算数のノートが汚い子へ|きれいに書かせる前に見たいこと
この記事の内容
お子さんの算数ノートが汚いと、学習内容を理解できているのか心配になると思います。ただ、見た目が整っていないことと、考えられていないことは同じではありません。きれいに書き直させる前に見ておきたいことを、ときわの塾が解説します。

「算数のノートがとても汚いのですが、大丈夫でしょうか」
「字が雑で、どこに何を書いているのか分かりません」
「何度きれいに書くように言っても、直りません」
お子さんのノートを見て、このように感じる保護者の方は少なくないと思います。
式が斜めに並んでいる。
数字があちこちに書かれている。
消しゴムの跡が多い。
字の大きさもそろっていない。
このようなノートを見ると、
「もう少し丁寧に書いた方がよいのでは」
「このままでは、学年が上がったときに困るのでは」
と心配になるのも自然なことです。
これまで何度も、
「もっときれいに書こう」
「あとから読めるように書こう」
と声をかけてこられたかもしれません。
それでも変わらないと、どのように伝えればよいのか分からなくなることもあると思います。
ただ、算数のノートは、見た目の美しさだけで良し悪しを判断できません。
少し雑に見えても、本人が考えた順序を説明できるノートがあります。
反対に、きれいに仕上がっていても、黒板や解説を写しただけで、本人の考えがあまり残っていない場合もあります。
ときわの塾では、ノートがきれいか汚いかではなく、そのノートを使って子どもが考えられているかを見ています。
「ノートが汚い」の中身は、子どもによって違います
ひとことで「ノートが汚い」といっても、実際に起きていることは一人ひとり違います。
例えば、次のような状態があります。
- 字は雑に見えるが、本人はすべて読める
- 考える速さに合わせて書いているため、見た目が整っていない
- 数字や式を書く場所が決まっておらず、順序をたどれない
- 複数の問題の計算が混ざっている
- 0と6、1と7などを本人も見分けられない
- 問題番号と計算の対応が分からない
- 書いた本人にも、どこからどこへ続いているのか分からない
外から見ると同じように雑なノートでも、学習上の困り方は異なります。
字が整っていないだけで、考え方は本人の中でつながっている子もいます。
一方で、自分が書いた数字を読み違えたり、どの計算をしていたのか分からなくなったりしている子もいます。
そのため、すぐに「きれいに書けていない」と判断するよりも、まず本人が自分のノートを使えているかを見ると、困っている場所が分かりやすくなります。
少し雑でも、考えた順序が分かることがあります
問題を考えている最中は、頭の中でいくつもの考えが動きます。
「この数字を使うのかな」
「先にこちらを求めた方がよさそうだ」
「この方法では違うかもしれない」
その動きに合わせて書けば、完成した見本のように整わないこともあります。
矢印が入る。
図をあとから書き足す。
途中で考え方を変える。
必要な数字を丸で囲む。
このような跡が残っていても、本人が考えた順序をたどれるのであれば、そのノートは考えるために役立っています。
算数のノートは、人に見せるための完成品である前に、問題を考えるための作業場所でもあります。
見た目だけを整えようとすると、書くことに意識が向き、肝心の問題を考えにくくなる子もいます。
少し雑に見えるからといって、すべて書き直した方がよいとは限りません。
本人にも分からなくなっているときは、少し工夫できることがあります
一方で、書いた本人にも数字が読めなかったり、計算の順序が分からなかったりする場合は、ノートの使い方が学習を難しくしている可能性があります。
例えば、筆算の桁がずれていると、計算方法を理解していても答えを間違えることがあります。
複数の問題の計算が重なっていれば、どの数字を次に使うのか分からなくなることもあります。
このような場合も、ノート全体を美しく作り直す必要はないと考えています。
- 問題番号を書く
- 問題と問題の間を少し空ける
- 筆算の桁をそろえる
- 自分で区別できる数字を書く
- 式が続く方向をそろえる
- あとから書き加えられる余白を残す
困っている部分に合わせて、一つだけ変える方が取り組みやすい子もいます。
すべてを一度に直そうとすると、子どもにとって算数が「きれいに書くための時間」になってしまうからです。
きれいなノートでも、理解できているとは限りません
反対に、ノートがきれいだから安心とも限りません。
黒板や解説をそのまま写す。
色を使い分けて重要なところを囲む。
間違えた部分をすべて消し、正しい答えだけを残す。
このようなノートは、しっかり勉強しているように見えます。
子ども自身も、ノートを完成させたことで、
「勉強できた」
「もう分かった」
と感じることがあります。
しかし、
「なぜ、この式になったの?」
「この数字は何を表しているの?」
と聞いたときに説明できないこともあります。
