子どもが勉強に自信を持てないとき|他の子より過去の本人を見る理由
この記事の内容
「うちの子に、もう少し自信を持ってほしい」
勉強へ取り組む前から「どうせ無理」と諦めたり、正しく考えているのに自分の答えを何度も変えたりする姿を見ると、そう感じることがあると思います。
しかし、「自信を持って」と励ますだけで、子どもが自分を信じられるようになるとは限りません。
必要なのは、他の子と比べることではなく、以前の本人と比べて、何ができるようになったのかを具体的に見つけることです。
私自身の子どもの頃の経験と、実際の指導で子どもから聞いた言葉をもとに、勉強への自信を育てるために大切なことを、ときわの塾が解説します。

自信は、何かを始めるだけで育つとは限りません
「うちの子に、もっと自信を持ってほしい」
お子さんの勉強を見ていて、そう感じる保護者の方は多いと思います。
そのために、新しい習い事を始めたり、得意なことを見つけたり、成功する経験を増やそうとしたりすることもあります。
もちろん、そのような経験が自信につながることはあります。
ただ、何かを始めれば自然に自信がつくとは限りません。
勉強でも、スポーツでも、習い事でも、自分よりできる人はいます。
周囲との順位だけを基準にすると、以前よりできるようになっていても、自分の成長を感じられなくなることがあります。
そこで大切になるのが、他の子ではなく、過去の本人と比べることです。
過去の本人と比べると、小さな変化が見えます
以前はできなかった問題が、今日は一人で解けた。
前は嫌がっていたことに、少し取り組めた。
問題文を途中までしか読まなかった子が、最後まで読んだ。
すぐに答えを聞いていた子が、自分で例題を探した。
間違えた答えを消すだけだった子が、原因を考えた。
このような変化は、他の子と比べていると見落としやすいものです。
しかし、本人にとっては大切な成長です。
もちろん、他の子の良い行動を参考にすることはできます。
「あの子は、授業が始まる前に準備しているね」
「分からないところへ印を付ける方法は、まねしてみてもいいね」
このように、具体的な行動を学ぶ材料にすることはできます。
一方で、
「なぜ、あの子のようにできないの」
「みんなはできているのに」
と比べられると、以前の自分からどれだけ変わったのかが見えなくなります。
他の子は、学ぶ材料にはできます。
しかし、自分の成長を測る基準は、過去の本人に置いた方がよいと私は考えています。
私も、周りより遅いと思われていた子どもでした
私自身も子どもの頃、周囲と比べて、できるようになるのが遅いと思われていたようです。
私は12月の後半生まれです。
同学年の中では比較的遅い時期に生まれていたこともあり、幼い頃の私は、周囲よりゆっくり成長しているように見えたのかもしれません。
母が、
「この子、大丈夫かしら」
というようなことを言っていたのを、今でも覚えています。
そのとき、見かねた祖父が母に言ってくれました。
「死ぬまでできないわけじゃなしに、心配することはない」
私は、この言葉がとても嬉しかったことを覚えています。
今はまだできなくても、いつかできるようになればよい。
今の状態だけで、自分のことを決めつけなくてもよい。
子どもだった私にも、そのように受け取れたのだと思います。
祖父母は、できるようになったことを見つけてくれました
父方、母方の祖父母は、
「前までできなかったことが、できるようになったね」
「前より上手になったね」
と、私が変わったところを具体的に見つけてくれました。
単に「すごい」と言うだけではなく、以前の私との違いを伝えてくれていました。
今思えば、それが私の自信を支えてくれていたのだと思います。
母も、できるようになったことを認めてくれていました。
ただ、子どもの私は、言葉だけでなく大人の表情も見ていました。
認めてもらった後にも心配そうな表情が残っていると、
「本当は、まだ足りないと思っているのだろうな」
と感じたことも覚えています。
保護者の方を責めたいわけではありません。
子どものことを大切に思うからこそ、心配になるのは自然なことです。
ただ、子どもは、大人が思う以上に周囲の言葉や表情を受け取っていることがあります。
勉強への苦手意識が、考えを複雑にすることがあります
勉強への自信がないと、説明を聞いて理解できていても、自分の考えを信じられないことがあります。
例えば、初めて習う単元で、先生の説明を聞き、最初は正しく考えられていたとします。
ところが、
「自分がこんなに簡単に分かるはずがない」
「きっと何か見落としている」
と思い、必要のない考えを加えて答えを変えてしまう子がいます。
また、
「どうせ聞いても分からない」
「自分にはできるはずがない」
と、説明を受ける前から諦めてしまう子もいます。
表面だけを見ると、
「話を聞いていない」
「説明を理解していない」
ように見えるかもしれません。
しかし、実際には、説明の内容より先に「自分にはできない」という判断が働いていることがあります。
その場合、同じ説明を繰り返すだけでは変わりません。
本当に内容を理解できていないのか。
理解しているのに、自分の考えを信じられないのか。
まず、この違いを確認する必要があります。
「最初に思っていたことで良かったんや」
勉強に自信がなかった子が、少しずつ自分で解けるようになったとき、本人の口からこのような言葉が出ることがあります。
「最初に思っていたことで良かったんや」
