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2026年6月20日

「勉強しなさい」と言っても動かない子へ|始めやすくなる声かけ

ときわの塾先生のブログ

「早く宿題をしなさい」

「いつになったら始めるの?」

「何回言えば分かるの?」

勉強を始めないお子さまを見ていると、ついこのように言いたくなることがあります。

保護者の方も、怒りたいわけではありません。

宿題を忘れて困ってほしくない。夜遅くなって睡眠時間を削ってほしくない。今のうちに勉強する習慣を身につけてほしい。

そう思って声をかけているのに、子どもは動かない。強く言うと反発し、しばらくするとまた同じやり取りになることがあります。

「勉強しなさい」と言っても動かないとき、必要なのは、単に優しい言葉へ言い換えることだけではありません。

なぜ始められないのかを確認し、次に何をすればよいかが分かる言葉へ変える方法を、ときわの塾が解説します。

「勉強しなさい」だけでは次の行動が分かりません

大人にとって「勉強しなさい」は、分かりやすい指示に思えます。

しかし、子どもにとっては範囲が広すぎることがあります。

勉強とは、何をすることなのか。

学校の宿題なのか。

漢字の練習なのか。

算数の問題集なのか。

テスト勉強なのか。

何時から始めるのか。

どの教材を開けばよいのか。

どこまで取り組めば終わりなのか。

これらが決まっていない状態で「勉強しなさい」と言われても、最初の行動を決められない子がいます。

分かっているのに動かない場合もありますが、「やらなければならないことは分かっているけれど、何から始めればよいか整理できていない」ということもあります。

始めない理由は、やる気だけではありません

勉強を始めない姿を見ると、「やる気がない」と感じるかもしれません。

しかし、実際にはいくつかの理由が考えられます。

  • 何の宿題があるか整理できていない
  • 教材や筆記用具を準備していない
  • 宿題の量が多く、見るだけで嫌になっている
  • 最初の問題から分からないと思っている
  • 学校や習い事で疲れている
  • ゲームや動画を途中でやめる時刻を決めていない
  • 始めてもできなかった経験が続いている
  • 保護者に言われてから動くことが習慣になっている

