難問ばかり勉強して基本問題を落とす子へ|努力しても点数が下がる理由
この記事の内容
難しい問題へ挑戦しているのに、基本問題や先生が「出す」と伝えた範囲を落とし、思うような点数を取れない子がいます。
原因は努力不足ではなく、目標に対する勉強の優先順位にあるかもしれません。難問への挑戦を続けながら、取るべき問題を確実に得点する方法を、ときわの塾が解説します。
対象となる保護者様
- 難しい問題は解けるのに、基本問題を間違える
- 上位を目指して勉強しているのに、順位が下がった
- 基本問題を「分かっている」と軽く考えている
- 先生が出題すると伝えた範囲を十分に復習しない
- 本人は努力しているのに、点数へつながらない
- 難問と基本問題の勉強時間をどう配分すべきか迷っている

学年1番を目指して難問を勉強した結果、15位になりました
私の子どもに、つい最近このようなことがありました。
普段の定期テストでは、毎回学年5番以内に入っていました。
本人は、次こそ学年1番を取りたいと考えました。
そこで力を入れたのが、難しい問題です。
他の子が解けない問題を解ければ、1番に近づける。
そのように考え、難問を中心に勉強していました。
難しい問題へ挑戦すること自体は悪くありません。1番を目指して勉強したことも、前向きな努力です。
しかし、その一方で、
- 基礎的な問題
- すでに分かっていると思った内容
- 先生が「ここは出る」と伝えていた箇所
を軽く見てしまいました。
その結果、取るべき問題を落とし、順位は入学以来最も低い学年15位でした。
努力しなかったから順位が下がったのではありません。
むしろ、本人は1番を目指して努力していました。
問題は、努力の量ではなく、目標に対する勉強の優先順位でした。
難問を解く力と、テストで点数を取る力は同じではありません
難しい問題を解けることは、大きな力です。
複数の知識を組み合わせる。
すぐに答えが出なくても考える。
これまでに習った方法を工夫して使う。
このような経験は、考える力を育てます。
しかし、テストの点数は、難問だけで決まりません。
- 基本問題を正確に解く
- 授業で扱った内容を覚える
- 先生が強調した箇所を復習する
- 問題文や条件を確認する
- 計算や漢字などの小さな失点を減らす
- 解ける問題を時間内に確実に取る
これらを積み重ねた合計が点数になります。
難問を一問正解しても、基本問題を何問も落とせば、合計点は下がります。
難問を解く力がないのではありません。
持っている力を、テストの点数へ変える準備が不足していたのです。
上位を目指す子ほど、難問へ意識が向くことがあります
上位にいる子は、基本問題を解けることが多いため、
「基本はもう大丈夫」
「簡単な問題をしても順位は上がらない」
「他の子が解けない問題を取らなければ1番になれない」
と考えることがあります。
この考え方には、正しい部分もあります。
上位の中でさらに順位を上げるためには、難しい問題を取る力が必要になる場合があります。
ただし、それは、取るべき問題を確実に得点できることが前提です。
基本問題を見て「これは分かる」と感じることと、テスト本番で必ず正解できることは同じではありません。
分かっている問題ほど、
- 問題文をよく読まない
- 途中式を省く
- 見直しをしない
- 復習の優先順位を下げる
- 解けることを実際に確認しない
という状態になりやすいことがあります。
難しい問題を慎重に解き、簡単だと思った問題を雑に解く。
その結果、難問には正解できても、取るべき問題で失点します。
「先生が出ると言った場所」を軽視してはいけません
定期テストでは、先生が授業中に、
「ここは大切です」
「この問題はできるようにしておいてください」
「テストに出します」
と伝えることがあります。
これは、テスト範囲を考えるうえで非常に重要な情報です。
しかし、難問へ意識が向いている子は、
「そこは簡単だから大丈夫」
「分かっているから、もうしなくてよい」
と判断することがあります。
実際に何も見ずに解き直し、正解できることを確認したのであれば問題ありません。
しかし、ノートや解答を見て分かるだけで「できる」と判断している場合があります。
定期テストでは、先生の話、授業で扱った問題、学校ワーク、配布されたプリントが出題の土台になります。
難しい問題集へ進む前に、出題される可能性が高い内容を、自力で解ける状態にする必要があります。
基本問題の失点を「ケアレスミス」で終わらせない
難しい問題を解ける子が基本問題を落とすと、
「本当は分かっていた」
「たまたま間違えただけ」
「ケアレスミスだから実力には関係ない」
と考えることがあります。
しかし、テストでは、理由にかかわらず失点は失点です。
また、「ケアレスミス」という言葉だけでは、次に変える行動が決まりません。
例えば、基本問題の失点にも、
- 問題文を最後まで読まなかった
- 単位を確認しなかった
- 符号を見落とした
- 途中式を省いて暗算した
- 漢字を正確に覚えていなかった
- 解けると思い、見直しの対象から外した
- 先生が強調した内容を復習していなかった
という具体的な原因があります。
必要なのは、
「次は気をつける」
ではありません。
- 単位へ丸を付ける
- 符号を途中式に残す
- 基本問題ほど問題文を最後まで読む
- 学校ワークを答えなしでもう一度解く
- 先生が強調した箇所を一覧にする
- 見直す問題を先に決めておく
という、次のテストで行う具体的な工夫です。
テスト勉強は三つの順番で考えます
難問と基本問題のどちらを勉強するかという二択ではありません。
