国語が苦手な子は何を練習する?|読解問題を増やす前に確認したい原因
「国語が苦手なのですが、何を練習させればよいでしょうか」
「読解問題を解かせていますが、なかなかできるようになりません」
「問題集を増やした方がよいのでしょうか」
国語の文章問題を何度も間違えると、読む量や問題数が足りないように思えるかもしれません。
しかし、同じように読解問題を間違えている子でも、つまずいている場所は異なります。
文章を正確に読めていない子。
知らない言葉が多く、文の意味をつかめない子。
問いで何を聞かれているのか分からない子。
本文は理解できていても、答えの形にまとめられない子。
原因が違えば、必要な練習も変わります。
国語の問題集を増やす前に、何を確認し、どのような練習を選べばよいのか。ときわの塾が解説します。

対象となる保護者様
この記事は、次のようなお子さんの保護者様に向けて書いています。
- 国語の読解問題を繰り返しても伸びない
- 文章は読んでいるが、問題になると答えられない
- 国語の問題集を増やすべきか迷っている
- 選択問題を何となく選んでいる
- 記述問題になると手が止まる
- 何を練習させればよいのか分からない
- 「読解力がない」と言われても、具体的な原因が分からない
同じ「国語が苦手」でも必要な練習は違います
算数であれば、
「計算が苦手」
「図形が苦手」
「文章題が苦手」
というように、つまずいている内容をある程度分けて考えられます。
しかし国語では、文章問題を解けないと、まとめて「読解力がない」と判断されることがあります。
実際には、国語の文章問題が苦手な子にも、次のような違いがあります。
- 文章を正確に読めていない
- 知らない言葉が多く、文の意味をつかめない
- 指示語が何を指しているのか分からない
- 接続語から、文と文の関係をつかめない
- 問いが何を答えるように求めているのか分からない
- 本文のどこを根拠にすればよいか分からない
- 内容は理解しているが、答えの形にまとめられない
- 選択肢を感覚で選んでいる
答案だけを見れば、どの子も「読解問題を間違えた」という同じ結果です。
しかし、原因が違えば、必要な練習も変わります。
言葉の意味が分からない子に、記述問題を繰り返させても、根本的な改善にはつながりません。
本文を理解できているのに答え方が分からない子へ、音読だけを増やしても、記述できるようになるとは限りません。
まず、何ができていて、どこから分からなくなっているのかを分けて考える必要があります。
読解問題は「試合」のようなものです
私は以前、国語指導について次のように書きました。
読解問題は試合のようなものです。
試合だけを繰り返しても、必要な力を一つずつ練習したことにはなりません。
読解問題を解くことは必要です。
しかし、問題を解き、丸つけをして、解説を読んで終わるだけでは、なぜ間違えたのか分からないことがあります。
例えば、理由を答える問題を間違えた場合にも、次のような違いがあります。
- 「なぜ」と聞かれていることを確認できなかった
- 本文から理由を探す方法が分からなかった
- 根拠になる部分を見つけられなかった
- 根拠は見つけたが、必要な言葉を選べなかった
- 問いに合うように文末を整えられなかった
- 指定された文字数にまとめられなかった
すべてを「理由問題が苦手」とまとめると、必要な練習が見えません。
どの段階で止まったのかを確認することで、次に練習する内容が決まります。
原因1|文章を正確に読めていない
文章を飛ばして読んだり、言葉を読み違えたりしている場合は、問題を解く前の段階で内容を正しく受け取れていません。
例えば、
- 文末まで読まずに意味を決める
- 主語を確認していない
- 「できる」と「できない」を読み違える
- 会話を誰が話したのか分かっていない
- 段落を飛ばして読む
という状態です。
この場合は、読解問題を増やす前に、正確に読む練習が必要です。
- 声に出して読む
- 文のまとまりを意識して読む
- 読み違えた言葉を確認する
- 一文ずつ「誰が・何をした」を確認する
- 読んだ内容を短く言葉にする
速く読むことより、書かれている内容を最後まで正確に受け取ることを優先します。
原因2|知らない言葉が多い
文章の中に意味の分からない言葉が多いと、文と文の関係を考えるところまで進めません。
漢字を読めていても、その言葉の意味を理解しているとは限りません。
例えば、「ためらう」という言葉を読めても、どのような気持ちや行動を表しているのか分からなければ、登場人物の様子を正しく読み取れません。
この場合は、次のような練習を行います。
- 文中の言葉の意味を確認する
- 前後の文章から意味を考える
- 似た言葉との違いを確認する
- その言葉を使って短い文を作る
- 別の文章でも同じ言葉を確認する
意味を一度聞いて終わるのではなく、別の場面でも理解できるかを確かめます。
原因3|指示語が何を指しているか分からない
「それ」「このこと」「そのような考え」が何を指しているのか分からないと、文章のつながりを見失います。
指示語の内容は、すぐ前の一語だけとは限りません。
前の一文や、複数の文に書かれた内容をまとめて指していることもあります。
この場合は、
- 指示語に線を引く
- 前の文章へ戻る
- 指している内容を具体的な言葉へ置き換える
- 置き換えた言葉を入れて文を読み直す
という練習をします。
指示語を見つけるだけでなく、置き換えても文の意味が通るかを確認することが大切です。
原因4|接続語から文の関係をつかめない
「しかし」「つまり」「そのため」などの接続語は、前後の文章がどのような関係なのかを示しています。
例えば、
- 「しかし」の後には、前と反対の内容が続く
- 「つまり」の後には、前の内容をまとめた説明が続く
- 「そのため」の後には、前の内容から生じた結果が続く
という関係があります。
接続語の働きが分からないと、大切な内容がどこに書かれているのかを見つけにくくなります。