理由が違えば、必要な声かけも変わります。

何をすればよいか分からない子に「早くしなさい」と繰り返しても、最初の一歩は見えません。

最初から難しいと思っている子には、開始時刻を伝えるだけでは足りません。

まず、どこで止まっているのかを確かめます。

最初に「何が残っている?」と確認します

勉強を始めていないときは、いきなり「勉強しなさい」と言う前に、今日することを確認します。

例えば、

「今日は何の宿題が残っている?」

「算数と漢字なら、どちらから始める?」

「最初に開くのはどのページ?」

と聞きます。

大切なのは、保護者の方がすべての順番を決めることではありません。

子ども自身が、

「算数のプリントが一枚ある」

「漢字から始める」

「教科書の35ページを開く」

と、最初の行動を言葉にできるようにします。

何をするかが決まれば、「勉強」という大きな指示が、実際に動ける一つの行動へ変わります。

「今すぐ」ではなく始める時刻を決めます

ゲームや動画、遊びをしている途中に、突然「今すぐ勉強しなさい」と言われても、気持ちを切り替えにくい子がいます。

その場合は、

「何時から始める?」

「この動画が終わったら始める? それとも17時からにする?」

と、始める時刻を決めます。

ただし、毎回選択肢を出し続け、約束した時刻になっても何度も延ばすのであれば、選ぶこと自体が目的になっています。

決めた時刻になったら、

「17時になったよ。最初に決めた漢字から始めよう」

と、約束した行動を確認します。

「早くしなさい」ではなく、本人が決めた時刻と最初の課題を言葉にします。

課題が大きすぎるときは、最初だけ小さくします

宿題の量が多いと、始める前から「全部は無理」と感じることがあります。

そのようなときは、最初から全体を見せ続けるのではなく、取り組む範囲を小さくします。

例えば、

「まず漢字を三つ書こう」

「算数の一問目だけ読もう」

「最初の10分は、このプリントをしよう」

と伝えます。

ここで大切なのは、宿題をしなくてよいことにするのではありません。

最初の一歩を小さくして、取りかかれる状態を作ることです。

始めた後に集中できれば、そのまま続けられる子もいます。難しい場合は、一つのまとまりが終わったところで次を確認します。

分からないから始められない子もいます

教材を開いても、最初の問題から分からないと思っていると、勉強を始めること自体が嫌になる場合があります。

そのようなときに、

「とにかくやりなさい」

と伝えても、分からない問題の前で止まるだけです。

まず、

「どの問題から難しいと思っている?」

「問題文は読めそう?」

「自分でできそうな問題はどれ?」

と確認します。

分からない問題を保護者の方が最後まで教える必要はありません。

自分でできる問題から始め、分からない問題には印を付けて、学校や塾で何を質問するか整理できれば十分です。

「全部終わらせなければ始める意味がない」と考えず、現在一人でできるところから始めます。

始めた後は、静かに見守る時間も必要です

ようやく勉強を始めた後、

「字をきれいに書きなさい」

「そこ、間違っているよ」

「もっと集中して」

と続けて声をかけると、子どもは「始めても注意される」と感じることがあります。

危険なことや、明らかに約束から外れていることを除けば、始めた直後は少し見守ります。

間違いがあっても、まず本人が考え、答え合わせで気づく機会があります。

保護者の方が横で正解へ導き続けると、宿題は完成しても、どこまで一人でできたのかが分からなくなります。

始めるまでの整理を手伝った後は、教える役目まで抱え込まなくても大丈夫です。

終わった後の言葉は「頑張ったね」だけにしません

勉強が終わった後は、結果や時間だけではなく、実際にできた行動を伝えます。

例えば、

「17時から始めると決めて、自分で始められたね」

「分からない問題を適当に埋めず、印を付けられたね」

「途中で止まったけれど、問題文を読み直していたね」

「間違えた問題を、答えを閉じてもう一度解けたね」

という伝え方です。

漠然と「すごいね」「頑張ったね」と褒めるだけでは、何がよかったのか分からないことがあります。

改善した行動を事実として伝えると、子ども自身が次も何をすればよいか分かります。

勉強を始める前の声かけと、終わった後の声かけは役割が違います。

始める前は、次の一つの行動を明確にする。

終わった後は、自分でできた行動を具体的に認める。

この二つを分けて考えます。

「今日は何ができるようになった?」は勉強後に使います

元の記事では、「勉強しなさい」の代わりに、

「今日は何ができるようになった?」

と聞くことを提案していました。

この質問は、勉強を振り返るときには役立ちます。

しかし、まだ何も始めていない子に聞いても、次の行動にはつながりません。

勉強前なら、

「何の宿題が残っている?」

「どちらから始める?」

「最初に何を開く?」

と聞きます。

勉強後なら、

「今日は何が一人でできるようになった?」

「どの問題で工夫した?」

「明日、先生に聞きたいことはある?」

と確認します。

声かけを一つの決まり文句にするのではなく、子どもが今どの段階で止まっているかに合わせます。

毎日言わなければ動かない場合は仕組みを見直します

声かけを変えても、保護者の方が毎日、教材、開始時刻、順番をすべて確認しなければ動けない状態が続くことがあります。

その場合は、言葉だけではなく、勉強を始める仕組みも見直します。

  • 学校から帰ったら宿題を一か所へ置く
  • 始める時刻を曜日ごとに決める
  • 最初に取り組む教材を決めておく
  • 筆記用具を同じ場所へ準備する
  • 終わったものを確認できる表を作る
  • 分からない問題を質問する場所を決める

毎日その場で考えることを減らすと、声をかけられる前に動きやすくなります。

最初は保護者の方と一緒に準備しても構いません。ただし、いつまでも代わりに管理するのではなく、少しずつ本人が確認する部分を増やします。

保護者の方が毎日指導役になる必要はありません

「勉強しなさい」と言う回数が増えると、保護者の方も疲れます。

強く言ってしまった後に、言いすぎたと後悔することもあると思います。

しかし、同じ言葉を繰り返してしまうからといって、保護者としての関わりが足りないわけではありません。

家庭で、勉強の内容まですべて教える必要もありません。

ご家庭では、

  • 今日することを整理する
  • 始める時刻を決める
  • 最初の行動を確認する
  • 分からない場所を学校や塾へ伝えられる形にする
  • 改善した行動を具体的に認める

ところまでで十分なことがあります。

問題の解き方を教えることや、学習中の行動を直すことは、学校や塾へ任せられます。

「勉強しなさい」を具体的な一言へ変えてみてください

「勉強しなさい」という言葉そのものが、いつでも悪いわけではありません。

その一言で、自分から取りかかれる子もいます。

しかし、何度言っても動かない場合は、注意の強さを増やす前に、子どもがどこで止まっているのかを確認してください。

何をするか分からないのであれば、

「最初に何を開く?」

始める時刻を決めていないのであれば、

「何時から始める?」

量を見て止まっているのであれば、

「まずどこまでなら始められそう?」

分からない問題が不安なのであれば、

「自分でできそうなのはどこ?」

と聞きます。

会話を変えることだけで、子どもが急に自分から勉強するようになるわけではありません。

しかし、「勉強しなさい」という広い指示を、次にできる一つの行動へ変えることで、始められない原因を見つけやすくなります。

ときわの塾では、子どもが動かないことを、やる気だけの問題にはしません。

何をすればよいか分かっているか。

最初の問題に取り組める状態か。

分からないときに質問できるか。

始めた後、一人で学習を進められるか。

実際の行動を見ながら、次に変えることを一つずつ考えています。

まずは今日、「勉強しなさい」と言いそうになったときに、

「最初に何を開く?」

と聞くところから始めてみてください。

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