きれいに書けたことと、次に一人で解けることは別です。
ときわの塾では、ノートの見た目だけで理解を判断せず、書かれている内容を使って本人が説明できるか、別の問題でも同じ考え方を使えるかを確認しています。
ときわの塾が算数のノートから見ていること
ときわの塾では、字の上手さや色の使い方よりも、次のような点を見ています。
- どの問題を解いているのか分かるか
- 計算や考え方の順序をたどれるか
- 数字を本人が正しく読み返せるか
- 図と式の関係が分かるか
- 教わった方法を使った跡があるか
- どこから分からなくなったのか確認できるか
- 本人がノートを見ながら説明できるか
すべてが最初から整っている必要はありません。
実際に問題を解いている様子を見ながら、
「ここまでは自分で分かっている」
「この辺りから、どの計算か分からなくなっている」
「数字を読み違えたことで答えが変わっている」
と、起きていることを一緒に整理します。
ノートを見る目的は、書き方を注意することではありません。
答えだけでは見えない、その子の考え方や困り方を知ることです。
ご家庭でノートが気になったときは
お子さんのノートが雑に見えたときは、一問だけ選んで、次のように聞いてみると状態が分かることがあります。
「この計算は、どの問題のものかな」
「どこからどこへ続いているのかな」
「この数字は何を表しているの?」
「明日見ても、自分で分かりそう?」
本人が説明できれば、見た目ほど困っていない可能性があります。
反対に、本人にも分からない場合は、
「次から問題番号だけ書いてみようか」
「筆算を少し離すと見やすくなるかな」
と、一緒に工夫できる点を探してみてもよいと思います。
ただ、家庭で何度も声をかけてきたのに変わらないときまで、保護者の方だけが注意を続ける必要はありません。
親子で勉強の話をするたびに言い合いになったり、お互いに疲れたりするのであれば、家庭以外の人が学習中の様子を見る方法もあります。
ご家庭だけに「直す役」をお願いしません
ノートが雑なことに気づくと、保護者の方は、
「今のうちに直してあげなければ」
と思われるかもしれません。
それは、お子さんが将来困らないようにという心配から出ているものだと思います。
一方で、毎日のように、
「きれいに書きなさい」
「また読めない字になっている」
と伝え続けることは、保護者の方にとっても負担になります。
子どもも、ノートの話をされるたびに責められているように感じ、内容を考える前に反発してしまうことがあります。
ときわの塾では、ご家庭へ注意役をお願いするのではなく、授業中に実際のノートと問題を解く様子を見ながら、その子に必要な工夫を探します。
本人が困っていない部分まで、すべて直すことはしません。
一つ変えたことで、
「計算の続きが分かりやすくなった」
「自分で数字の間違いに気づけた」
という経験ができれば、書き方を変える意味も少しずつ分かってきます。
算数のノートは、考えるための道具です
算数のノートは、きれいさを競うためのものではありません。
だからといって、何を書いたのか本人にも分からない状態のままでよいわけでもありません。
大切なのは、
- 自分で読める
- 考えた順序をたどれる
- どこで迷ったのか分かる
- 自分の考え方を説明できる
- 次に解くときに使える
ということです。
ノートが汚く見えるときも、まずは見た目だけで決めず、その子がどのように使っているのかを一緒に見ていきます。
必要なことを残し、自分で読み返し、考え方を確かめる。
ときわの塾では、その習慣を子どもと一緒に育てています。
西宮市で算数のノートや学習方法にお悩みの方へ
ときわの塾は、西宮市で算数・国語を中心に指導する少人数個別対応の学習塾です。
- ノートが雑で、計算の順序が分からない
- 字や数字の読み違いで失点する
- きれいに書くことばかり気にして問題が進まない
- ノートは完成しているのに、一人では解けない
- 何度注意しても変わらず、親子ともに疲れている
このような場合も、最初から正しい書き方を押しつけるのではなく、実際に問題を解いている様子から、何に困っているのかを確認します。
どこを読み、何を書き、どのような順番で考えたのか。
できている部分と、少し工夫できそうな部分を一緒に見つけます。
ご家庭だけで何度も注意し続けなくても大丈夫です。
点数だけを追いかけるのではなく、点数につながる行動を育てる。
ノートも、その子に合った学び方を見つけるための手がかりの一つです。
関連記事
途中式をほとんど書かず、暗算だけで進めてしまう場合はこちらをご覧ください。
算数の途中式を書かない子へ|暗算できても「書いて考える力」が必要な理由
間違い直しが正しい答えの書き写しになっている場合はこちらをご覧ください。
間違い直しで答えを書き写す子へ|自分で解き直せるようになる確認方法
間違えることを怖がり、答えを何度も消してしまう場合はこちらをご覧ください。

ときわの塾へのご相談・お問い合わせはお気軽に
