算国の指導について
図形や文章題(国算)の応用問題の解法を教えてもらったり、勉強のやり方を教えてもらっても解けずに伸び悩む子どもはいます。一方で、勉強しているように見えないけどきっちり解ける子どももいます。それぞれの応用問題の解法は教えてもらっても、そもそもそれを解くための手順が必要なのかは殆ど学校では習いません。だから、それをしらない人はケース毎の対応を覚えるだけで大変なので点数化されにくいのだと思います。
そのため、解法なりを教えるだけでなく手順を追って行動できる脳に変える必要があると考えています。だから、ときわの塾(塾の部)では、根本的なことから指導していきます。
■算数
算数の問題を解くための各プロセスについて指導します。
- ・問題を正しく読むこと
- ・読んだ情報を整理し図式化すること
- ・考えかたが間違えた問題は、一旦、0にして1から組み立てること
基本的に答えは書かせません。式も上記が身についてから書かせます。理由は算数は少しだけ考えて分からないときに根拠のない答えを書いてしまう子どもが多く、そして、根拠がない答えはどれだけ見直しても全くもって次に繋がらないためです。
★問題を正しく読むこと
ここは、初めてコマなしの自転車を乗る時のイメージです。1つずつの動作に集中し丁寧にゆっくりペダルをこぎます。しかし、殆どの子どもは読むのが早く句読点でも止まりません。分からなくても最後まで突き進みます。コマなし自転車が倒れていてもペダルを全開で漕いでいるような感じです。速く読んでいる子どもに同じ速さで私が口頭で説明しても理解できていないことが多いので、適正な速さで読んでいないことは確かだと思います。
具体的な指導方法は割愛しますが、何を答えなければ良いのかが分かっていない。句読点までも理解しながら読めていない。このような状態で、解答を出しているのは、問題も聞かずにクイズの答えを出すようなものと考えています。
そのため、まずは読む練習をします。場合によっては音読の練習も行います。音読では、文末を早く読んだりもごもごしている場合があり、これを矯正しないと黙読時の読み飛ばしに繋がるためです。
★読んだ情報を整理し図式化すること
ここでは、答えに関係あるなし問題文に書いてある情報を沢山、抜き出します。また、見えていない情報を見える化することも大事になります。(逆を考える)なんでもそうなのですが、情報量がものを言うので出せるだけ図や文字で書いていく練習をします。
★ 考えかたが間違えた問題は、一旦、0にして1から組み立てるこ と
簡単にいうと試行錯誤の練習を行います。殆どの子どもは、間違いのやり直しを求めると1から検討することができません。ずっと、自分なりに考えた所からどうにかしようとします。迷路ゲームでどんつきでもそこから進もうとしている感じです。でも、それ以前から間違っているかもしれないという選択肢がないので分からないと言ってやる気を無くします。ですので、1から組み立てることがどうしてもできない場合は、魔方陣の問題を使用して、1からやり直すことを多く体験させます。
ここまでができると、式は立ちます。式が立つと勿論答えが出ます。ここまでをできているかを確認するので、何を勘違いして答えに至らなかったのかが明確になります。
■国語
当塾では、国語力を確認するために読解問題を使用しますが、通常の授業では読解問題を使用した指導は行いません。
読む力とは、文字で書いている情報の要点を掴み理解することと考えています。だから、読解問題を使用するなら、上段の本文をきちんと読み要点を掴んでいくことで読む力は養われます。しかし、国語を見て欲しいと塾に通い始めた子どもの解き方を見ると本文に目が行かないことが多いです。ひどくなると「先生、選択問題って、本文を読まなくてもこうやれば答えが出るよね」というようなことを言ってきます。
そんなことをずっと続けてきているから点数が伸びず算数や数学でも、文章問題がさっぱりわからないのだと思います。
読むことが必要な問題は、国語以外でも多数あります。だから読む力をつけないと全教科に影響を与えると思っています。確かに、技術により国語の点数の一部は取れるようになるのですが、それよりも大きな点数を失っているのではないでしょうか。
こういった点数だけ取れれば良いといった考えが根付いていることが多いので、読解問題を授業で使用しても本文を読んでくれません。こういった技術的なものは入試ギリギリで保険として持てば良いと考えています。
そのため、ときわの塾では、読む量を増やすこととその要点を纏めることができるように次のようなことを授業で行います。
- ・音読を聞くことから始め、読み方を正しくします。(文末が小声になることの修正や息継ぎ箇所の修正等)
- ・与えた文章を覚えるつもりで読ませます。
- ・本当に覚えるつもりで読んだかを確かめるために、主語や述語や飾りことばを穴抜きにしたプリントを渡し、それを与えた文章を見ずに埋めさせます。
- ・そして、答え合わせのあと要約を書きます。
文字の情報から要点を掴み理解することは、聞く時も同じなので聞く力の向上も期待できます。