答えは合っているのに理由を説明できない子へ|偶然の正解を学力にしない
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問題には正解しているのに、「どうして、その答えになったの?」と聞くと説明できない子がいます。正解したことと、考え方を理解して自分で解けたことは同じではありません。偶然の正解と、次の問題でも再現できる正解を分けるために、何を確認すればよいのかを、ときわの塾が解説します。

問題を解き終えた子どもの答案を見ると、正解しています。
そこで、
「どうして、この答えになったの?」
と聞いてみると、
「何となく」
「そう思ったから」
「選択肢の中で、これだと思った」
と返ってくることがあります。
答えは合っているため、そのまま丸を付けて次へ進めたくなるかもしれません。
しかし、同じ問題を少し変えて出すと、今度は解けない。
前に正解した方法を使おうとしても、何をすればよいのか分からない。
このような場合は、問題の考え方を理解して正解したのではなく、偶然答えが合っていた可能性があります。
正解か不正解かだけでは、その子が何を理解しているのかまでは分かりません。
大切なのは、
何を根拠に、その答えを出したのか
を確かめることです。
正解していても、理解できているとは限りません
正解には、いくつかの種類があります。
例えば、次のような正解です。
- 問題文を読み、条件を整理して出した正解
- 教わった方法を思い出して出した正解
- 式や途中の考え方を確かめて出した正解
- 選択肢を一つずつ検討して出した正解
- 数字だけを見て何となく書いた正解
- 消去法ではなく、勘で選んだ正解
- 前の問題と同じ答えを書いたら合っていた正解
答案に付く丸は同じです。
しかし、次の問題でも自分で解けるかどうかは大きく違います。
根拠を持って出した正解には、次にも使える考え方があります。
何となく書いて合っていた正解には、次に使える方法が残っていません。
そのため、ときわの塾では、丸が付いた問題でも、必要であれば考え方まで確認します。
不正解でも、考えた跡があれば直せます
反対に、不正解だったからといって、何も考えていなかったとは限りません。
例えば、算数の文章題で、
- 問題文を最後まで読んだ
- 何を求める問題か確認した
- 必要な数字を見つけた
- 前に習った方法を使おうとした
- 式を作ったが、一部分を取り違えた
という場合があります。
答えは間違っていますが、考えた過程は残っています。
考え方をたどれば、
「ここまでは合っている」
「この条件を取り違えた」
「式を作るところで考え方が変わった」
と、最初に違った場所を見つけられます。
違った場所が分かれば、その部分だけを直して、もう一度解くことができます。
一方、正解していても、
「どうして、その答えにしたのか分からない」
という状態では、次も同じように解けるとは判断できません。
学習では、正解か不正解かと同時に、そこまでの考え方を見る必要があります。
偶然の正解をそのままにすると、できたことになります
偶然正解した問題に丸を付け、そのまま次へ進むと、その問題は「できた問題」として扱われます。
子ども自身も、
「正解したから分かっている」
と思います。
保護者や先生も、答案だけを見れば理解しているように見えます。
しかし、次に似た問題が出たときには使えません。
すると、
「前はできていたのに、どうして今回はできないの?」
ということが起こります。
実際には、前回も考え方を理解していたとは限りません。
偶然答えが合っていただけで、使える方法が身についていなかった可能性があります。
偶然の正解が問題なのは、丸が付くことではありません。
本当は分かっていない部分が、丸によって見えなくなることです。
ときわの塾では、答えの根拠を確認します
ときわの塾では、正解している問題でも、考え方が見えない場合は次のように確認します。
「問題文のどこを見た?」
「何を聞かれている問題?」
「この数字は、どこから見つけた?」
「この式にしたのはなぜ?」
「どの言葉を見て、この答えを選んだ?」
「前に習った何を使った?」
「どうして、この選択肢ではないと思った?」
「どう考えたの?」と広く聞くだけでは、子どもが何を説明すればよいのか分からないことがあります。
そこで、問題文、条件、数字、式、選択肢など、確認する場所を具体的にします。
すべてを上手に説明できる必要はありません。
問題文の一部分を指して、
「この言葉を見ました」
と示すことから始めても構いません。
大切なのは、答えと問題の間に、子ども自身がたどれる考え方があることです。
説明できないことと、理解していないことは同じではありません
考え方を説明できないからといって、必ず理解していないとは限りません。
頭の中では考えられていても、言葉にすることに慣れていない子もいます。
そのため、
「説明できないから分かっていない」
と、すぐに決めることもできません。
確認したいのは、例えば次のようなことです。
- 問題文の根拠となる場所を指せるか
- 使った数字や条件を選べるか
- 同じ考え方でもう一問解けるか
- 数字や問い方が変わっても解けるか
- 途中までの考え方を再現できるか
- 間違った選択肢を除いた理由を示せるか
言葉でうまく説明できなくても、別の問題で同じ方法を使えれば、考え方を理解している可能性があります。
反対に、説明を丸暗記して話せても、問題が変わると解けない場合があります。
説明の上手さだけを見るのではなく、別の問題でも自分で使えるかまで確かめます。
選択問題にも「考えた正解」と「勘の正解」があります
選択問題では、答えだけを見ると考え方が残りにくくなります。
正解した場合でも、
「どのように選んだの?」
