勉強が続かない子へ|目標を小さな行動に変える方法
「毎日1時間勉強する」と決めても、数日後には続かなくなる。これは、子どもの意志が弱いからとは限りません。目指す場所ではなく、今日実行する行動が大きすぎる場合があります。高い目標を諦めず、最初の一歩だけを小さくして学習を続ける方法を、ときわの塾が解説します。

大きな目標を立てても、数日で続かなくなります
西宮市のときわの塾では、保護者の方からこのようなご相談をいただくことがあります。
「勉強の目標を立てても、すぐに続かなくなります」
「最初の数日だけ頑張って、また元へ戻ってしまいます」
「どうしたら毎日勉強できるようになりますか」
子ども自身も、最初から続けるつもりがないわけではありません。
「これから毎日1時間勉強する」
「漢字を毎日50個覚える」
「今月中に問題集を全部終わらせる」
と、そのときは本気で決めていることがあります。
しかし、学校や習い事で疲れた日にも同じ量を続けるのは簡単ではありません。
一日できなくなる。
決めたことを守れなかったと感じる。
次の日も始めにくくなる。
そして、いつの間にか目標そのものをやめてしまいます。
続けられない理由は、必ずしもやる気の弱さではありません。
最初に決めた行動が、今の子どもには大きすぎた可能性があります。
将来の目標まで下げるわけではありません
子どもの目標を小さくすると聞くと、
「それでは成績が上がらないのでは?」
「子どもに甘すぎるのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、ときわの塾が小さくするのは、将来の目標ではありません。
志望校へ合格したい。
算数を得意にしたい。
漢字を正しく書けるようになりたい。
このような目標を諦める必要はありません。
小さくするのは、今日実行する最初の行動です。
例えば、
「毎日1時間勉強する」
ではなく、
「夕食後に算数を1問解く」
から始める。
「漢字を50個覚える」
ではなく、
「今日は5個を何も見ずに書けるか確かめる」
から始める。
「問題集を1冊終わらせる」
ではなく、
「今日は見開き1ページに取り組む」
と決める。
目指す場所は変えず、今日の入口を小さくします。
子どもの「これならできる」より、少し小さくすることがあります
子どもに、
「今日はどれくらいできそう?」
と尋ねると、少し多めの量を答えることがあります。
本当にやる気があるからこそ、
「20問できる」
「30分できる」
と言うことがあります。
しかし、始める前にできると思った量と、実際に続けられる量は同じとは限りません。
そのため私は、
「では、まず10問を目標にしよう」
「最初の15分だけ集中してみよう」
と、子どもが答えた量より小さくすることがあります。
これは、子どもを低く評価しているのではありません。
まず、自分で決めたことを最後までやり切れる大きさにするためです。
できなかった経験を重ねるより、
決めた行動を実際に終わらせる経験
をつくることを優先します。
目標は、始めるための目印です
小さな目標を達成したからといって、その日の学習を必ずそこで終わらせるわけではありません。
目標を終えたときの子どもの様子を見ます。
疲れている。
集中が切れている。
ほかの予定がある。
そのような日は、決めたことを終えられた時点で区切って構いません。
一方で、まだ集中できていて、
「もう少しできそう」
という様子なら、
「あと一問だけ試してみる?」
「ここまでできたなら、次もできそうかな?」
と尋ねることがあります。
大切なのは、毎回必ず追加することではありません。
追加するかどうかを、その日の様子に合わせて決めることです。
小さな目標は、子どもに少ない量しかさせないためのものではありません。
まず学習を始め、できる範囲を確かめるためのスタートラインです。
目標を超えることだけを求めません
子どもが小さな目標を達成したとき、毎回さらに多くのことを求められると、
「終わらせても、また増やされる」
と感じることがあります。
そうなると、早く終わらせることや、できたことを伝えることを避けるかもしれません。
そのため、目標を達成しただけの日も認めます。
「今日は決めたところまでできたな」
「自分で決めたことを終わらせたな」
と、できた事実を伝えます。
目標を超えて取り組めた日は、
「決めたところを終えたあと、もう一問できたな」
と伝えます。
達成した量の多さだけではなく、
- 自分から始めた
- 決めたところまで続けた
- 途中で止まっても、もう一度戻れた
- 終わったあと、自分でもう少し取り組んだ
という行動を具体的に見ます。
「ありがとう」は、成績に対する言葉ではありません
宿題をしてきた子に、私は、
「やってきてくれたんや」
「ありがとう」
と伝えることがあります。
宿題をすれば、先生に感謝してもらえるという意味ではありません。
また、宿題をしなくてもよいという意味でもありません。
子どもが、
先生と決めたことを覚えていた。
家で実際に取り組んだ。
途中で分からない問題があっても、塾まで持ってきた。