この場合は、長い読解問題を繰り返す前に、短い文章を使って、
- 接続語の前後を比べる
- 話がどのように変わったか確認する
- 接続語を別の言葉へ置き換える
- 空欄に合う接続語を考える
という練習を行います。
原因5|問いで何を聞かれているか分からない
本文をある程度理解できていても、問いを正確に読めていないことがあります。
- 理由を聞かれているのか
- 気持ちを聞かれているのか
- 行動の意味を聞かれているのか
- 「どのようなこと」を説明するのか
- 本文から抜き出すのか、自分の言葉で書くのか
この違いが分からなければ、本文のどこを探すかも決まりません。
この場合は、答えを探す前に、
- 何を聞かれているのか
- どのような形で答えるのか
- 本文のどの辺りを探すのか
を確認する練習が必要です。
問題文の大切な言葉に線を引き、答えの文末を先に考える方法もあります。
「なぜですか」と聞かれたら「~から」。
「どのような気持ちですか」と聞かれたら「~という気持ち」。
問いと答えの形をつなげます。
原因6|本文の根拠を使わず、感覚で答えている
読解問題で、自分の印象だけをもとに答える子もいます。
選択肢を見て、
「これっぽい」
「何となく合っている」
「自分なら、こう思う」
と選んでいる状態です。
偶然正解することはあっても、同じ考え方を次の問題で再現できません。
この場合は、正解したときにも、
「その答えは、本文のどこから分かるの?」
と確認します。
- 根拠となる言葉に線を引く
- 合わない選択肢が、本文のどこに反するか確認する
- 自分の想像と、本文に書かれた事実を分ける
- 前後の出来事をつなげて考える
といった練習を行います。
正解したかどうかだけでなく、本文を根拠にして答えられたかを見ることが大切です。
原因7|内容は分かっていても答えにまとめられない
口頭では説明できるのに、記述問題になると書けない子もいます。
この場合は、文章を理解できていないとは限りません。
理解した内容を、問いに合った答えへ整えるところで止まっている可能性があります。
必要なのは、次のような練習です。
- 問いに合わせて文末を整える
- 本文から必要な言葉を選ぶ
- 不要な部分を取り除く
- 指定された文字数にまとめる
- 主語と述語がつながる文にする
- 短い答えから少しずつ長くする
文章の内容を理解する力と、採点される答えを作る力を分けて確認します。
記述問題を書けなかったという結果だけで、「文章を読めていない」と判断しないことが大切です。
必要な練習を決めてから教材を選びます
国語が苦手だからといって、最初に問題集を決めるとは限りません。
ときわの塾では、次の順番で考えます。
観察する
↓
事実を整理する
↓
つまずいた原因を考える
↓
必要な練習を決める
↓
教材を選ぶ
↓
別の文章でも一人でできるか確認する
読む経験が必要なら、その子が無理なく正確に読める文章を用意します。
理由問題で止まっているなら、理由を示す部分を見つける練習をします。
接続語が苦手なら、短い文章で前後の関係を確認します。
記述の形にできないなら、短い答えから組み立てます。
「国語が苦手」という大きな言葉に合わせて教材を選ぶのではなく、今必要な力に合わせて教材を選びます。
一人ひとりに合う教材を用意する難しさ
原因に合わせた指導を行うには、その子のつまずきに合った文章や問題が必要です。
しかし、市販教材だけでは、必要な練習を必要な量だけ用意できない場合があります。
例えば、
- 指示語だけを確認する短い文章
- 接続語の前後を比べる問題
- 理由を表す部分を見つける問題
- 本文の根拠を使って答える練習
- 口頭で答えた内容を短い記述にする練習
- その子の読む段階に合わせた文章
などです。
必要な教材をすべて一から作るには、時間がかかります。
以前から必要性を感じていましたが、一人ひとりに合わせて必要な量を準備することには限界がありました。
AIも、必要な教材を準備するチームに入れます
AIによって、ときわの塾の国語指導の考え方が変わったわけではありません。
お子さんの学習行動を観察する。
どこで止まったのかを確認する。
必要な練習を考える。
練習後に、一人でもできるかを確かめる。
この考え方は変わりません。
AIによって変わったのは、その考えに合った教材を準備できる範囲です。
ただし、AIが作った文章や問題を、そのままお子さんへ渡すわけではありません。
- 内容に誤りがないか
- 学年や読む力に合っているか
- 本当に今必要な練習になっているか
- 問題と解答が適切に対応しているか
- 別の解釈が生まれないか
を先生が確認し、必要に応じて修正します。
AIにお子さんの指導を任せるのではありません。
先生が必要な練習を判断し、その教材を準備するチームにAIも入れます。
国語の問題集を増やす前に、原因を確認します
国語が苦手だからといって、すべての子に同じ読解問題を増やせばよいとは限りません。
- 文章を正確に読むところで止まっているのか
- 言葉の意味が分からないのか
- 指示語や接続語でつながりを見失っているのか
- 問いを理解できていないのか
- 本文から根拠を探せないのか
- 答えの形にまとめられないのか
まず、どこで止まっているのかを確認します。
そのうえで、必要な力を小さく分けて練習します。
最後は、同じ問題を覚えて解けただけではなく、別の文章でも一人でできるかを確かめます。
ときわの塾が育てたいのは、国語の問題だけを解くための力ではありません。
算数の文章題を読む。
理科や社会の資料を読み取る。
先生の説明を正しく聞く。
自分の考えを言葉で伝える。
国語を伸ばすためではなく、すべての教科を伸ばすための読む力を育てます。
そのために、ときわの塾は、実際のお子さんを見て必要な練習を考えながら、AIも教材を準備するチームに入れていきます。
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