と確認します。
例えば、
- 問題文と合う選択肢を選んだ
- 本文の根拠となる場所を見つけた
- 条件に合わない選択肢を一つずつ外した
- 計算結果に合うものを選んだ
- 知っている言葉が入っているものを選んだ
- 一番正しそうに見えるものを選んだ
- 何となく番号を選んだ
では、同じ正解でも中身が違います。
選択肢を一つずつ検討して選んだのであれば、考えた跡があります。
たとえ最後の二つで迷ったとしても、
「この二つまでは絞れた」
「ここから判断できなかった」
と分かれば、学び直す場所を見つけられます。
何も確認せずに選んで合っていた場合は、正解として終わらせず、もう一度問題へ戻ります。
国語では本文のどこを根拠にしたのか確認します
国語の問題では、文章を読んだ印象だけで答えを選び、偶然正解することがあります。
特に物語文では、
「たぶん、この気持ちだと思った」
「自分ならこう思うから」
と答える子がいます。
しかし、国語の答えは、自分の想像だけで決めるものではありません。
- 登場人物が何を言ったか
- その前後でどのような出来事があったか
- 表情や行動がどのように書かれているか
- 前と後で気持ちがどう変わったか
を本文から確かめます。
正解していても本文のどこを見たのか分からなければ、別の文章で同じように答えることは難しくなります。
「どこに書いてあった?」
と聞き、根拠となる文を探す練習が必要です。
算数では数字だけで式を決めていないか確認します
算数の文章題では、問題文に出てきた数字を見て、何となく式を作る子がいます。
数字が二つあれば足す。
割り切れそうなら割る。
前の問題がかけ算だったから、今回もかける。
その式で偶然正解することがあります。
しかし、数字の関係を理解していなければ、問い方が変わったときには使えません。
そこで、
「何を求める問題?」
「この二つの数字は、何を表している?」
「なぜ足し算にしたの?」
「式の中の数字には、どのような意味がある?」
と確認します。
式を言葉で説明できれば、問題文と計算がつながっています。
説明できない場合は、正解していても、数字の関係をもう一度整理します。
根拠を説明することにも練習が必要です
最初から自分の考えを上手に説明できる子ばかりではありません。
「どう考えたの?」
と聞かれても、
「分からない」
「何となく」
としか答えられないことがあります。
そのようなときは、答えやすいところから確認します。
「この数字は、問題文のどこに書いてあった?」
「何を求めようとしたの?」
「足し算にしたのは、どの言葉を見たから?」
「どこまでは自信がある?」
最初は先生と一緒に、考えた順番をたどります。
次は、式を作った理由を一つ説明します。
その次は、問題文のどこを根拠にしたのかを自分で示します。
このように少しずつ練習します。
説明する目的は、きれいな言葉で発表することではありません。
自分が何を見て、どのように考えたのかを確かめることです。
根拠を確かめたあと、別の問題でも使ってみます
一つの問題について理由を説明できても、それだけでは自分の力になったか判断できません。
説明を聞いた直後は、先生が使った言葉や式を覚えていることがあります。
そこで、同じ考え方を使う別の問題にも取り組みます。
- 数字だけを変えた問題
- 問われているものを変えた問題
- 文章の順番を変えた問題
- 選択肢の表現を変えた問題
- 別の文章で同じ読み方を使う問題
こうした問題でも自分で考えられれば、教わった方法を使えるようになっています。
ときわの塾が大切にしているのは、その場で丸が付くことだけではありません。
今日できたことを次もできる。
教わった問題だけでなく、別の問題でも使える。
先生が隣にいなくても、自分でできる。
この状態まで確かめます。
ご家庭では、正解した問題にも根拠を一つ聞いてください
ご家庭で丸付けをするとき、不正解だけを確認することが多いかもしれません。
しかし、答えだけが書かれていて、どのように考えたのか分からない問題があれば、正解していても一つだけ根拠を聞いてみてください。
「どこを見て答えたの?」
「この式にした理由は?」
「この選択肢ではないと思った理由は?」
「同じような問題でも、もう一度できそう?」
すべての問題について、長く説明させる必要はありません。
一つの問題、一つの根拠からで十分です。
子どもがうまく説明できない場合も、
「正解したのに分かっていない」
と責める必要はありません。
「答えは合っているね。では、どこを見て考えたのか、一緒に確かめよう」
と、問題へ戻ります。
根拠が見つからなければ、偶然合っていたことが分かります。
これは失敗ではありません。
分かっていない部分を、次の問題へ進む前に見つけられたということです。
丸の数だけでは、学力になったか分かりません
問題に正解することは大切です。
しかし、一度正解したことと、次も自分で解けることは同じではありません。
偶然合っていた答え。
覚えていた答え。
問題文を読み、条件を整理して出した答え。
教わった方法を自分で使って出した答え。
答案に付く丸は同じでも、その中身は違います。
正解したときにも、
「何を根拠に考えたのか」
を確かめることで、その答えが次にも使えるものかどうかが分かります。
大切なのは、答えを説明するための言葉を暗記することではありません。
問題文のどこを見て、何を使い、どのように考えたのかを自分でたどれることです。
まずはご自宅で、正解した問題を一つ選び、
「どこを見て、その答えにしたの?」
と聞いてみてください。
正解を偶然で終わらせず、次の問題でも使える力へ変える入口になります。

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