国語の成績が伸びない子へ|問題を増やす前に確認したい4つの原因
国語を勉強しているのに成績が伸びないとき、問題数を増やすだけでは同じ間違いを繰り返すことがあります。語彙、問いの理解、本文の根拠、学んだ読み方の再現という4つの原因から、お子さまが止まっている場所を確認します。

「国語も勉強しているのに、なかなか成績が伸びません。」
「長文読解になると、何が書かれているのか分からなくなります。」
「国語は、何を勉強すればよいのでしょうか。」
このようなご相談をいただくことがあります。
国語の成績が伸びないとき、文章問題を増やしたり、読書量を増やしたりすることがあります。
もちろん、文章を読む経験は必要です。
しかし、つまずいている原因が分からないまま問題数だけを増やしても、同じ読み方と間違いを繰り返す可能性があります。
国語の成績が伸びない子には、どのような原因が考えられるのでしょうか。
問題を増やす前に確認したい4つの様子から、ときわの塾が解説します。
国語は、つまずいている場所が見えにくい教科です
算数では、どこでつまずいているのかを比較的見つけやすい場合があります。
九九が安定していない。
繰り上がりの計算を間違える。
分数の通分ができない。
割合の意味を理解できていない。
このように、学習内容をたどることで、戻る場所を考えられます。
一方、国語では、学年に合った長い文章を読み、さまざまな種類の問題へ一度に取り組むことがあります。
物語文であれば、
- 登場人物の気持ち
- 行動した理由
- 場面の変化
- 人物同士の関係
- 言葉や表現の意味
などが問われます。
説明文では、
- 指示語
- 接続語
- 段落の関係
- 要点
- 筆者が伝えたいこと
などを考えます。
一つの文章に異なる種類の問題が並ぶため、間違えた問題だけを見ても、何ができていないのか分かりにくいのです。
原因1 言葉の意味が分からないまま読んでいる
文章を声に出して読めていても、使われている言葉の意味を理解できているとは限りません。
意味の分からない言葉があっても、子どもが自分から質問するとは限りません。
読み方だけを知っている漢字や、何となく意味を知っている言葉を、そのまま読み進めることがあります。
例えば、
「ためらう」
という言葉を正しく理解できていなければ、登場人物がすぐに行動しなかった理由や、そのときの気持ちを読み取れない可能性があります。
説明文でも、重要な言葉の意味を取り違えると、段落全体の意味が変わってしまいます。
家庭で確認できること
文章を読んだあとに、
「この言葉は、どういう意味?」
と聞いてみてください。
辞書のような説明ができなくても構いません。
自分の知っている言葉で言い換えられるか、簡単な例を挙げられるかを見ることで、意味を理解しているかを確認できます。
原因2 問いで何を聞かれているのか理解できていない
文章の内容は理解できていても、問いに合った答えを書けない子がいます。
例えば、
「主人公が公園へ戻った理由を書きなさい。」
と聞かれているのに、戻ったときの気持ちを書いていることがあります。
「どのようなことですか。」
と聞かれているのに、本文から一つの言葉だけを抜き出すこともあります。
このような場合、文章の読解だけでなく、問いの読み取りでつまずいています。
確認する必要があるのは、次のような内容です。
- 何について聞かれているのか
- 理由、気持ち、行動のどれを答えるのか
- 本文から抜き出すのか、自分で文章を作るのか
- 何文字以内で書くのか
- 指定された言葉を使う必要があるのか
家庭で確認できること
問題を解く前に、
「この問題は、何を答える問題?」
と聞いてみてください。
答えそのものではなく、何を聞かれているのかを説明できるか確認します。
ここを説明できなければ、本文を理解していても正しい答えを作ることは難しくなります。
原因3 本文から根拠を探さず、自分の想像で答えている
物語文では、登場人物の気持ちを考える問題があります。
このとき、
「自分なら悲しいと思うから。」
「何となく、うれしそうだから。」
というように、自分の経験や印象だけで答える子がいます。
物語を読むときに想像することは大切です。
しかし、読解問題では、文章に書かれた内容を根拠にして考える必要があります。
登場人物の気持ちは、次のようなところに表れます。
- どのような行動をしたか
- どのような言葉を話したか
- 表情や声の様子がどう書かれているか
- 直前に何が起きたか
- 出来事の前後で行動がどう変化したか
答えが合っていても、根拠を説明できなければ、別の文章でも同じように解けるとは限りません。
家庭で確認できること
お子さまが答えを選んだあとに、
「文章のどこを見て、そう考えたの?」
と聞いてみてください。
本文中の言葉や行動を示せれば、根拠を使って考えています。
「何となく」「そう思ったから」という答えであれば、文章のどこを見るのかがまだ分かっていない可能性があります。
原因4 教わった読み方を別の文章で使えない
先生の説明を聞いた直後には、正しく答えられることがあります。
しかし、文章が変わると、同じ考え方を使えなくなる子がいます。
例えば、
「登場人物の行動から気持ちを考える。」
という読み方を教わったあと、その問題は解けても、次の物語では行動を確認せずに答えることがあります。
これは、説明を理解できなかったということではありません。
教わった考え方を、自分から使うところまで身についていない状態です。
国語でも算数と同じように、
