中学受験で親子げんかが増えたら|家庭で教えすぎないための役割分担
「勉強しなさいと言うたびに、子どもが反発します」
「宿題を見ていると、できていないところばかり気になってしまいます」
中学受験が始まってから、勉強をめぐる親子げんかが増えたというご相談をいただくことがあります。
保護者の方も、怒りたいわけではありません。お子さまに頑張ってほしい、受験で後悔してほしくないと思うからこそ、宿題の進み方や間違いが気になります。
しかし、家庭で保護者の方が指導役まで引き受けると、親子ともに休める場所がなくなることがあります。
親子げんかが増えたとき、家庭と塾の役割をどのように分ければよいのでしょうか。ときわの塾が解説します。

注意することが増えると親子の立場が変わります
中学受験を始める前は、家庭で学校の出来事や友達の話をしていた親子でも、受験勉強が始まると会話の内容が変わることがあります。
「宿題は終わったの?」
「どうして、また同じ問題を間違えたの?」
「この点数で大丈夫なの?」
勉強について確認することが増え、気づけば会話の多くが注意や指示になってしまいます。
保護者の方は必要なことを伝えているつもりでも、お子さまには「またできていないと言われた」と聞こえることがあります。
その状態が続くと、勉強の話を始めただけで反発したり、黙り込んだりするようになります。
子どもも困っていることを説明できない場合があります
宿題が終わらない子が、必ずしも遊びたいだけとは限りません。
問題文の意味が分からない。
解き方を思い出せない。
どこから復習すればよいか分からない。
間違えることが続き、問題を見るのが嫌になっている。
このような状態でも、子ども自身が原因を整理して説明できるとは限りません。
保護者の方から理由を聞かれても、うまく答えられず、「分からない」「うるさい」と返してしまうことがあります。
そこで強く注意しても、困っている原因が解決しなければ、同じことが繰り返されます。
家庭で教えるほど反発することがあります
保護者の方が正しい方法を説明しても、お子さまが素直に聞くとは限りません。
家庭には、勉強以外のやり取りもあります。
朝の準備、片づけ、ゲーム、食事、就寝時間など、日常の注意が重なっています。そのため、勉強について正しいことを伝えても、子どもは内容より先に「また注意された」と感じることがあります。
また、保護者の方には途中の考え方まで見えてしまうため、子どもが考えている最中に、
「そこは違う」
「さっきも説明したでしょう」
と、先に声をかけてしまうこともあります。
親子だからこそ、教える側も教わる側も感情が入りやすいのです。
厳しく伝える役目は塾が引き受けます
私は、家族が勉強で不幸せになるくらいなら、塾が悪者になればよいと思っています。
塾では、子どもたちに厳しく伝えることもあります。
問題を最後まで読まなかったとき。
教わった方法を試さず、自己流に戻ったとき。
間違いの原因を確認せず、答えだけを書き直したとき。
できる問題だけを選び、必要な練習から逃げたとき。
その場で見ているからこそ、何ができていて、どの行動を直す必要があるのかを具体的に伝えられます。
子どもから「塾はしんどい」と思われる役目は、私が引き受けます。
だから、ご家庭で保護者の方まで同じ役目を担う必要はありません。
家庭では結果より改善した行動を見てください
家庭では、点数や正解数だけでなく、以前より変わった行動を見てあげてください。
例えば、
- 声をかけられる前に勉強を始めた
- 問題文を最後まで読んだ
- 分からない問題をそのままにしなかった
- 自分から質問できた
- 間違えた問題をもう一度解いた
- 前日より集中して取り組めた
このような変化です。
「全部できたね」と無理に褒める必要はありません。
「昨日より早く始められたね」
「今日は最後まで読めていたね」
と、実際に改善した行動をそのまま伝えるだけで十分です。
何を頑張ればよいのかが分かれば、子どもは次も同じ行動を続けやすくなります。
親子げんかが増えたときに確認したいこと
勉強をめぐる言い争いが増えたときは、次のことを確認します。
- 家庭で勉強を教える時間が増えていないか
- 会話の多くが宿題や成績の確認になっていないか
- 子どもが困っている原因を説明できているか
- 保護者と塾から違う方法を教えられていないか
- 点数以外の改善した行動を見ているか
- 睡眠や休息が不足していないか
すべてを家庭だけで解決しようとすると、保護者の方にも負担がかかります。
宿題が進まない理由や、同じ間違いを繰り返す原因は、実際に勉強している様子を見なければ分からないことがあります。
その部分は、塾に任せてください。
家庭には子どもの味方でいてほしいと思っています
中学受験では、できないことや苦手なことにも向き合わなければなりません。
子どもにとって楽なことばかりではありません。
だからこそ、塾では「できること+α」に挑戦させます。必要であれば、厳しいことも伝えます。
一方で、家庭には安心して戻れる場所であってほしいと思っています。
「頑張っているね」
「昨日より変わったね」
そのように努力を見てくれる人がいることは、子どもが次の課題へ向かう力になります。
親子げんかが増えたときは、保護者の方の関わりが間違っていると考える必要はありません。
家庭で指導役まで抱え込んでいないかを確認し、厳しく伝える役目を塾へ戻してください。
家庭と塾が同じ役目をするのではなく、それぞれの立場から子どもを支えることが、受験を続ける力につながります。
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