宿題を早く終わらせる子へ|「提出」と「身につける」を分けて考える
この記事の内容
宿題を提出日までに終わらせることは必要です。しかし、空欄を埋めて丸付けをするだけでは、できなかった問題ができるようになったとは限りません。宿題を「終わらせる作業」から「一人でできるようになる学習」へ変える方法を解説します。

「宿題は終わった?」
ご家庭で毎日のように聞く言葉ではないでしょうか。
宿題を決められた日までに終わらせ、提出することは大切です。
しかし、宿題が終わったことと、宿題に出された内容ができるようになったことは同じではありません。
すべての空欄を埋めた。
丸付けをした。
間違えた答えを赤で書き直した。
ここまで進んでいても、翌日に同じ問題を一人で解けるとは限りません。
ときわの塾では、宿題をきれいに完成させることだけでなく、できなかった問題が、最後には自分でできるようになったかを確認します。
宿題には二つの目的があります
宿題には、大きく分けると二つの目的があります。
一つは、学校や塾から指定された範囲に取り組み、期限までに提出することです。
もう一つは、授業で学んだことを自分でも使い、できなかった内容をできるようにすることです。
提出する必要がある以上、
「理解できる問題だけすればよい」
ということではありません。
指定された範囲へ取り組み、期限を守ることも必要です。
ただし、提出できる形に整えただけで、すべての学習が終わったとは限りません。
例えば、分からない問題の答えを書き写せば、空欄はなくなります。
しかし、翌日に何も見ずに同じ問題を解けば、また同じ場所で止まります。
宿題を提出することと、できるようになることを分けて考える必要があります。
「宿題を終わらせること」が目的になっている子の行動
宿題を学習ではなく、終わらせる作業として考えている子には、次のような行動が見られることがあります。
- 問題文を最後まで読まず、空欄へ数字を書く
- 分からない問題にも、とりあえず何かを書く
- 途中式を省き、答えだけを並べる
- 答え合わせで正解だけを書き写す
- 間違えた理由を確認しない
- 赤で正答を書けば直したことにする
- 解説を見ながら同じ式を書き、「分かった」と判断する
- 宿題のページが埋まると、すぐに教材を閉じる
この状態では、
「宿題をした」
という事実は残ります。
しかし、できなかった問題が、できる問題へ変わっていません。
子どもが怠けているとは限りません。
宿題とは「指定されたページを埋めるもの」だと考えている場合もあります。
だからこそ、
「もっと丁寧にしなさい」
と注意するだけではなく、どこまでできれば宿題が学習として終わるのかを伝える必要があります。
宿題は授業で教わったことを一人で使う時間です
授業中は、先生の説明を聞いた直後です。
先生の板書や声かけがあり、分からなくなれば質問もできます。
そのため、授業中に解けた問題でも、先生がいない場所では手が止まることがあります。
宿題は、授業で学んだ内容を、自分一人でも使えるか確かめる機会です。
算数なら、
- 問題文を最後まで読む
- 何を求めるのか確認する
- 必要な数字を選ぶ
- 図や途中式を書く
- 教わった方法を思い出す
- 最後まで自分で計算する
という行動を、自分で始められるか確認します。
宿題をして初めて、
「授業中は分かったが、一人では最初の式を作れない」
「解き方は分かるが、基本計算で止まっている」
「同じ形の問題はできるが、聞かれ方が変わると分からない」
といった課題が見つかることもあります。
宿題は、授業の内容をもう一度写す時間ではありません。
教わったことを、自分の力で使ってみる時間です。
「終わった」と「できる」を分けて確認します
宿題が終わったかを確認するときは、次の状態を分けて考えます。
指定された問題に取り組んだ
まずは、宿題の範囲へ取り組んだ状態です。
空欄が残っている場合は、なぜ書けなかったのかを確認します。
答え合わせをした
正解と不正解を確認した状態です。
ただし、丸とバツを付けただけでは、間違えた理由までは分かりません。
間違えた原因を見つけた
問題文の読み違い、式の立て方、計算、書き写しなど、最初に違った場所を確認した状態です。
必要な部分を練習した
原因に合わせて、必要な内容を確認します。
計算を間違えたなら計算を、式を作れなかったなら数量の関係や問題文の読み方を確認します。
何も見ずにもう一度解けた
解説や正答を閉じ、最初から自分で解けた状態です。
ここまで進んで初めて、できなかった問題が、自分でできる問題へ変わります。
丸付けのあとの行動が宿題の価値を変えます
宿題の中で、学力につながる部分は、正解と不正解が分かったあとにあります。
間違えた問題は、今の自分に必要な学習を教えてくれるからです。
しかし、子どもが自分で丸付けをすると、次のような直し方になることがあります。
- バツを付けて終わる
- 正答を赤で書き写す
- 間違えた式を消し、正しい式へ書き換える
- 解説を読みながら同じ手順を写す
- 「計算ミスだった」と決めて次へ進む
これでは、どこで間違えたのかを確認できません。
ときわの塾では、間違えた問題に対して次の順番で取り組みます。
- 最初に間違えた場所を探す
- なぜ間違えたのかを確認する
- 必要な部分を練習する
- 答えや解説を閉じる
- もう一度、最初から自分で解く
やり直しは、正しい答えを書いてノートを完成させることではありません。
次に同じ考え方が必要になったとき、自分で使えるようにすることです。
すべての間違いを「ケアレスミス」で終わらせない
宿題の間違いについて聞くと、
「ケアレスミス」
「本当は分かっていた」
「次は気をつける」
という返事が返ってくることがあります。
本当に偶然の書き間違いである場合もあります。
しかし、同じ種類の間違いが続いているなら、「気をつける」だけでは改善しません。
