「分かった」と言うのに一人では解けない子へ|本当に理解できたか確かめる方法
この記事の内容
先生の説明を聞いて「分かった」と感じることと、同じ考え方を一人で再現できることは同じではありません。自分の言葉・式・図を使って考え方を説明し、別の問題でも使えるかを確かめる方法を、ときわの塾が解説します。
「うちの子は『分かった』と言うのですが、テストになると解けません」
「教えてもらった直後はできるのに、翌日になると忘れています」
「同じような問題なのに、数字や聞かれ方が変わると手が止まります」
このようなご相談をいただくことがあります。
子どもが「分かった」と答えたとき、うそをついているとは限りません。
先生の説明を聞いたときには、本当に納得していることもあります。
しかし、
説明を聞いて分かったことと、一人で同じ考え方を使えることは別です。
本当に理解できたかを確かめるには、「分かった?」と聞くだけでは足りません。
自分の言葉・式・図を使って考え方を説明できるか。
先生の助けがなくても、もう一度解けるか。
数字や聞かれ方が変わっても、同じ考え方を使えるか。
そこまで確かめる必要があります。
子どもの「分かった」は間違いではありません
授業で先生の説明を聞き、
「なるほど」
「そういうことだったのか」
と思うことは、理解の大切な始まりです。
しかし、その時点では、先生の説明を追いかけて納得しただけの場合があります。
例えば、算数の問題で先生が、
「最初に全体の数を出してから、一人分を求めます」
と説明すると、子どもはその流れを聞いて理解できます。
ところが、ノートを閉じて同じ問題を最初から解かせると、
「何から始めるのだったかな」
と手が止まることがあります。
これは、まったく理解していなかったわけではありません。
説明を聞けば分かる段階から、自分で考え方を取り出して使う段階へ進めていないのです。
「分かったつもり」と決めつけるよりも、
説明を聞けば分かるところまでは進んだ。次は一人で使えるかを確かめよう。
と考える方が、その子に必要な練習を見つけやすくなります。
「分かった?」だけでは確認できません
子どもに説明したあと、
「分かった?」
と尋ねることがあります。
すると、多くの子は「分かった」と答えます。
先生や保護者の説明を聞いた直後であれば、本人にも分からないところが見つかっていないからです。
また、
「分からないと言ったら、もう一度長く説明されそう」
「早く次へ進みたい」
「どこが分からないのか、自分でも分からない」
という理由で「分かった」と答えることもあります。
そのため、「分かった?」という質問だけで理解を確認することは難しいのです。
代わりに、次のように尋ねてみます。
「最初に何をすればいい?」
「なぜ、この式になるの?」
「この数字は何を表している?」
「次に似た問題が出たら、何を見ればいい?」
こう尋ねると、子どもがどこまで考え方を整理できているのかが見えやすくなります。
自分の言葉で説明すると、理解していない場所が見つかります
先生の説明を聞いている間は、話の流れに沿って納得できます。
しかし、自分で説明しようとすると、
「最初は分かるけれど、その次が分からない」
「式は覚えているけれど、なぜ使うのか分からない」
「答えは出せるけれど、この数字が何を表すのか分からない」
という場所が見つかります。
説明するためには、
- 問題で分かっていることを整理する
- 解き方の順序を思い出す
- なぜその方法を使うのか考える
- 相手に伝わる言葉へ置き換える
という行動が必要です。
説明は、理解できていることを見せるだけのものではありません。
自分がまだ理解できていない場所を見つけるための学習でもあります。
言葉だけで上手に説明できなくても構いません
説明できることは、理解を確かめる有力な方法です。
ただし、話すことが苦手だからといって、必ずしも理解できていないとは限りません。
算数なら、言葉だけでなく、
- 式を書く
- 図を描く
- 問題文の数字と式を結ぶ
- 指を使って順序を示す
- 別の数字を入れて確かめる
といった方法でも説明できます。
大切なのは、上手な文章で話すことではありません。
その子が何を見て、どのように考え、なぜその答えになったのかを、自分なりの方法で表せることです。
言葉・式・図を使って考え方を見える形にできれば、理解できている部分と、まだ曖昧な部分を確認できます。
一度説明できただけでは、まだ終わりません
説明できれば、それだけで完全に身についたとは限りません。
先生の説明を覚えて、そのまま言い直していることもあるからです。
本当に理解できたかを確かめるには、次の段階が必要です。
何も見ずにもう一度解けるか
解説やノートを閉じて、最初から解いてみます。
