国語の読解力を伸ばすには?本を読む・問題を解くだけでは伸びにくい理由
中心テーマ
国語の読解力を伸ばすには、読書量や問題数を増やす前に、「読む段階」と「問いに答える段階」のどこで止まっているかを確かめ、必要な力を分けて練習することが大切です。
本を読んでも国語が伸びない原因を、読む力と問いに答える力に分けて、ときわの塾が解説します。

「本を読んでいるのに、国語の成績が上がりません」
「読解問題をたくさん解かせていますが、いつも同じようなところで間違えます」
「文章の意味は分かっているようなのに、記述問題になると書けません」
国語について、このようなご相談をいただくことがあります。
算数であれば、計算や図形など、苦手な単元を比較的見つけやすい教科です。
ところが国語では、読解問題ができないと、
「本をあまり読んでこなかったからでしょうか」
「読解問題をもっと解けばよいのでしょうか」
「国語のセンスがないのでしょうか」
と考えてしまうことがあります。
しかし、「国語が苦手」という一つの言葉の中には、さまざまな状態が含まれています。
- 文章を最後まで読めていない
- 声には出して読めるが、言葉の意味を理解できていない
- 主語と述語の関係をつかめていない
- 指示語が何を指しているか分からない
- 一文ずつは読めても、段落同士のつながりを整理できない
- 問いが何を求めているか分からない
- 答えの根拠を本文から探せない
- 根拠は見つけられても、問いに合う形で書けない
止まっている場所が違えば、必要な練習も変わります。
そのため、ときわの塾では、国語を「なんとなくたくさん読む教科」とは考えていません。
実際に文章を読んでいる様子や答案を確認し、どこで止まっているのかを分けてから、必要な練習を決めています。
本を読むだけで、国語の読解力は伸びるのでしょうか
読書には、さまざまな言葉や表現、文章の世界に触れられる良さがあります。
文章への抵抗が減ったり、知識や語彙が増えたりすることもあります。
ただし、本を読めば、そのまま国語の読解問題が解けるようになるとは限りません。
普段の読書では、分からない言葉があっても、前後の内容からおおよその意味を想像して読み進められます。
登場人物の行動を少し読み違えても、物語全体を楽しむことはできます。
一方、国語の読解問題では、
- 誰の行動なのか
- 「それ」が何を指しているのか
- なぜ、その気持ちになったのか
- 筆者は何と何を比べているのか
- どの部分を根拠に答えるのか
といったことを、本文に戻って確かめなければなりません。
読書と読解問題には重なる部分がありますが、同じものではありません。
本を読む経験を増やすことは大切です。
しかし、現在つまずいている部分を確認せず、読書量だけを増やしても、同じ読み違いを繰り返すことがあります。
読解問題をたくさん解いても伸びないことがある理由
読解力を伸ばすために、問題集を何冊も解かせようと考えることがあります。
しかし、問題数を増やす前に、答え合わせのときの行動を確認する必要があります。
例えば、間違えた問題の解説を読んで、
「そういう答えだったのか」
と納得し、そのまま次の文章へ進んでいないでしょうか。
これでは、正しい答えを確認しただけです。
なぜ間違えたのか、次はどのように読めばよいのかまでは整理できていません。
同じ記述問題の間違いでも、原因は異なります。
- 問いを最後まで読んでいなかった
- 「なぜ」と聞かれているのに、気持ちだけを書いた
- 本文のどこを根拠にすればよいか分からなかった
- 根拠は見つけたが、必要な部分を選べなかった
- 本文の頭から書き始め、問いに合う述語で終えられなかった
- 解説を見れば分かったが、何も見ずに書き直していなかった
原因を確かめず、別の読解問題へ進んでも、同じところで止まる可能性があります。
スポーツでも、試合を繰り返すだけですべての技術を身につけることは難しいはずです。
試合で見つかった課題を取り出して練習し、もう一度実際の場面で使えるかを確かめます。
国語も同じです。
読解問題を解くことは実践練習です。
その前に、文章を正確に読む練習や、問いに答えるための部分練習が必要な子もいます。