- 考え方を知る
- 先生と一緒に使う
- ヒントを受けながら使う
- 別の文章で一人で使う
- 複数の考え方を組み合わせる
という段階が必要です。
家庭で確認できること
以前と同じ種類の問題に取り組んだときに、
「前の問題では、何を見て考えた?」
と聞いてみてください。
教わった読み方を思い出し、今回の文章でも使えるかを確認します。
長文読解が苦手でも、原因は「文章が長いから」とは限りません
短い文章では答えられるのに、長文になると分からなくなる子がいます。
この場合、集中力だけが原因とは限りません。
文章が長くなると、覚えておく情報も増えます。
物語文では、
- 登場人物
- 人物同士の関係
- 場所
- 時間
- 出来事の順番
- 気持ちの変化
を整理する必要があります。
説明文では、
- 各段落の要点
- 具体例
- 比較されている内容
- 筆者の主張
- 段落同士のつながり
を考えます。
一つひとつの文を読めても、情報を整理できなければ、文章全体の意味をつかめません。
そのため、長文問題を増やす前に、人物関係、時系列、段落の要点など、どの整理で止まっているのかを確認する必要があります。
記述問題が苦手でも、書く力だけが原因とは限りません
記述問題で手が止まると、
「文章を書くのが苦手なのだろう。」
と思うことがあります。
しかし、書く前の段階で止まっている場合もあります。
- 問いで何を聞かれているのか分からない
- 本文から根拠を見つけられない
- 必要な情報を選べない
- 答えに使う順番を決められない
- 分かっていることを言葉にできない
この状態で、記述問題の数だけを増やしても、空白が続いたり、本文をそのまま長く書き写したりする可能性があります。
まず必要なのは、書き方の型を覚えることだけではなく、答えに必要な材料を見つけ、整理することです。
算数の文章題が苦手な場合にも、読む力を確認します
計算問題はできるのに、文章題になると式を作れない子がいます。
この場合、計算方法だけが原因とは限りません。
文章題では、
- 何が分かっているのか
- 何を求めるのか
- 数字が何を表しているのか
- 数量同士にどのような関係があるのか
- どの計算を使うのか
を整理します。
問題文を最後まで読んでいない場合や、言葉の意味を正しく理解できていない場合には、計算ができても式を作れません。
国語で育てる読む力と、算数の文章題を考える力は、別々のものではありません。
ときわの塾では、国語を30の基礎に整理しました
国語の成績が伸びない原因を「読解力がない」という一つの言葉で終わらせると、何を練習すればよいのか分かりません。
そこで、ときわの塾では、文章を読むときに必要な行動と考え方を、「言葉で考える力【基礎30】」として整理しました。
例えば、
- 行動から気持ちを考える
- 会話から気持ちを考える
- 前後の変化を確認する
- 指示語が指す内容を探す
- 接続語から文章の流れを考える
- 文章の要点を整理する
- 本文から根拠を見つける
- 問いの条件を確認する
- 自分の考えを言葉にする
といった基礎です。
30項目を暗記することが目的ではありません。
お子さまがどこで止まっているのかを見つけ、必要な考え方から練習するための地図として使います。
「できない理由」が分かれば、練習する内容を決められます
同じ「国語が苦手」という状態でも、原因は一人ひとり異なります。
語彙が不足している子に、記述問題ばかり解かせても、文章の理解は進みません。
問いを読み違えている子に、本文を何度も読ませても、答え方は変わりません。
根拠を探していない子に、正解だけを教えても、次の文章では同じように迷います。
だから、ときわの塾では、問題数を増やす前に、学習中の様子を見ます。
どの言葉で止まったのか。
どこまで読んだのか。
何を聞かれていると思ったのか。
文章のどこを根拠にしたのか。
教わった考え方を、次の問題でも使えたのか。
こうした事実から原因を考え、必要な基礎を決めます。
国語の点数だけでなく「言葉で考える力」を育てます
文章を読む力。
理由を考える力。
情報を整理する力。
自分の考えを相手へ伝える力。
ときわの塾では、これらを「言葉で考える力」と呼んでいます。
この力は、国語の点数だけに関係するものではありません。
算数では、文章題の条件を整理します。
理科では、実験の条件と結果を読み取ります。
社会では、文章、地図、グラフ、資料を結びつけます。
先生の説明を聞き、分からないことを質問し、自分の考えを説明するときにも言葉を使います。
国語を伸ばすためだけではなく、すべての教科を伸ばすための読む力を育てる。
その結果として、国語の成績にもつながる学習を目指します。
まとめ|国語の問題を増やす前に、止まっている場所を探します
国語の成績が伸びないとき、本人の能力だけが原因とは限りません。
確認したいのは、次の4つです。
- 言葉の意味を理解できているか
- 問いで何を聞かれているか分かっているか
- 本文から根拠を探しているか
- 教わった読み方を別の文章でも使えているか
どこでつまずいているのかが分かれば、練習する内容を具体的にできます。
長文問題を繰り返すだけではなく、必要な基礎まで戻り、一つずつ使えるようにする。
ときわの塾では、正解数だけでなく、お子さまがどのように読み、考え、答えを作ったのかを見ながら、国語の学習を進めています。
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