問題文を読み飛ばす子へ|ペンで指しながら読む理由
「計算はできるのに、問題文を読み飛ばして間違えます」
「正しいものを選ぶ問題なのに、間違っているものを選んでいました」
「分かっていたはずなのに、単位を書き忘れています」
このような間違いが続くと、保護者の方は「またケアレスミスをしている」と感じるかもしれません。
しかし、ケアレスミスという言葉だけで終わらせると、子どもが次に何を変えればよいのか分かりません。
計算方法や解き方は分かっているのに、問題文の条件や指示を読み飛ばして間違える子がいます。「見直しなさい」と伝えるだけでは、普段の読み方は変わりません。
ペンで文章を指しながら読む練習が、なぜ必要なのかを、ときわの塾が解説します。

ケアレスミスには違う原因があります
ケアレスミスに見える間違いが、すべて問題文の読み飛ばしによるものとは限りません。
- 数字を写し間違えた
- 繰り上がりや繰り下がりを忘れた
- 途中式を書かずに暗算した
- 単位を書き忘れた
- 問題の条件を読み飛ばした
- 「正しいもの」と「間違っているもの」を取り違えた
- 答えを別の解答欄へ書いた
同じ「分かっていたのに間違えた」でも、原因は異なります。
そのため、間違いを見つけたときには、
「ケアレスミスをしないように気をつけよう」
で終わらせず、どの行動で間違えたのかを確認する必要があります。
この記事では、その中でも問題文を最後まで読まず、条件や指示を見落とす子について考えます。
解き方が分からないのではなく、読めていません
問題文の読み飛ばしが原因の場合、子どもは計算方法や解き方を理解していることがあります。
例えば、
「正しいものを選びなさい」
と書かれているのに、間違っているものを選ぶ。
「記号で答えなさい」
と書かれているのに、言葉で答える。
「何人多いでしょう」
と聞かれているのに、合計人数を答える。
「単位も書きなさい」
という指示を読まず、数字だけを書く。
このような間違いは、計算練習を増やしても直りません。
必要なのは、問題の解き方を教え直すことではなく、何を聞かれているのかを最後まで読む練習です。
「読んだ」と「最後まで確認した」は違います
子どもに、
「問題文を読んだ?」
と聞くと、多くの子は「読んだ」と答えます。
本人は読んでいないつもりではありません。
文字を目で追い、途中まで内容を理解しています。
しかし、知っている言葉や数字が見つかると、最後まで読まずに解き始めることがあります。
特に、以前に解いたことがある問題と似ていると、
「この問題は分かる」
と判断し、細かな条件を確認しなくなります。
読んだかどうかを確認するだけでは、この読み方は見つけにくいものです。
どこまで読み、何を答える問題だと判断したのかを見る必要があります。
目だけで読むと飛ばしてしまう子がいます
目だけで文章を読むと、どこを読んでいるのか分からなくなる子がいます。
行を飛ばす。
文末の指示を読まない。
数字や目立つ言葉だけを拾う。
知っている内容だと思い、途中から読み方が速くなる。
このような子に「ゆっくり読みなさい」と言っても、本人には、どのくらいの速さで、どこに注意すればよいのか分かりません。
そこで、ときわの塾では、必要な子にペンで文章を指しながら読むように伝えています。
ペンで指しながら読む理由
ペンで文字や文節を追うと、今どこを読んでいるのかが目に見えます。
これは、ただ読む速度を遅くするためではありません。
- 行を飛ばしていないか
- 文末まで読んだか
- 条件を読み落としていないか
- 何を聞かれているのか
- 自分がどこで読み違えたのか
これらを確認しやすくするためです。
最初は一文字ずつでも構いません。
慣れてきたら、意味のまとまりごとにペンを動かします。
大切なのは、ペンを動かすこと自体ではなく、文章の最初から最後まで意味を確かめながら読むことです。
音読で点数が上がったのではありません
保護者の方から、
「音読を始めてから、テストの点数が上がりました」
というご連絡をいただくことがあります。
もちろん、声に出して読むことにも意味があります。
ただ、音読をしただけで点数が上がったと考えると、何が変わったのかが分かりません。
その子が変えたのは、文章をペンで指しながら、文末まで読むようにしたことでした。
それまでは、目についた数字や知っている言葉だけを拾っていました。
音読を始めてからは、助詞や文末の指示まで読むようになりました。
「正しいもの」なのか「間違っているもの」なのか。
「合わせて」なのか「違い」なのか。
「何人」なのか「何個」なのか。
最後まで読む行動が身についたことで、読み飛ばしによる間違いが減っていったのです。
音読しても意味を考えていないことがあります
声に出して読めていても、内容を理解しているとは限りません。
文字を正しく音にすることだけに集中し、意味を考えずに読んでいる子もいます。
そのため、音読したあとは簡単に確認します。
- 何について書かれていた?