先生の説明がなくても、何から始めればよいかを自分で決められるかを確かめます。
時間を空けても解けるか
教わった直後は、説明が頭に残っています。
翌日や数日後にも同じ考え方を取り出せれば、自分の力として身につき始めています。
別の問題でも使えるか
数字や文章が少し変わった問題でも、同じ考え方を使えるかを確かめます。
覚えた手順をまねするだけではなく、
「この問題にも同じ考え方が使える」
と判断できれば、理解はさらに深まっています。
ときわの塾では、このように、
次の問題でも、先生がいなくても、同じ考え方を使えるか
を大切にしています。
説明を暗記しているだけの子もいます
子どもが説明できているように見えても、先生が話した言葉をそのまま覚えている場合があります。
例えば、
「まず全体を求めて、次に一人分を求めます」
と正しく言えていても、
「どうして最初に全体を求めるの?」
と尋ねると答えられないことがあります。
説明の言葉は覚えていても、数字同士の関係までは理解できていない状態です。
そのような場合は、同じ説明をもう一度言わせるのではなく、
「この数字は何の数?」
「もし人数が一人増えたら、どこが変わる?」
「図にすると、どの部分を求めている?」
と、少し違う方向から確かめます。
覚えた言葉を繰り返すだけでは答えにくい質問をすると、その子が本当に理解している部分が見えてきます。
説明できないときに、すぐ教え直さないでください
子どもがうまく説明できないと、保護者や先生が代わりに説明したくなります。
しかし、すぐに最初から教え直すと、子どもはもう一度説明を聞いて「分かった」と感じます。
そして、自分で考え方を取り出す練習をしないまま終わってしまいます。
説明に詰まったときは、すぐ答えを伝えるのではなく、
「どこまでは分かっている?」
「最初に何をした?」
「問題文のどこを使った?」
「ノートのどこを見れば思い出せそう?」
と尋ねます。
全部を説明させるのではなく、分かっているところと分からないところを分けることが大切です。
子ども自身が、
「式を作るところまでは分かる」
「計算はできるけれど、なぜ割り算なのか分からない」
と説明できれば、必要なところだけを教えられます。
ご家庭では一問だけ確かめてください
家庭学習のすべての問題について、考え方を説明させる必要はありません。
毎回答えの理由を尋ねられると、子どもにとって勉強が試される時間になってしまいます。
次のような問題から、一問だけ選べば十分です。
- 間違えた問題
- 偶然正解したように見える問題
- 教えてもらった直後の問題
- 同じ間違いを繰り返している問題
- 応用すると手が止まる問題
そして、
「どうして、その答えになったの?」
と問い詰めるように聞くのではなく、
「どこから考えたか教えてくれる?」
「この式になった理由を一緒に確認しよう」
と声をかけてみてください。
説明できなかったとしても、失敗ではありません。
どこまで分かり、どこから曖昧になっているのかを見つけられたということです。
「分かった」を「一人でできる」へ変える
学習では、先生の説明を聞いて分かることも大切です。
しかし、それだけではテストで使える力になっていない場合があります。
説明を聞いて分かる。
自分の言葉・式・図で考え方を表す。
何も見ずにもう一度解く。
時間を空けて解く。
別の問題でも同じ考え方を使う。
この段階を進むことで、教えてもらった内容が少しずつ自分の力へ変わっていきます。
ときわの塾が育てたいのは、答えだけを言える子ではありません。
自分が何を考え、どこで判断し、なぜその答えになったのかを確かめられる子です。
「分かった」は、学習の終わりではありません。
一人で再現できるようになるための出発点です。
西宮市で「分かったのに解けない」とお悩みの方へ
ときわの塾は、西宮市で算数・国語を中心に指導する、少人数個別対応の学習塾です。
- 教えてもらった直後しか解けない
- 「分かった」と言うのに、翌日には忘れている
- 同じ問題はできても、数字が変わると解けない
- 応用問題になると手が止まる
- 自分がどこで分からなくなったのか説明できない
こうした場合は、もう一度最初から説明するだけでなく、その子が一人でどこまで再現できるのかを見る必要があります。
ときわの塾では、答えが合っているかだけではなく、教わった方法を次の問題でも使えるか、先生がいなくても一人で解けるかまで確認します。
点数だけを追いかけるのではなく、点数につながる行動を育てる。
「分かった」を「一人でできる」へ変えることも、大切な学ぶ土台の一つです。

関連記事
理解できたつもりで終わらず、間違えた原因を確かめて自分の力へ変えることが大切です。

ときわの塾へのご相談・お問い合わせはお気軽に