私は、この言葉を大切にしています。
これは、単に一問正解できたというだけではありません。
最初に自分で考えたことを、信じてもよかった。
説明を聞いて理解したことを、そのまま使ってよかった。
自分にも考えられることがある。
そのような感覚が生まれた言葉だからです。
一方で、最初から自分の考えを信じられていれば、一度目で正解できていた可能性もあります。
苦手意識や自信のなさは、その子が持っている力を発揮する前のブレーキになることがあります。
「自信を持って」だけでは変わらない理由
自信がない子に、
「もっと自信を持って」
「苦手だと思わなくていいよ」
と伝えることがあります。
励ますこと自体が悪いわけではありません。
しかし、自信を失った理由が残ったままでは、言葉だけで変わることは難しいものです。
自信がない子には、自分を信じられなくなった経験があります。
何度も間違えた。
周囲より遅かった。
頑張っても認めてもらえなかったと感じた。
正しく考えていたのに、答えを変えて間違えた。
このような経験が積み重なっていることがあります。
だから、ときわの塾では、すぐに励ますだけで終わらず、まず学習中の様子を見ます。
本当に分かっていないのか。
分かっているのに、自分の答えを疑っているのか。
説明を聞いていないのか。
聞く前から諦めているのか。
起きている事実を分けて考えることで、その子に必要な関わり方が見えてきます。
できなかったことができた瞬間を見つけます
大きな結果が出るまで待たなくても、学習中には小さな変化があります。
前は先生に言われるまで始めなかった子が、自分から教材を開いた。
問題文を読み飛ばしていた子が、最後まで読んだ。
途中式を書かなかった子が、自分から書いた。
間違いを隠そうとしていた子が、原因を質問した。
教わった方法を、別の問題でも使おうとした。
このような変化を見つけたときは、具体的に伝えます。
「前はここで止まっていたけれど、今日は自分で進めたね」
「前より途中式が分かりやすくなったね」
「最初は答えを聞こうとしたけれど、自分で例題を探せたね」
「間違えた後に、原因まで確認できたね」
ただ褒めるのではなく、何が以前と変わったのかを言葉にします。
すると子ども自身も、自分ができるようになったことに気づけます。
結果だけでなく、結果につながる行動を認めます
点数が上がった。
志望校の判定が良くなった。
難しい問題が解けた。
このような結果は分かりやすいため、認めやすいものです。
しかし、結果が出る前にも、学習行動は少しずつ変わっています。
問題文を読む。
先生の説明を最後まで聞く。
教わった方法を試す。
間違いの原因を考える。
苦手な問題を解き直す。
何も見ずに一人で解く。
これらは、すぐに点数へ表れないこともあります。
それでも、以前できなかった行動ができたのであれば、成長しています。
ときわの塾が「点数を追いかける塾ではありません。点数につながる行動を育てる塾です」と考える理由も、ここにあります。
家庭では勉強以外のことも重なります
ご家庭で、お子さんの学習上の変化だけを見ることが難しい場合があります。
親子の生活には、
片づけ。
時間の使い方。
ゲームやスマートフォン。
学校の準備。
兄弟との関係。
など、勉強以外のことも重なっているからです。
問題を一人で解けるようになっても、部屋が片づいていなければ、そちらが気になることもあります。
勉強を始められたことを認めたいと思っても、その前の親子のやり取りが残っていることもあります。
これは、保護者の方の関わり方が悪いということではありません。
生活全体を支えている家庭だからこそ、学習だけを切り離して見ることが難しいのです。
だから、家庭ですべてを担う必要はないと私は考えています。
塾は、学習中の行動を継続して見られる立場です。
難しいことを伝える役目や、学習行動の変化を見つける役目を塾が引き受け、家庭では頑張っていることを認めてもらう。
そのように役割を分けることもできます。
ときわの塾が育てたい自信
ときわの塾では、子どもを他の子と比べて評価するのではなく、過去の本人から何が変わったのかを見ます。
そして、他の子の良い行動は、比べる材料ではなく、学ぶ材料として伝えます。
人よりできるから自信を持つのではありません。
以前はできなかったことができた。
教わったことを一人で使えた。
間違えても、自分で原因を見つけられた。
自分の最初の考えを信じられた。
このような経験を積み重ねることで、
「自分にもできることがある」
「次もやってみよう」
と思えるようになります。
これが、ときわの塾が学習を通して育てたい自信です。
最後に
子どもの自信は、一日で育つものではありません。
大きな成功を一度経験すれば、すべてが変わるとも限りません。
前はできなかったことが、少しできるようになった。
前より落ち着いて取り組めた。
教わった方法を、自分から試せた。
前より自分の考えを信じられた。
そのような小さな変化を、周囲の大人が見つけ、具体的に伝えることが大切です。
他の子ではなく、過去の本人と比べる。
そして、できるようになった結果だけでなく、そこへつながる行動も認める。
その積み重ねが、子どもが自分の力を信じるための土台になります。
ときわの塾は、「できた!」を積み重ね、学ぶ土台を育てる塾です。
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