優先順位を三段階に分けます。
取るべき問題を落とさない
最初に確認するのは、テストで出題される可能性が高く、現在の力なら取れる問題です。
- 授業で扱った問題
- 学校ワークの基本問題
- 先生が強調した箇所
- 小テストで間違えた内容
- 前回のテストで落とした基本事項
これらを、答えやノートを見ずに解ける状態にします。
標準問題を安定させる
次に、少し考えれば解ける標準問題を確認します。
解き方を知っているだけでなく、数字や聞かれ方が変わっても使えるかを見ます。
ここまでを安定させると、点数の土台ができます。
難問で上積みする
取るべき問題と標準問題を確認した後に、難問へ取り組みます。
難問への挑戦をやめる必要はありません。
基本と標準で点数を確保し、その上へ難問の得点を積み上げます。
学年1番を目指すのであれば、難問へ挑戦する力も必要です。
しかし、難問は土台を飛ばして点数を作るものではありません。
土台の上に点数を上積みするものです。
「分かる」ではなく、何も見ずにできるか確認します
基本問題を軽視する子は、
「これは分かる」
「前にやった」
「答えを見れば理解できる」
という理由で、復習を終えることがあります。
しかし、テスト本番には解答も例題もありません。
確認する基準は、
- 何も見ずに最初から解けるか
- 答えの理由を説明できるか
- 少し形が変わっても解けるか
- 時間を空けた後にも思い出せるか
です。
ノートを見て理解できる状態は、「知っている」です。
テストで必要なのは、自分一人で答えを作れる状態です。
基本問題だからこそ、短時間で構いません。実際に解き、確実に正解できることを確認します。
勉強時間ではなく、配分を振り返ります
今回の私の子どもの場合、勉強時間が足りなかったとは考えていません。
1番を目指して、難問へ取り組んでいました。
振り返るべきなのは、
テストまでの時間を、どの内容へどれだけ使ったか
です。
例えば、テスト勉強を振り返るときは、
- 出題範囲を一通り確認したか
- 先生が強調した内容を復習したか
- 基本問題を何も見ずに解いたか
- 間違えた基本問題を解き直したか
- 難問へ使った時間が多くなりすぎていないか
- 難問の前に、取るべき問題の確認を終えたか
を見ます。
本人が努力したことは否定しません。
必要なのは、努力を減らすことではなく、努力の配分を変えることです。
中学受験や高校受験でも同じことが起こります
今回の例は定期テストでしたが、中学受験や高校受験でも同じことが起こります。
難しい問題を解けると、手応えがあります。
一方、基本問題の練習は、すでに知っている内容を繰り返しているように感じることがあります。
しかし、入試で大切なのは、最も難しい問題を解いた人になることではありません。
志望校の合格に必要な点数を取ることです。
過去問や模試では、
- 正答率の高い問題を落としていないか
- 合格するために取るべき問題を取れたか
- 難問一問へ時間を使いすぎていないか
- 基本問題の失点を分析したか
- 自分の得意不得意に合った順番で解いたか
を確認します。
難問を解く力は武器です。
その武器を生かすためにも、取るべき問題を確実に得点する必要があります。
家庭では「もっと勉強しなさい」ではなく、優先順位を確認します
子どもが努力していたのに順位を落とすと、
「勉強が足りなかった」
「もっと真剣にしなさい」
と言いたくなるかもしれません。
しかし、本人が難問へ真剣に取り組んでいたのであれば、問題は努力不足ではありません。
家庭では、
- 今回、最も時間を使った勉強は何だった?
- 先生が出すと言った箇所を確認した?
- 基本問題は、答えを見ずに解いて確かめた?
- どの問題を取るつもりで勉強した?
- 次は、最初に何を終わらせる?
と、勉強の順番を一緒に確認します。
順位だけを見て叱るのではなく、どの判断が結果につながらなかったのかを見つけます。
そうすれば、今回の15位を、次のテストで勉強方法を変える材料にできます。
難問への挑戦はやめなくてよい
今回の経験から、
「難しい問題をする必要はない」
という結論にはなりません。
学年1番を目指す気持ちも、難問へ挑戦した努力も大切です。
変える必要があるのは、難問へ挑戦することではなく、その順番です。
- 先生が出すと伝えた箇所を確認する
- 基本問題を何も見ずに解く
- 標準問題を安定させる
- 間違えた原因を直す
- その後で難問へ挑戦する
この順番なら、取るべき点数を確保したうえで、難問によって上積みできます。
勉強は、難しい問題を解いた量を競うものではありません。
目標から逆算し、必要な問題を必要な順番でできるようにするものです。
努力を点数につなげるために
難問は解けるのに基本問題を落とす子は、力がないわけではありません。
努力していないとも限りません。
むしろ、目標が高く、難しいことへ挑戦できる子だからこそ、勉強の配分が難問へ偏ることがあります。
その力を点数へつなげるには、
- 出題される可能性が高い内容を優先する
- 基本問題を「分かる」ではなく「できる」にする
- 基本問題の失点をケアレスミスで終わらせない
- 標準問題まで安定させてから難問へ進む
- テスト後に、時間と学習内容の配分を振り返る
ことが大切です。
ときわの塾では、難問へ挑戦する力だけでなく、取るべき問題を確実に得点するための行動も育てます。
点数を追いかけるだけではなく、持っている力を点数につなげる学び方を身につけることを大切にしています。
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