国語が苦手な原因を「読む」と「解く」に分けます
ときわの塾では、国語の読解問題ができない原因を、最初に大きく二つに分けます。
一つ目は、文章を読む段階で止まっている状態です。
二つ目は、文章はある程度読めていても、問いに答える段階で止まっている状態です。
この二つを分けずに、すべてを「読解力がない」とまとめてしまうと、必要な練習が見えません。
文章を正確に読むための練習
文章を読んでも内容が頭に残らない子の中には、一文ずつの意味を正確につかめていない子がいます。
文字を声に出して読めることと、書かれている内容を理解できることは同じではありません。
例えば、次の一文を読んでもらいます。
太郎は、先に帰った健太が置いていった傘を届けるため、雨の中を走り出した。
声に出して間違えずに読めても、
- 先に帰ったのは誰か
- 傘を置いていったのは誰か
- 走り出したのは誰か
- 太郎は何のために走ったのか
を説明できなければ、文の関係を整理できていません。
この状態で長い文章を読ませると、一文ごとの小さな読み違いが重なり、最後には何の話だったのか分からなくなります。
このような場合は、長い読解問題を繰り返す前に、
- 一文を最後まで読む
- 主語と述語を確かめる
- 修飾している言葉を整理する
- 指示語が指す内容を探す
- 知らない言葉の意味を確認する
- 前後の文がどのようにつながっているか考える
といった練習が必要です。
ときわの塾では、実際に読んでいる様子を見ながら、音読、書写、短い文章の確認、言葉の意味の整理などを使い分けます。
全員に同じ練習をさせるのではありません。
どの言葉を読み飛ばしたのか、どこで人物を取り違えたのか、何となく読んでいる部分はどこかを確認してから練習を決めます。
文章全体を整理するための練習
一文ずつは読めても、文章が長くなると内容を見失う子もいます。
読み終わったあとに、
「何の話だった?」
と聞くと、最後に書かれていた内容だけを答えたり、印象に残った具体例だけを話したりします。
説明文や論説文では、筆者は無関係な話を並べているわけではありません。
例えば、
- 最初に問題を示す
- 具体例を挙げる
- 二つの考えを比べる
- 理由を説明する
- 最後に主張をまとめる
というように、文章には流れがあります。
物語文でも、
- 何が起きたのか
- 登場人物が何を見聞きしたのか
- その前後で気持ちがどう変わったのか
- 気持ちの変化が行動や会話にどう表れているのか
をつなげて読む必要があります。
そこで、子どもの状態に応じて、
- 段落ごとの内容を短く整理する
- 対比されている言葉を見つける
- 原因と結果をつなぐ
- 具体例と筆者の主張を分ける
- 繰り返されている重要な言葉を確認する
- 文章全体を短くまとめる
といった練習を行います。
最初からきれいな要約文を書かせることが目的ではありません。
文章のどの部分とどの部分がつながっているのかを、子ども自身が確かめるための練習です。
問いが求めていることを確認する練習
文章の内容を理解できていても、問いを正確に読めなければ正解にはつながりません。
例えば、
「なぜですか」
と聞かれているのに、登場人物の気持ちだけを書く。
「どのようなことですか」
と聞かれているのに、理由を書く。
「本文中の言葉を使って」
という条件を確認せず、自分の言葉だけで答える。
このような間違いは、本文を読めていないことだけが原因ではありません。
何を、どのような形で答える問題なのかを整理できていないのです。
ときわの塾では、答えを書き始める前に、
- 何を聞かれているのか
- どのような言葉で終わる答えなのか
- 文字数や抜き出しなどの条件はあるか
- 答えの根拠をどこから探すのか
を確認します。
問題文を最後まで読み、条件に合う答えを作ることも、国語で育てる大切な学習行動です。
答えの根拠を本文から見つける練習
国語の選択肢問題を、感覚だけで選んでいる子がいます。
「なんとなく合っている気がする」
「こちらの方が優しそうな答えだから」
「この言葉が本文にもあったから」
という選び方では、正解が安定しません。
選択肢問題では、それぞれの選択肢を本文と照らし合わせます。
- 本文に書かれていない内容が加えられていないか
