教えてもらった問題はできるのに一人では解けない子へ|「できた」の次に確かめること
「先生、この問題できた!」
教室では、子どもたちからこのような声を聞くことがあります。
できなかった問題が解けるとうれしいものです。
私も一緒に喜びます。
ただし、ときわの塾では、その場で正解しただけで、
「もうできるようになった。」
とは判断しません。
先生の説明を聞いた直後だから解けたのか。
ヒントを見ながら解けたのか。
それとも、何も見ずに自分で考えて解けたのか。
同じ「できた」でも、その中身は違います。
次の問題やテストでも一人で使える力になっているのか。
ときわの塾が「できた」のあとに確かめていることをお伝えします。

説明を聞いた直後は解けることがあります
子どもが問題で止まっているとき、私は必要に応じてヒントを出します。
「何を求める問題?」
「この二つの数字には、どのような関係がある?」
「前の問題と同じところはどこ?」
すると、子どもが、
「あっ、分かった!」
と言って式を書き、正解することがあります。
その瞬間は、確かに一つ前へ進んでいます。
しかし、先生からの質問によって考える場所が分かったため、解けた可能性もあります。
もし一人で取り組んでいたら、どこに注目すればよいか分からず、再び止まるかもしれません。
そのため、正解したあとに、
「先生は、何を聞いた?」
「その質問を聞いて、何に気づいた?」
「一人で解くときは、最初に何を確かめる?」
と尋ねます。
子ども自身が、なぜ解けたのかを理解しているかを確認するためです。
答えが合ったことと、理解したことは同じではありません
説明を聞きながら解いた問題では、先生の言葉や板書が残っています。
「次はこの式を使う。」
「ここで割り算をする。」
と順番に示されれば、そのとおりに進めることができます。
しかし、その状態で正解しても、子どもが自分で計算を選んだとは限りません。
算数であれば、
- 何を求めるのか
- どの数字を使うのか
- なぜその計算になるのか
を自分で説明できるか確認します。
国語であれば、
- 何を聞かれているのか
- 答えの根拠をどこから見つけたのか
- なぜその言葉を使ったのか
を確認します。
正解した答えをもう一度言えるだけではなく、そこへ至った考え方を説明できることが大切です。
同じ問題をもう一度解くだけでは分からないことがあります
一度教わった問題を、すぐにもう一度解くと正解することがあります。
しかし、式や答えを覚えているだけかもしれません。
そのため、ときわの塾では、必要に応じて数字や問い方の違う問題でも確かめます。
例えば、
「5個で600円なら、1個はいくらですか。」
という問題を教わったあとに、
「8個で960円なら、1個はいくらですか。」
という問題を出します。
数字は変わっていますが、考え方は同じです。
このときに、
「さっきと数字が違うから分からない。」
と止まるなら、解き方ではなく、最初の問題の数字や式を覚えていた可能性があります。
反対に、
「一つ分を求めるから、同じように割り算を使います。」
と説明して解ければ、教わった考え方を別の問題でも使えています。
時間を空けると分かることもあります
説明を聞いた直後は、先生の言葉が頭に残っています。
そのため、すぐに解き直すだけでは、本当に一人でできるか判断できないことがあります。
少し時間を空けてから、同じ考え方を使う問題に取り組みます。
そこで、
- 問題を読んで、自分から解き始められるか
- 何を求めるのかを整理できるか
- 必要な計算を選べるか
- 途中で止まったときに、どこまで分かるかを考えられるか
- 答えの理由を説明できるか
を確認します。
時間を空けてもできれば、先生の説明を覚えているだけではなく、自分で考え方を取り出せた可能性が高くなります。
できなくなっても、最初の「できた」が無駄になるわけではありません
一度できた問題を、翌日に間違えることがあります。
そのときに、
「昨日できたのに、どうして今日はできないの?」
と言いたくなることもあると思います。
しかし、昨日の「できた」が嘘だったわけではありません。
昨日はヒントがあればできた。
今日は一人では最初の一手を思い出せなかった。
そこまで分かれば、次に練習することが見つかります。
もう一度すべてを教えるのではなく、
「最初に何を確認するんやった?」
と尋ねるだけで思い出せるかもしれません。
それでも難しければ、問題文の整理から戻る必要があるかもしれません。
できなくなったことを責めるのではなく、どこまで一人で再現できたかを確認します。
「できた」を段階に分けて見ています
「できた」には、いくつかの段階があります。
最初は、先生の説明を聞けば分かる。
次は、ヒントがあれば解ける。
その次は、同じ問題なら一人で解ける。
さらに、数字や問い方が変わっても使える。
最後は、自分の考え方を言葉で説明できる。
一度の正解ですべての段階を終える必要はありません。
今どこまでできているのかが分かれば、次に練習することも分かります。
ときわの塾では、
「正解したから終わり。」
ではなく、
「次は、どこまで一人でできるようにするか。」
を考えます。
小さな成功とは、簡単な問題をさせることではありません
成功体験を積ませるために、いつも簡単な問題だけをさせればよいわけではありません。
難しい問題を避け続けていると、一人で考える経験は増えません。
大切なのは、その子が今できるところから始め、少し先の行動へ進むことです。
問題を最後まで読めなかった子が、今日は最後まで読んだ。
何も書けなかった子が、分かっている条件を書き出した。
すぐに答えを聞いていた子が、今日は一度自分で考えた。
ヒントが必要だった子が、次は一人で解けた。
このように、以前より自分でできる範囲が広がることを積み重ねます。
ご家庭では「どうしてできたの?」と聞いてみてください
お子さまが、
「できた!」
と教えてくれたときは、まず一緒に喜んでよいと思います。
そのあとに、
「どうして解けたの?」
「最初に何を考えた?」
「前にできなかったときと、何を変えた?」
と聞いてみてください。
説明できれば、本人も自分が使った考え方を整理できます。
説明できなければ、まだ答えや手順だけを覚えている可能性があります。
そこで再び教え始める必要はありません。
「次に同じような問題が出たら、最初に何をするか考えてみよう。」
と伝えるだけでも構いません。
保護者の方が先生になって、すべてを教える必要はありません。
「できた」の先に、一人でできる状態を目指します
一問できたことは、大切な一歩です。
しかし、その一問を正解しただけでは、次もできるとは限りません。
なぜ解けたのかを説明する。
数字が変わっても同じ考え方を使う。
時間を空けても一人で解く。
分からなくなったときに、どこまで分かるかを整理する。
そこまで確かめることで、教わったことが少しずつ自分の力になります。
ときわの塾が大切にしているのは、先生と一緒に出した一度の正解だけではありません。
次の問題でも、別の場面でも、先生がいなくてもできることです。
「できた!」を喜びながら、その先にある「一人でできた」まで確認します。
それが、ときわの塾が育てたい再現できる学び方です。
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