その行動を確認したことを伝えています。
「ありがとう」という言葉には、
「あなたが約束を守ろうとして行動したことを見ていたよ」
という意味があります。
ただし、毎回同じ言葉を形式的に繰り返す必要はありません。
「昨日決めたところまでできたな」
「分からなかった問題も、そのまま持ってこられたな」
と、その日にできた行動を具体的に伝えることが大切です。
小さな成功とは、簡単な問題だけをさせることではありません
「小さな成功体験」というと、必ず正解できる簡単な問題だけをさせることだと思われるかもしれません。
しかし、それでは、できることを繰り返しているだけになる場合があります。
ときわの塾が大切にする小さな成功は、
今まで安定してできなかった行動を、一つ自分でできたこと
です。
例えば、
- 決めた時間に机へ向かった
- 問題を最後まで読んだ
- 分からないところを質問した
- 間違えた問題を一問解き直した
- 例題を閉じて、自分で解いてみた
- 宿題を忘れずに持ってきた
という行動です。
問題がすべて正解でなくても構いません。
取り組み方が以前から一つ変わったなら、それも大切な前進です。
できなかった日は、目標の大きさを見直します
小さくした目標でも、できない日はあります。
そのときに、
「これだけなのに、なぜできないの?」
と責めても、次の日から続けやすくなるとは限りません。
まず、できなかった理由を確認します。
- 始める時間を決めていなかった
- 教材を準備するまでに時間がかかった
- 学校や習い事で疲れていた
- 問題が予想より難しかった
- 何をするのか本人が理解していなかった
- 目標がまだ大きかった
理由が分かれば、次の行動を変えられます。
「毎日5問」が難しかったなら、すぐに諦めるのではなく、
「まず1問だけ解く」
「教材を机の上に出す」
というところまで小さくすることもできます。
できなかったことを意志の弱さだけで終わらせず、実行できる形になっていたかを見直します。
目標は、できるようになったら少しずつ変えます
小さな目標を続けられるようになったら、いつまでも同じ量にする必要はありません。
算数を1問解くことが自然にできるようになったら、2問にする。
15分集中できるようになったら、20分試してみる。
漢字を5個確認できるようになったら、以前の漢字も一緒に復習する。
ただし、増やすのは、現在の行動がある程度安定してからです。
一度できただけで急に量を増やすと、また続けにくくなることがあります。
- 声をかけられなくても始められる
- 忙しい日にも最低限の行動ができる
- できなかった翌日に戻れる
- 自分から「今日はここまでやる」と決められる
このような変化を見ながら、少しずつ次の段階へ進めます。
家庭では「最低限すること」を一つ決めます
家庭で勉強を続けるために、最初から細かな計画を作る必要はありません。
まず、その日に最低限する行動を一つ決めます。
例えば、
「夕食後に漢字を5個確認する」
「宿題の前に教科書を5分音読する」
「算数の間違いを一問だけ解き直す」
というように、行動と始める場面を具体的にします。
「頑張って勉強する」
「できるだけたくさんする」
では、何をすれば達成なのか分かりません。
そして、決めたことができた日は、
「今日は、自分から始められたね」
「決めた一問を最後までできたね」
と、行動をそのまま伝えてください。
追加でどこまでさせるかよりも、まず決めたことを続けられる形にすることが大切です。
続ける力は、できなかった翌日に表れます
学習を続けるというのは、一日も休まず完璧に実行することではありません。
体調が悪い日もあります。
予定が重なる日もあります。
思うように進まない日もあります。
本当に大切なのは、できなかった翌日に、
「もう無理だ」
とすべてをやめるのではなく、もう一度小さな行動へ戻ることです。
昨日できなかったから、今日もできないとは限りません。
「今日は最初の一問だけしよう」
と再び始められるなら、学習は続いています。
続ける力とは、失敗しないことではありません。
止まったあとに、もう一度始められることです。
小さな行動を積み重ねて、目標へ近づきます
高い目標を持つことが悪いわけではありません。
しかし、大きな目標だけを見ていると、今日何をすればよいのか分からなくなることがあります。
将来の目標は残したまま、今日することを小さくする。
できたら、その行動を具体的に認める。
続けられるようになったら、少しだけ広げる。
できない日があれば、原因を確認して、もう一度始められる大きさへ戻す。
この積み重ねによって、子どもは、
「自分にもできる」
「止まっても、また始められる」
と少しずつ確認していきます。
ときわの塾では、最初から何でもできることを求めているのではありません。
小さな行動を自分で続け、昨日の自分よりできることを一つずつ増やしていく。
その経験が、自分で学び続けるための土台になると考えています。
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