- 登場人物や時期が入れ替わっていないか
- 原因と結果が逆になっていないか
- 内容が大げさに変えられていないか
- 一部は合っていても、選択肢全体では間違っていないか
を一つずつ確認します。
記述問題でも同じです。
自分の感想を書くのではなく、まず答えの材料になる部分を本文から探します。
ときわの塾が大切にしているのは、答えを当てることだけではありません。
なぜ、その答えになるのか
を、本文の言葉に戻って説明できることです。
学んだ読み方や解き方を別の文章で使います
解説を聞いた直後であれば、正しい答えを書けることがあります。
しかし、それだけでは読解力が身についたとは判断できません。
大切なのは、教わった方法を別の文章や別の問題でも使えることです。
例えば、指示語の問題を間違えた場合、正解を教えて終わるのではありません。
- 指示語より前を読む
- 指している可能性のある言葉を探す
- 見つけた言葉を指示語の場所に入れる
- 文の意味が通るか確かめる
という行動に分けます。
そのあと、別の文章でも同じ手順を使えるかを確認します。
今日できたことを次もできる。
教わった問題だけでなく、別の問題でも使える。
先生が隣にいなくても、自分で確かめられる。
ときわの塾では、この「再現性」を国語指導でも重視しています。
ときわの塾の「読む準備」
文章を読む経験が不足している子や、長い文章になると途中で手が止まる子に、いきなり難しい読解問題を解かせても、どこで困っているのか分からなくなります。
そこで、ときわの塾では、問題を解く前に「読む準備」を行うことがあります。
中学受験をする小学生や中学生には、1,800字から2,500字程度の文章を使い、最後まで文章に集中する時間を設けています。
「読む準備」は、最初から問題を解いて点数をつけるための時間ではありません。
- 文章を途中で投げ出さずに読む
- 知らない言葉を確認する
- 誰が何をしたのかを整理する
- 主語と述語の関係を確かめる
- 指示語や接続語から文のつながりを考える
- 具体例と筆者の主張を分ける
- 読み終わったあとに文章の中心を残す
という読む行動を練習する時間です。
文章の長さや難しさは、学年だけで決めません。
実際に読んでいる様子を見て、現在の読む力に合わせて調整します。
読解問題の正解数だけを見るのではなく、問題を解く前の「読む行動」から育てるための練習です。
国語を伸ばす目的は、国語の点数だけではありません
国語で身につける読む力は、国語だけで使うものではありません。
算数の文章題では、書かれている条件と求められているものを正確に読み取ります。
理科や社会では、説明文や資料から必要な情報を整理します。
中学生になると、英語や数学でも、問題が何を求めているのかを読み取らなければなりません。
ときわの塾が目指しているのは、
国語を伸ばすためだけではなく、全教科を伸ばすための読む力
を育てることです。
文章を速く読むことだけを目標にはしていません。
最後まで読む。
書かれていることを整理する。
問いが求めていることを確認する。
本文の根拠に基づいて答えを作る。
この一連の行動を、一人でも再現できる状態を目指します。
「国語が苦手」でまとめず、止まっている場所を確かめます
国語の読解力を伸ばすために、すぐに問題集や読書量を増やす必要があるとは限りません。
まず、お子さんがどこで止まっているのかを見てみてください。
- 文章を最後まで読めているか
- 音読した内容を自分の言葉で説明できるか
- 一文の意味を正確につかめているか
- 段落や場面のつながりを整理できているか
- 問いが求めていることを確認しているか
- 答えの根拠を本文から探しているか
- 学んだ方法を別の問題でも使えているか
「国語が苦手」と一つにまとめず、止まっている場所を分けることで、必要な練習が見えてきます。
まずはご自宅でも、お子さんが文章を読んでいるときの様子を確かめてみてください。
どこで読み違えているのか分からない場合や、ご家庭だけでは練習が難しい場合は、いつでもご相談ください。

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