例えば、計算ミスに見えても、実際には次のような原因があります。
- 途中式を書いていない
- 数字の桁をそろえていない
- 繰り上がりを書かずに忘れた
- 問題文の数字を取り違えた
- 単位を確認していない
- 見直す場所を決めていない
原因が違えば、次に変える行動も異なります。
宿題のやり直しでは、
「次は気をつける」
で終わらず、
「次は途中式を書く」
「繰り上がりを小さく残す」
「計算前に単位へ線を引く」
など、次の問題で実行できる行動まで決めます。
宿題は量だけでも質だけでも決まりません
元記事には「学力を伸ばすのは量より質」とありましたが、ここは少し調整しています。
学習では、必要な量に取り組むことも大切です。
一問だけ理解したから、残りの練習は必要ないとは限りません。
考え方を理解したあと、安定して使えるようになるには、複数の問題で練習する必要があります。
一方で、分からないまま何十問も答えを書き続けても、同じ間違いを繰り返すだけになることがあります。
大切なのは、
- まず考え方を理解する
- 自分の力で一度解く
- 必要な問題数を練習する
- 間違えた原因を確認する
- 最後にもう一度一人で解く
という順番です。
量と質のどちらか一方ではありません。
理解した方法を、必要な量の練習で安定させることが必要です。
分からない問題へ適当な答えを書かない
宿題の空欄を残したくないため、分からない問題へ適当な答えを書く子がいます。
本人は、何も書かずに提出すると注意されると思っているのかもしれません。
しかし、適当な答えで空欄を埋めると、
- どこまでは分かっていたのか
- 何を試したのか
- どこで止まったのか
- 何を質問したいのか
が分からなくなります。
分からなければ、何もせずに諦めてよいということではありません。
まず、次のことを試します。
- 問題文をもう一度読む
- 何を求めるのか確認する
- 分かっている数字へ印を付ける
- 教科書や同じ形の例題を確認する
- 図や途中式を書いてみる
- どこまで分かるかを整理する
それでも分からなければ、適当な答えを書くのではなく、
「ここまでは分かるが、この先が分からない」
と質問できる状態にします。
保護者が宿題をすべて教える必要はありません
お子さんが宿題で手を止めていると、保護者の方が横に座り、最初から最後まで教えたくなることがあります。
しかし、家庭で解き方をすべて教えて宿題を完成させると、先生からは、
「一人でできた宿題」
に見えてしまいます。
その結果、本当はどこで困っているのかが分からなくなります。
ご家庭で長時間、勉強を教える必要はありません。
まず、次のように確認してみてください。
「どこまでは一人でできた?」
「何を試した?」
「どの問題から分からなくなった?」
「明日、先生に何を聞けばよいと思う?」
保護者の方が答えまで教えるのではなく、できている部分と分からない部分を分ける手助けをします。
ご家庭では「終わった?」のあとに一つだけ確認してください
宿題を期限までに終わらせる必要があるため、
「宿題は終わった?」
と聞くこと自体が悪いわけではありません。
ただし、そこで確認を終えると、子どもの意識も「終わったかどうか」だけに向きやすくなります。
「終わった」と返ってきたら、次の中から一つだけ聞いてみてください。
「今日は何ができるようになった?」
「間違えた問題は、もう一度解いた?」
「一番難しかったのはどこ?」
「答えを見ずに、もう一度できそう?」
「明日、先生に聞きたい問題はある?」
毎日すべてを確認する必要はありません。
宿題の目的を思い出せる質問を一つ加えるだけでも、子どもが学習内容を振り返るきっかけになります。
できたときも、
「全部終わって偉いね」
だけではなく、
「間違えた問題を、最後は自分で解けたね」
「分からないところを質問できるようにしたね」
と、学力につながる行動を具体的に認めてください。
宿題は「できなかったこと」を見つける機会です
宿題で間違いが多いと、保護者の方も子どもも不安になることがあります。
しかし、宿題はテストではありません。
間違えないことだけが目的ではなく、授業で学んだ内容のうち、まだ一人で使えない部分を見つける機会でもあります。
間違えたことを責められると、子どもは次から、
- 答えを写して間違いを隠す
- 分からない問題にも何かを書く
- 間違えた式をすべて消す
- 質問せずに正解だけを残す
ようになることがあります。
間違いを残すだけでよいわけではありませんが、まずは事実を確認できる状態にすることが必要です。
どこで止まったのかが分かれば、必要な練習を決められます。
宿題は、最後に一人でできるかを確かめて終わります
宿題は、指定されたページを埋めるだけの作業ではありません。
授業で教わったことを思い出し、自分の力で使い、できなかった部分を見つける時間です。
学力につなげるためには、次の流れを大切にします。
- 指定された問題に取り組む
- 答え合わせをする
- 最初に間違えた場所を見つける
- 必要な部分を確認して練習する
- 答えや解説を閉じる
- 何も見ずに、もう一度自分で解く
宿題を提出できる形にすることも必要です。
しかし、正しい答えを書き写して空欄を埋めただけでは、翌日も同じ問題で止まってしまいます。
ときわの塾では、宿題の量だけを見るのではなく、
「何ができなかったのか」
「何を変えたのか」
「最後は一人でできたのか」
を確認します。
ときわの塾は、点数を追いかける塾ではありません。
点数につながる行動を育てる塾です。
まずはご自宅で、終わった宿題の中から間違えた問題を一つ選び、答えを閉じてもう一度解けるか確認してみてください。
宿題の空欄を埋めれば終わりになり、何度やり直しても同じ問題で止まっている場合は、ご相談ください。
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