- 何を答える問題?
- 使う数字はどれ?
- 注意する言葉はどこ?
- 最後はどのような形で答える?
問題文をもう一度説明させるためではありません。
何を求められているかをつかめているか確かめるためです。
子どもが答えられない場合は、もう一度ペンで指しながら読みます。
大切な言葉に印をつけるだけでは足りません
問題文の大切な言葉に線を引く方法もあります。
ただし、何も考えずに数字や決まった言葉へ線を引くだけでは、読み方は変わりません。
なぜそこへ線を引いたのかを確認する必要があります。
「『全部で』と書かれているから、合計を求める」
「『何人多い』と書かれているから、違いを求める」
「『正しくないもの』だから、最後まで確認する」
このように、言葉と解き方を結びつけます。
線を引くことが目的ではありません。
条件や指示を見つけ、何をすればよいのか判断するために印をつけます。
読み飛ばした問題だけを解き直します
問題文を読み飛ばして間違えたとき、答えだけを書き直しても、読み方は変わりません。
もう一度、問題文へ戻ります。
ペンで最初から指しながら読む。
読み落とした言葉を見つける。
その言葉によって、答え方がどう変わるのかを確認する。
そして、答えを見ずにもう一度解きます。
「次から気をつける」で終わらせず、正しい読み方で同じ問題を解き直すことが必要です。
すべての問題を一文字ずつ読む必要はありません
ペンで指しながら読む方法は、すべての子が永久に続けるものではありません。
問題文を自然に最後まで読める子には必要ありません。
また、すべての問題を一文字ずつゆっくり読んでいると、時間が足りなくなることもあります。
最初は、読み飛ばしが多い問題や、条件の多い文章題から始めます。
読み方が安定してきたら、意味のまとまりごとに読む。
さらに慣れてきたら、指を使わなくても条件を確認できるか試す。
その子の状態に合わせて、少しずつ補助を減らしていきます。
目的はペンで指し続けることではなく、一人でも最後まで正確に読めるようになることです。
「見直しなさい」の前に読み方を確認します
読み飛ばしによる間違いが多い子に、
「もっと見直しなさい」
と伝えても、最初と同じ読み方で見直せば、同じところを見落とします。
見直しの回数を増やす前に、普段どのように読んでいるかを確認する必要があります。
問題文を最後まで読む。
何を答えるのか確認する。
条件を見つける。
答え方を確かめる。
読み飛ばしたときは、どの言葉を落としたのか確認する。
この行動を繰り返すことで、読み方が少しずつ変わります。
答えではなく、問題文の読み方を変えます
問題文を読み飛ばしたことによる間違いは、答えを直すだけでは繰り返されます。
変える必要があるのは、答えではなく、答えを出す前の読み方です。
ペンで指しながら最後まで読む。
何を聞かれているか確認する。
条件と答え方を見つける。
読み落とした場所へ戻る。
このような小さな行動が習慣になると、問題文の読み飛ばしは少しずつ減っていきます。
ときわの塾は「ケアレスミスだから気をつけよう」で終わらせず、どの行動が間違いにつながったのかを子どもと一緒に確認します。

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