する
↓
次に変える行動を決める
という順番で改善します。
「もっと速く解きなさい」と伝えるだけでは、子どもは急ぐことしかできません。
必要なのは、原因に合った具体的な行動です。
例えば、次のような練習があります。
- 問題文を一度で正しく読む
- 正しい計算手順を繰り返す
- 途中式を必要な量に整理する
- 一問に使う時間の目安を決める
- 解ける問題から先に取り組む
- 見直す場所を絞る
同じ「時間が足りない」という結果でも、その子によって変える行動は違います。
正確に解けてから時間を測ります
ときわの塾では、最初からすべての問題を急いで解かせるわけではありません。
まずは、正しい方法で解けることを確認します。
そのうえで、次のような練習へ進みます。
- 同じ種類の問題を続けて解く
- 一問にかかった時間を確認する
- どの手順で止まっているかを見る
- 正確さを保てる範囲で時間を意識する
- 別の問題でも同じ手順を使う
速さを求めたことで正確さが崩れた場合は、もう一度手順を確認します。
反対に、正確にできているのに必要以上に時間をかけている場合は、省ける確認や、次へ進む判断を一緒に考えます。
大切なのは、「速い」「遅い」という結果だけではありません。
正確さを保ちながら、迷う時間ややり直す時間を減らせているかを確認します。
ご家庭では「どこで時間を使ったのか」を聞いてください
テストで時間が足りなかったときは、
「もっと速く解きなさい」
と伝える前に、次のように聞いてみてください。
「どの問題で時間がかかったの?」
「読み直した問題はあった?」
「計算をやり直したところはあった?」
「分からない問題で、どれくらい止まっていた?」
ただし、テスト後の記憶だけでは、正確に分からないこともあります。
普段の宿題や問題演習で、次の時間を見てみると原因を探しやすくなります。
- 問題を読み始めてから式を書くまで
- 計算を始めてから答えを出すまで
- 間違いに気づいてから直すまで
- 分からない問題で手が止まっている時間
すべてを一度に直す必要はありません。
まずは、最も時間を使っている行動を一つ選び、変える方法を考えてください。
速さだけを追いかけないことが時間不足の改善につながります
テストで時間が足りないからといって、すべての子に「もっと急ぐ」練習が必要なわけではありません。
読み飛ばしや計算ミスによる解き直しが多い子には、一度で正しく解く手順が必要です。
基礎計算に時間がかかる子には、正しい方法を繰り返して使い慣れる練習が必要です。
難しい問題で止まる子には、解ける問題から先に取り組む判断が必要です。
丁寧に確認しすぎる子には、確認する場所と時間を決める練習が必要です。
速さは、急いだ結果ではありません。
正確な手順を使い、迷う時間や解き直す時間を減らし、限られた時間の使い方を身につけた結果です。
まずはご自宅で、お子さんが遅いと判断する前に、どこで時間を使っているのかを確かめてみてください。

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