勉強ができる子は途中式を書かない?間違ったまねで自信をなくす子へ
勉強に自信がない子の中には、「できる子は途中式を書かない」「一度で理解する」「見直しをしない」という誤ったイメージを持ち、そのまねをして失敗している子がいます。本当に伸びる子が行っているのは、分からないことを確認し、間違えた原因を考え、次の問題で改善することです。
「できる子は途中式を書かない」と思い、暗算や見直しをしないために間違いを重ねていませんか。勉強に自信がない子ほど、実際にはいない「完璧なできる子」と比べて苦しむことがあります。本当に成績が伸びる子の行動を、ときわの塾が解説します。

「うちの子は、途中式を書こうとしません」
「分からないところを質問するのを嫌がります」
「少し間違えると、すぐに『自分は勉強ができない』と言います」
このような子に理由を聞くと、
「できる子は暗算で解けるから」
「頭の良い子は、一度聞けば分かるから」
と答えることがあります。
その子が比べているのは、実際にいる誰かではありません。
自分の頭の中で作り上げた「完璧なできる子」です。
この思い込みが、勉強に必要な行動を遠ざけ、さらに自信をなくす原因になることがあります。
子どもの頭の中にいる「完璧なできる子」
勉強に自信がない子と話していると、「できる子」に対して次のようなイメージを持っていることがあります。
- 計算はすべて暗算でできる
- 途中式や筆算を書かなくても間違えない
- 説明を一度聞けば理解できる
- 一度覚えたことは忘れない
- 文章題は読んだ瞬間に解き方が分かる
- 図や線分図を書かなくても解ける
- 見直しをしなくても正解できる
- うっかりミスをしない
もちろん、理解が早い子や暗算が得意な子はいます。
しかし、何も工夫せず、最初からすべて正解できる子を、私はほとんど見たことがありません。
成績が良い子も、必要なら途中式を書きます。
忘れたことは確認します。
分からなければ質問します。
間違えた問題は、原因を考えてやり直します。
「できる子」とは、何もしなくてもできる子ではありません。
できるようになるために、必要な行動を取れる子です。
「できる子のまね」が間違いを増やしてしまう
問題は、子どもが頭の中で作った「完璧なできる子」をまねしてしまうことです。
「できる子は暗算で解くはず」
そう思って、必要な筆算や途中式を書かない。
「できる子は一度で理解するはず」
そう思って、分からなくても質問や確認をしない。
「できる子は見直しをしないはず」
そう思って、解き終わったらそのまま提出する。
その結果、分かっていたはずの問題まで間違えてしまいます。
間違いが増えると、
「やっぱり自分は勉強ができない」
という思い込みが、さらに強くなります。
できる子の結果だけを見て、そこへたどり着くまでの行動を見落としているのです。
本当の差は「できなかった後」に表れます
勉強が伸びる子も、最初からすべての問題を解けるわけではありません。
違いが表れるのは、できなかった後です。
間違えたときに、
- どこで間違えたのか
- 何を勘違いしていたのか
- どの知識が足りなかったのか
- 次は何を変えればよいのか
を確認します。
そして、教えてもらって終わるのではなく、もう一度自分で解いてみます。
次の問題でも同じ考え方を使えるかを確かめます。
勉強で大切なのは、最初から失敗しないことではありません。
できなかったところを見つけ、原因を考え、次の行動を変えることです。
その積み重ねによって、一人でできる問題が少しずつ増えていきます。
自分の良いところまで見えなくなってしまう
「完璧なできる子」と比べ続けていると、自分が持っている良いところまで見えなくなることがあります。
実際に指導していると、
「ここは、この子の大きな強みなのに」
と思う場面がたくさんあります。
例えば、
- 丁寧に考えられる
- 説明を素直に聞ける
- 分からなくても投げ出さずに取り組める
- 時間をかければ正確に解ける
- 一度理解したことを大切にできる
- 間違いを指摘された後にやり直せる
といった部分です。
子どもによって、持っている良さは違います。
暗算が速いことだけが、勉強の力ではありません。
理解するまで考えられることや、教わった方法を次の問題で試せることも、成績を伸ばすための大切な力です。
「もっと自信を持って」だけでは変わりません
自信をなくしている子に、
「もっと自信を持ちなさい」
と伝えても、それだけで行動を変えることは難しいものです。
必要なのは、その子がどこで止まっているのかを具体的に見ることです。
途中式を書かないために間違えているのか。
説明を一度で理解しなければならないと思っているのか。
分からないと伝えることを恥ずかしいと思っているのか。
間違い直しを「できない証拠」だと思っているのか。
原因が分かれば、次に変える行動も見つけられます。
「今日は途中式を書いたから、どこで間違えたか自分で見つけられた」
「分からないところを質問したから、一人でもう一度解けた」
このように、できるようになるために取った行動を具体的に確認することが大切です。
ときわの塾が大切にしていること
ときわの塾では、
「もっと頑張りなさい」
「自信を持ちなさい」
という言葉だけで終わらせません。
その子が、どのような「できる子」を想像しているのか。
その思い込みによって、どの行動を避けているのか。
何を変えれば、一人でできる問題が増えるのか。
実際の学習の様子を見ながら、一つずつ確認します。
できない理由を並べるためではありません。
できるようになる方法を見つけるためです。
必要なのは、頭の中にいる完璧な誰かになることではありません。
今の自分に必要な行動を知り、それを一つずつ実行することです。
途中式を書く。
分からないことを確認する。
間違えた原因を考える。
そして、もう一度自分で解いてみる。
このような行動を積み重ねることで、「自分にもできる」という感覚は少しずつ育っていきます。

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