勉強しているのに身につかない子へ|見直したい5つの学習行動
この記事の内容
毎日勉強していても、説明の聞き方や間違えた後の行動によっては、学んだ内容が残りません。勉強しているのにテストで使えない子に見られる5つの行動を、ときわの塾が解説します。

「毎日、机には向かっています」
「宿題もきちんと終わらせています」
「それなのに、テストになると解けません」
勉強時間は確保している。
問題集も進めている。
ノートにも正しい答えが書かれている。
それでも、数字や言い方が少し変わると解けない。
前に教わった問題でも、もう一度最初から説明しなければならない。
このような状態を見ると、保護者の方は、
「理解する力が足りないのでしょうか」
「覚える力が弱いのでしょうか」
「もっと長い時間、勉強させたほうがよいのでしょうか」
と心配になると思います。
理解する速さや、覚えるために必要な回数には個人差があります。
しかし、西宮市で子どもたちの学習中の様子を見ていると、能力や勉強時間だけでは説明できない場合もあります。
同じ30分間勉強していても、
- 説明を最後まで聞いているか
- 教わった後に自分で考え直しているか
- 教わった方法を次の問題でも使っているか
- 分からない場所を確かめているか
- 何も見ずにもう一度できるか確認しているか
によって、身につき方は変わります。
大切なのは、勉強した時間だけではありません。
その時間に、どのような行動をしていたかです。
学年が上がっても、勉強の進め方が変わっていない
小学校低学年では、計算手順や漢字を覚え、見本と同じように取り組むことで正解できる問題が多くあります。
問題文を詳しく読まなくても、並んでいる数字から計算方法を判断できることもあります。
答えを覚えていれば、同じ形式の問題を解けることもあります。
しかし、学年が上がると、問題の形が変わります。
算数では、複数の条件を整理し、習った方法の中から使えるものを選ぶ必要があります。
国語では、文章を読んで根拠を探し、問いに合う形に整えて答える問題が増えます。
中学生になると、数学の式や社会の用語も、単独で覚えるだけでは使えません。
問題文の条件と、習った内容を結びつける必要があります。
低学年の頃と同じように、
見本を見ながら解く
正しい答えを書いたら終わる
という勉強を続けていると、机には向かっていても、次に一人で使える力が残りません。
勉強する内容だけでなく、学年に合わせて勉強中の行動も変えていく必要があります。
1.説明を聞き終わる前に問題を解き始める
説明の途中で、
「分かった」
「もうできる」
と言って、問題を解き始める子がいます。
最初の手順が分かると、説明の続きも理解したつもりになります。
例えば、割合の文章題で、先生が最初に図を書いたとします。
子どもは図を見た時点で、
「掛け算やろ」
と言って式を書き始めます。
しかし、先生がこの後に説明しようとしていたのは、
- 何をもとにする量と考えるのか
- 問題では何を求められているのか
- なぜ掛け算を使えるのか
- 割合を求める問題なら、どう式が変わるのか
という部分です。
計算方法だけを先に見て、その理由を聞いていなければ、数字の位置や聞き方が変わった問題では使えません。
説明を聞いた直後の問題は、先生の話した内容や板書が残っているため解けることがあります。
しかし、次の日に何も見ずに取り組むと、最初の式を作れません。
ときわの塾では、「その場で答えが合ったか」だけではなく、説明後の行動を見ます。
教わった手順を使っているか。
なぜその方法を使うのか説明できるか。
別の問題でも同じ考え方を使えるか。
ここまで確認し、次に一人で使える状態を目指します。
2.教わった直後に、自分で内容を整理しない
先生の説明を聞いている間は、内容を理解できているように感じます。
先生が、
「最初に問題文から求めるものを探します」
「次に、分かっている条件を図へ書きます」
「その後で、使う式を考えます」
と順番に説明すれば、その流れを追うことはできます。
ところが、説明が終わった後に、
「では、最初に何をするの?」
と聞くと、答えられないことがあります。
先生の説明を聞いている間は、先生の考え方に乗って進めていたからです。
自分で最初から考える手順としては、まだ整理できていません。
教わった後には、
- 何を求める問題だったか
- どの条件を使ったか
- 最初に何を確認したか
- どの順番で考えたか
- 自分はどこで間違えていたか
を、自分でもう一度確かめます。
ときわの塾では、必要に応じて、
「最初に何を見たの?」
「なぜ、この式にしたの?」
「さっきの間違いと、何が変わったの?」
「次に同じような問題が出たら、どうする?」
と問いかけます。
説明を聞き直すだけでは、再び先生の考え方を追うだけになることがあります。
教わった内容を、自分の言葉と手順へ置き換えることで、次に自分で使う準備が始まります。
3.教わった方法を使わず、いつものやり方に戻る
説明を聞いた直後は、教わった方法を使えていたのに、次の問題では以前のやり方へ戻る子がいます。
例えば、文章題で、
「数字を見てすぐに式を作らず、何を求めるのか確認しよう」
と教わったとします。
一問目は先生と一緒に、問いへ線を引いてから式を作ります。
ところが、二問目になると、問題文を読む前に数字を二つ見つけ、足し算や掛け算を始めます。
本人には、先生の説明を無視しているつもりはありません。
これまで何度も繰り返してきた行動のほうが楽なので、気づかないうちに元へ戻っています。
ほかにも、
- 途中式を書くように教わっても、次の問題では頭の中だけで計算する
- 国語の問いを確認するように教わっても、本文の頭から答えを書き始める
- 間違えた場所を探すように教わっても、正しい答えだけを書き写す
- 図へ条件を書き込むように教わっても、図を眺めたまま考える
という行動があります。
