中学受験をするか、低学年で決めなくても大丈夫です
「中学受験をするかどうか、まだ決めていません」
「本人は、まだ受験を意識していません」
「将来、子どもが受験したいと言ったときに、間に合う状態にはしておきたいです」
このように考えている保護者の方もいらっしゃると思います。
低学年のうちから、中学受験をするかどうかを決める必要はありません。
お子さんへ受験を強く意識させたり、これまでの生活や習い事を大きく変えたりする必要もないと考えています。
ただし、何も準備しないことと、受験勉強を早く始めることの間には、もう一つの選択肢があります。
それが、将来受験を選んだときに必要となる土台を、今のうちから育てておくことです。

受験を決めていないなら、まずそろばんから始めます
ときわの塾では、中学受験をまだ決めていない低学年のお子さんには、そろばんをご提案することがあります。
実際に、ときわの塾から中学受験へ進む子どもたちの中にも、そろばんから始めた子がいます。
進み方は一人ひとり違いますが、上級にあたる3級以上が一つの区切りです。
もちろん、そろばん3級を取れば中学受験で合格できるという意味ではありません。
そろばんだけで、中学受験に必要な力がすべて身につくわけでもありません。
それでも、低学年のうちに計算の土台を作っておくことには意味があります。
掛け算・割り算の筆算に使う時間を減らしたい
中学受験の算数では、考え方が分かっていても、計算に時間がかかることがあります。
特に掛け算や割り算の筆算は、時間を使う割に、その作業だけで新しい考え方が身につくとは限りません。
低学年からそろばんに取り組んでいる子は、掛け算や割り算も、そろばんを使って計算することがあります。
計算を早く終えられれば、その分だけ、
- 問題文を読む
- 条件を整理する
- 解き方を考える
- 間違えた理由を確認する
- 別の問題でも使えるか試す
といった学習へ時間を使えます。
ときわの塾がそろばんを勧めるのは、計算の速さだけを競わせるためではありません。
将来、算数の問題を考える時間を確保するための土台として捉えています。
先取りよりも「話を聞けること」が大切です
将来の中学受験に備えるなら、低学年のうちに何年生まで先取りすればよいのか。
そのように考える方もいるかもしれません。
しかし、実際に子どもたちを見ていると、先取りの量以上に重要だと感じることがあります。
それは、話を聞けることです。
中学受験の学習では、今まで知らなかった考え方や解き方を学びます。
そのときに、
- 説明を聞いてから行動する子
- 説明を聞く前に、自分の思い込みで行動する子
では、その後の学習に大きな違いが生まれます。
私は、話を聞けるかどうかが、受験の結果を左右することもあると考えています。
本人は「考えているつもり」でも、根拠がないことがあります
思い込みで行動する子は、何も考えていないように見えるわけではありません。
本人の中には、自分なりの答えがあります。
ところが、その答えの根拠を尋ねると、
「何となくそう思った」
「そうだと思ったから」
というところで止まることがあります。
問題文や説明をもとに考えたのではなく、自分の中で作ったルールに従っている状態です。
そして、一度その思い込みに入ると、先生が説明して理解できたように見えても、最後には最初に自分が考えた根拠のない答えへ戻ってしまうことがあります。
本人にとっては、それが正しいこと、いわば自分なりの「正義」になっています。
そのため、周囲の大人が、
「どうしてそう考えたの?」
「もう少し深く考えてみよう」
と問い続けても、簡単には解決しません。
そもそも、考えるための事実が整理されていないからです。
「考えなくていい」と伝えることもあります
状態によっては、私は子どもへ、
「今は考えなくていいです」
と伝えることがあります。
これは、自分で考える力を育てなくてよいという意味ではありません。
子どもの言う「考える」と、大人が求めている「考える」が、同じではない場合があるからです。
問題文や先生の説明を確かめる前に、根拠のない答えを作ることは、ここで育てたい「考える力」とは違います。
まず、自分の思い込みをいったん横へ置くように話します。
そして、先生の話を聞き、一緒に進んでいくことを繰り返し伝えます。
考える前に、受け取る。
思いつきで動く前に、話を聞く。
そのうえで、何をもとに答えを出すのかを確かめる。
本当に自分で考えるためにも、まず必要な準備です。
先生と一緒に進むほうが楽だと気づくまで待ちます
自分の思い込みを横へ置き、話を聞きながら先生と一緒に進む。
これを続けるうちに、そのほうが楽だと気づく子がいます。
根拠のない答えを作り、その答えにこだわり続けるよりも、説明を聞いてから行動するほうが問題を理解しやすくなるからです。
ただし、数回の声かけですぐに変わるとは限りません。
自分の中では正しいと思って続けてきた行動です。
長い子では、変化するまでに数年かかることもあります。
だからこそ、大人が焦って答えを急がせるのではなく、子どもと一緒に歩む必要があります。
少しずつ思い込みを抑え、話を受け取れるようになると、学習の伸び方が変わることがあります。
保護者の焦りは子どもへ伝わります
中学受験について考え始めると、保護者の方が不安になるのは当然です。
周りのお子さんが受験勉強を始めたと聞けば、
「うちも早く始めなければ」
「今のままで間に合うのだろうか」
と思うこともあるでしょう。
しかし、ときわの塾では、保護者の方へ「慌てないでください」とお伝えしています。
大人の焦りは、思っている以上に子どもへ伝わります。
焦って次々と課題を増やしたり、早く正解することを求めたりすると、子どもが説明を落ち着いて聞くことや、一問ずつ確かめることが難しくなる場合があります。
将来の選択肢を残すための準備が、今のお子さんを追い立てるものになってはいけません。
今すぐ中学受験を決めなくても大丈夫です。
本人に受験を強く意識させる必要もありません。
まずは、今の生活を大切にしながら、必要な土台を育てていきます。
将来の中学受験に備えて育てたい二つの土台
ときわの塾が、中学受験をするか未定の低学年に大切だと考えているのは、主に二つです。
一つ目は、そろばんによる計算の土台です。
計算に必要以上の時間を使わず、後から考える問題へ時間を回せる状態を目指します。
二つ目は、自分の思い込みをいったん横へ置き、説明を聞いてから行動することです。
どれだけ先取りをしていても、新しい説明を受け取れなければ、受験勉強を進めることは難しくなります。
反対に、話を聞き、教わったことを一度試せる子は、受験を始めた後から学べることが増えていきます。
ゼロから始めなくてよい状態を作っておきます
低学年で中学受験を決めていないことは、遅れているという意味ではありません。
この時期に必要なのは、受験問題を早く解くことだけではないからです。
計算の土台を作る。
話を聞く。
自分の思い込みをいったん横へ置く。
説明を受け取ってから行動する。
こうした学習中の行動を育てておけば、お子さんが後から「中学受験をしたい」と言ったときに、すべてをゼロから始めずに済みます。
ときわの塾は、点数を追いかける塾ではありません。点数につながる行動を育てる塾です。
受験を決める前から先取りを急がせるのではなく、将来の受験勉強を受け止められる状態を、子どもと一緒に作っていきます。
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