「うちの子は覚えるのが苦手」と感じた方へ|全部覚えようとする勉強を変える
「何度教えても忘れてしまいます。」
「昨日できたことが、今日はできなくなっています。」
このような様子が続くと、
「うちの子は覚えるのが苦手なのかもしれない。」
と感じることがあると思います。
しかし、授業中の様子を見ていると、覚えられない原因が記憶力だけにあるとは限りません。
説明されたことを最初から最後まで全部覚えようとしている。
どこが大切なのかを考えず、書いてある言葉をそのまま覚えようとしている。
そのため、覚える量が多くなり、必要なことまで分からなくなっている子がいます。
覚える量を増やす前に、何を覚えるのかを選べているか。
ときわの塾が、実際の指導で見ていることをお伝えします。

全部覚えようとする子がいます
授業中、子どもから、
「先生、覚えられません。」
と言われることがあります。
そこで私は、すぐに覚え方を教えるのではなく、まずこう尋ねます。
「全部覚えようとしてへん?」
すると、
「……してます。」
と答える子がいます。
本人は、一生懸命勉強しています。
覚えようという気持ちがないわけでもありません。
しかし、大切な部分と具体例、補足説明まで、すべて同じように覚えようとしています。
その結果、覚える量が多くなり、本当に必要なことが頭に残らなくなっているのです。
覚えられないのではなく、選べていないことがあります
例えば、説明文を読んだあとに、
「何が書いてあった?」
と尋ねると、最初の一文から順番に説明しようとする子がいます。
具体例や細かな言葉は覚えていても、
「結局、一番伝えたかったことは何?」
と尋ねると答えられません。
この場合、記憶力だけが問題なのではありません。
文章の中から、大切な部分を選べていないのです。
算数でも同じことがあります。
解説に書かれた式や数字をそのまま覚えようとしても、数字が変われば解けなくなります。
覚える必要があるのは、その問題だけで使える式ではなく、
- 何を求める問題なのか
- どの数字を使ったのか
- なぜその計算を選んだのか
という考え方です。
覚え方を変えるには、まず「何が大切なのか」を見つける必要があります。
「一番大事なことは何?」と尋ねます
全部覚えようとしている子には、私はこう伝えます。
「全部覚えんでええねん。」
「一番大事なんは何か。それだけ考えてみ。」
最初から一人で選べるとは限りません。
そのため、授業では説明を細かく分けながら確認します。
「この話は、何について説明している?」
「この具体例がなくても、残さなければならない部分はどこ?」
「一言で言うなら、何の話?」
「次の問題でも使える考え方はどれ?」
こうして、大切な部分と補足部分を分けていきます。
答えを覚えさせるのではなく、覚えるべきものを自分で選ぶ練習をします。
要点を選べると、子どもの説明も変わります
最初は、教科書や解説に書かれたことを全部話そうとしていた子が、
「つまり、こういうことです。」
と短く説明できるようになることがあります。
算数でも、
「この式を覚えました。」
ではなく、
「同じ一つ分を求めるから、割り算を使いました。」
と理由を説明できるようになります。
この変化は、単に暗記する量が増えたということではありません。
大切なことを選び、分かったことを自分の言葉で整理できるようになったという変化です。
ここまでできると、別の文章や数字の違う問題でも、学んだことを使いやすくなります。
昨日できたことを忘れる場合も確認します
もちろん、一度理解しただけですべてが定着するわけではありません。
昨日できた問題が、今日はできなくなることもあります。
そのときも、私はすぐに、
「また忘れた。」
とは判断しません。
- 答えだけを覚えていなかったか
- 解き方を自分の言葉で説明できていたか
- 何も見ずに一人で解けていたか
- 別の問題でも同じ考え方を使えたか
- 間違えた原因を本人が分かっていたか
を確認します。
授業中に一度正解したことと、自分で再現できることは同じではありません。
忘れたように見えても、最初から十分に理解できていなかった可能性もあります。
だから、ときわの塾では、正解したかどうかだけでなく、次も一人でできる状態になっているかを見ています。
「覚えるのが苦手」で終わらせません
「覚えるのが苦手」という言葉だけでは、次に何を変えればよいのか分かりません。
全部覚えようとしているのであれば、大切なことを選ぶ練習が必要です。
答えだけを覚えているのであれば、理由を説明する練習が必要です。
一度できただけで終わっているのであれば、何も見ずにもう一度解く必要があります。
同じ「覚えられない」という結果でも、原因によって必要な指導は異なります。
私は、今できていないという結果だけを見て、
「この子は伸びない。」
とは考えません。
どこで勉強の仕方が止まっているのかを見つけ、変えられる行動に分けて考えます。
子どもは、勉強の仕方を変えられます
昨日まで全部覚えようとしていた子が、今日は大切な部分を考える。
昨日まで答えだけを覚えていた子が、今日は理由を説明しようとする。
昨日まで「分からない」で止まっていた子が、今日は分かるところまで整理する。
こうした変化は、すぐに点数へ表れないこともあります。
しかし、学び方が変わらなければ、同じところで何度も止まってしまいます。
反対に、小さくても学ぶ行動が変われば、次の問題にも使える力が少しずつ育っていきます。
もし今、
「うちの子は覚えるのが苦手だから、伸びないかもしれない。」
と感じておられるなら、覚える量を増やす前に、何をどのように覚えようとしているかを見てあげてください。
今できないことは、これからもできないという意味ではありません。
ときわの塾では、今日の点数だけで可能性を決めず、その子が変えられる学習行動を一緒に探しています。
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