この場合、「もっとよく考えなさい」と注意しても、何を変えればよいか分かりません。
確認するのは、
「どの行動が、今回の間違いにつながったのか」
です。
数字だけを見て式を作ったから、何を求める問題か取り違えた。
途中式を省いたから、符号の間違いを見つけられなかった。
問いを確認しなかったから、理由ではなく気持ちを書いた。
このように、間違いと行動を結びつけます。
そのうえで、次の問題でも教わった方法を使い、正しく解けるか確認します。
正しく真似ることは、考える力を奪うことではありません。
自分で使える考え方を増やすための過程です。
4.分からない場所を分けずに「全部分からない」で止まる
問題を見た瞬間に、
「分からない」
「全部無理」
と言って、手を止める子がいます。
しかし、一緒に確認すると、問題のすべてが分からないわけではありません。
例えば、速さの文章題で止まっている子に、
「何を求める問題?」
と聞くと、「時間」と答えられることがあります。
「速さと道のりは書かれている?」
と聞くと、正しく見つけられることもあります。
この場合、問題文をまったく理解できていないのではありません。
「時間を求める式を思い出せない」という一部分で止まっています。
分からない原因には、
- 問題文の言葉の意味が分からない
- 何を求める問題か分からない
- 使う公式を思い出せない
- 式は作れたが計算方法が分からない
- 途中までは進んだが、その後の考え方が分からない
- 問われている内容を取り違えている
などがあります。
「全部分からない」でまとめると、何を質問すればよいかも分かりません。
そこで、ときわの塾では、
「どこまでは分かった?」
「問題は何を聞いている?」
「分かっている数字はどれ?」
「最初に止まったのはどこ?」
と確認します。
分かっている部分と分からない部分を分ければ、学び直す場所を限定できます。
質問する力は、「質問しなさい」と言うだけで身につくものではありません。
何が分からないのかを一緒に整理する経験を重ねることで、少しずつ、
「式までは作れましたが、ここから計算できません」
と伝えられるようになります。
5.一度答えが合ったところで勉強を終える
解説を見た後に正解すると、
「できた」
と思って終わる子がいます。
しかし、先生が隣にいて、使う方法を教えた直後に解けただけでは、次もできるとは限りません。
例えば、先生が図を書き、使う式を確認した後で、子どもが計算して正解したとします。
計算自体は一人でできています。
しかし、図を書くところと式を選ぶところは、先生がしています。
この状態で「できた」と終えると、次の日には再び最初の一歩で止まります。
ときわの塾が確認しているのは、「再現できるか」です。
再現できるとは、
- 解説を閉じて、最初からもう一度解ける
- 数字が変わっても同じ方法を使える
- 問題文の言い方が変わっても条件を探せる
- 先生が隣にいなくても進められる
- なぜその方法を使ったのか説明できる
という状態です。
そのため、一度正解した後にも、
「今度は何も見ずに解ける?」
「数字が変わっても使える?」
「最初に何を確認した?」
と確かめます。
勉強したことと、身についたことは同じではありません。
一度正解することがゴールではなく、次も一人で使えるところまで確認する必要があります。
5つの行動に共通していること
今回紹介した5つの行動は、別々の問題に見えます。
しかし、共通しているのは、教わった内容を自分の力へ変える途中で、学習を終えていることです。
ときわの塾では、次の流れを大切にしています。
説明を最後まで聞く
↓
教わった内容を自分で整理する
↓
教わった方法を次の問題で使う
↓
分からない部分を分ける
↓
何も見ずにもう一度できるか確かめる
これらは、単なる勉強のコツではありません。
新しいことを教わり、別の問題でも一人で使えるようにするための「学ぶ土台」です。
学習行動は、注意するだけでは変わらない
保護者の方が、
「問題文を最後まで読みなさい」
「説明をきちんと聞きなさい」
「途中式を書きなさい」
「間違えたところを見直しなさい」
と伝えても、すぐには行動が変わらないことがあります。
本人が、その行動をすることで何が変わるのかを経験していないからです。
また、「最後まで読む」と言われても、どこへ注意して読めばよいのか分かっていない場合もあります。
行動を変えるには、
- 学習中の様子を観察する
- 最初に間違えた場所を見つける
- その間違いにつながった行動を確認する
- 次の問題で改善した方法を使う
- 改善した方法で自分にも解けたと確認する
という積み重ねが必要です。
例えば、「途中式を書きなさい」と注意するだけではなく、
「途中式を残したから、符号を間違えた場所を見つけられた」
という経験までつなげます。
必要性を理解し、自分にも効果があったと確認できれば、行動は少しずつ変わります。
ときわの塾は、点数を追いかける塾ではありません。
点数につながる行動を育てる塾です。
勉強時間を増やす前に、勉強中の行動を見る
お子さんが勉強しているのに身についていないと感じたときは、すぐに勉強時間や問題数を増やす前に、勉強中の様子を見てみてください。
- 説明や問題文を最後まで確認しているか
- 教わった内容を自分で整理しているか
- 教わった方法を次の問題でも使っているか
- 分からない場所を分けられているか
- 何も見ずにもう一度できるか確認しているか
すべてを一度に直す必要はありません。
今のお子さんに最も必要な行動を一つ見つけ、次の問題で実際に使えるかを確認します。
学習時間を増やすだけでは、同じ行動を繰り返す時間も増えてしまうことがあります。
どの行動を変えれば、次に一人で解けるようになるのか。
そこを見つけることが、勉強を身につけるための第一歩です。

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