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2026年8月19日

間違えるのが怖くて答えを消す子へ|質問できるようになるまで

ときわの塾先生のブログ

この記事の内容

間違えることを怖がり、書いた答えを何度も消してしまう子がいます。全員の前で困っていると認めさせるのではなく、自然に質問できる機会を作り、考えた跡を残せるようになるまでの関わり方を、ときわの塾が解説します。

一見、真剣に考えているように見えることがあります

問題を解いている途中で、机にうつ伏せになる。

ノートや顔を隠すような姿勢になる。

答えを書いては消し、また少し書いては消す。

このような行動をする子がいます。

机に向かっているため、一瞬、真剣に考え込んでいるように見えるかもしれません。

しかし、よく観察すると、手や体の動きが多く、問題へ集中できていないことがあります。

考え続けているというよりも、

「間違っていたらどうしよう」

「先生に見られたくない」

「分からないと知られたくない」

という気持ちから、答えを書くことにも、質問することにも進めなくなっています。

書いては消すと、何につまずいたのか分からなくなります

間違った答えを消すこと自体が悪いわけではありません。

しかし、考えたものをすべて消してしまうと、

  • どこまでは理解できていたのか
  • どの段階で考え方が変わったのか
  • 計算を間違えたのか
  • 問題文を読み違えたのか
  • 使う方法を勘違いしていたのか

が分からなくなります。

先生から見ても、白く消されたノートだけでは、どこから説明すればよいか判断しにくくなります。

そこで私は、子どもたちに繰り返し伝えています。

「残しておいた方が、間違い探しに得やで。」

見直しは、最初から全部やり直すことではありません。

自分が考えた跡をたどり、最初に違った場所を見つけることです。

途中式や書きかけの考えが残っていれば、間違いを探す手がかりになります。

「困っているなら質問して」と言うだけでは動けません

間違えることを怖がる子に、

「分からなかったら質問して」

と伝えても、すぐに質問できるとは限りません。

本人は、質問した方がよいことを分かっています。

それでも、

「自分だけ分かっていないと思われたくない」

「こんなことを聞いたら怒られるかもしれない」

「どこが分からないのか説明できない」

と感じ、動けないことがあります。

その子だけを指名して、

「分からないの?」

「困っているなら持っておいで」

と言うと、さらに隠れようとすることもあります。

必要なのは、質問するよう強く求めることではなく、質問へ動きやすい状況を作ることです。

私は最初に全体へ声をかけます

教室で手が止まっている子がいるとき、私は全体へ、

「困っている子は来てな。」

と声をかけます。

誰か一人へ向けた言葉にはしません。

この声かけで、自分から持って来られる子もいます。

しかし、間違えることを怖がっている子は、それでも動けないことがあります。

その場合は、その子だけを呼びません。

教室にいる子の半数程度へ順番に声をかけ、その中にその子も自然に含めます。

「あなたが困っているから呼ばれた」

と周囲から分からない形にするためです。

ほかの子と同じように問題を持って来れば、本人も必要以上に身構えずに済みます。

思考の跡が残ると、説明すべきことが見えてきます

持って来たノートに途中式や書きかけの考えが残っていれば、私はその跡を確認します。

答えが違っているという結果だけでは、原因は分かりません。

例えば、

  • 問題文の条件を一つ見落としていた
  • 最初に選んだ式は正しかった
  • 計算の途中で符号を間違えた
  • 前に習った方法と混同していた
  • 問われていることとは違うものを求めていた

など、同じ不正解でもつまずいている場所は違います。

考えた跡が残っていれば、

「ここまでは合っている」

「最初に違ったのはここ」

「この言葉の意味を勘違いしている」

と具体的に伝えられます。

全部を最初から説明し直す必要もありません。

その子が本当に困っている部分に絞って解説できます。

少しずつ、自分から質問へ来るようになります

全体への声かけや、何人かを一緒に呼ぶ対応を続けると、机にうつ伏せになって隠れようとする行動が少しずつ減っていきます。

書いては消すことも減り、途中式や考えた跡を残せるようになります。

すぐに一人で質問できるようになるわけではありません。

しかし、

「持って行っても責められない」

「間違っていても、考えたところは見てもらえる」

「残しておけば、どこを直せばよいか分かる」

という経験を重ねることで、次第に自分から質問へ来るようになります。

質問できるようになると、先生が教えやすくなるだけではありません。

子ども自身も、

自分は何が分からないのか

を少しずつ確認できるようになります。

安心して間違えられるとは、間違いをそのままにすることではありません

「安心して間違えられる塾」と聞くと、間違っても何も言われない、優しく受け止めてもらえる場所を想像するかもしれません。

しかし、ときわの塾が考える安心は、間違いを曖昧にして終わることではありません。

間違えたことを隠さなくてよい。

考えた跡を消さなくてよい。

どこで違ったのかを一緒に探せる。

必要な部分を教わったあと、もう一度自分で取り組める。

その経験を重ねられることです。

間違いは、消して見えなくするものではありません。

次にできるようになるための手がかりです。

ときわの塾では、答えの正誤だけではなく、子どもが問題へ取り組むときの姿勢や動き、ノートに残された思考の跡まで確認します。

質問することが苦手な子にも、いきなり自分から動くよう求めるのではなく、質問できるまでの段階を作ります。

点数だけを追いかけるのではなく、点数につながる行動を育てる。

間違いを隠さず、次の学習に使えるようになることも、大切な学ぶ土台の一つです。

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