問題を見る前から「分からない」と止まる子へ|説明が入らない原因
この記事の内容
問題を見るとすぐに「分からない」と止まる子には、その場で詳しく説明しても内容が入らないことがあります。ときわの塾で実際に子どもの表情を見ながら行っている、「分かるかもしれない」と思える状態をつくってから説明する指導について解説します。
「この問題、分かりません」
そう言って、子どもが問題を持ってくることがあります。
そのとき、私は最初から問題を見るとは限りません。
まず見るのは、子どもの表情です。
問題ではなく、最初に子どもの顔を見ます
ときわの塾では、子どもたちに、
「分からないことは、100回でも聞いておいで」
と伝えています。
それでも、質問に来た子が眉間にしわを寄せ、口元を下げていることがあります。
まだ説明を始めていないのに、
「どうせ分からない」
「聞いてもできるようにならない」
「自分には無理」
と決めつけているような表情です。
私は、この状態を子どもたちに、
「顔が×になっているよ」
と伝えています。
私に怒っているわけではありません。
問題に取り組む前から、自分にはできないと判断してしまっているのです。
「分からない」の原因が問題とは限りません
子どもが「分からない」と言ったとき、私たちは問題の解き方を説明しようとします。
しかし、本人が説明を受け入れられる状態になっていなければ、詳しく教えても内容が入りません。
説明を聞きながら、
「やっぱり難しい」
「こんなの覚えられない」
「自分にはできない」
と考えているからです。
この状態では、説明の内容よりも「自分には無理」という気持ちのほうが強くなっています。
分からないことだけが問題なのではありません。
説明を聞く前から、「分からない」と決めつけていることが、学習を止めている場合があります。
顔が×なら、すぐには説明しません
子どもの顔が×になっているとき、私はすぐに解き方を説明しないことがあります。
「今日は説明するより、まずこの問題に慣れてみよう」
と伝え、問題を一度見てもらいます。
次の通塾でもう一度見てもらい、その次にも目を通してもらいます。
無理に解かせるわけではありません。
答えを覚えさせるわけでもありません。
見たことのない問題に対する不安を、少しずつ小さくするためです。
何度か同じ問題を見ていると、子どもの表情が変わることがあります。
最初は「絶対に無理」という顔だった子が、
「前にも見たことがある」
「少しなら分かるかもしれない」
という顔になります。
私は、その変化を待ってから説明します。
「分かるかもしれない」と思ったときに説明します
問題の内容は変わっていません。
説明する先生も同じです。
それでも、子どもが「分かるかもしれない」と思える状態になると、説明の入り方が変わります。
話を最後まで聞ける。
先生のやり方を試してみる。
途中で分からなくなっても、すぐには諦めない。
教わったあと、自分でもう一度解いてみる。
このような学習行動ができるようになります。
教え方だけでなく、教えるタイミングも大切なのです。
今日できなくても、必要な日までにできればよい
私は子どもたちに、
「今日できなくても大丈夫」
とよく伝えています。
勉強は、その日にすべて理解しなければならないものではありません。
入試や検定、学校のテストなど、必要な日までに一人で解けるようになればよいのです。
一度説明して分からなければ、また次に取り組めばよい。
今日は問題を見るだけでもよい。
次は、分かるところを探せばよい。
その次に、教わった方法を試せばよい。
このように時間をかけることで、「絶対に無理」だった問題が、「もしかしたらできるかもしれない」に変わることがあります。
子どもの表情は、つまずいている場所を教えてくれます
「顔が×」になっていることは、悪いことではありません。
子どもが、
「今は説明を受け入れられる状態ではありません」
「この問題を自分には無理だと思っています」
と教えてくれているサインです。
そのサインを見ずに説明を続けても、子どもはますます「聞いても分からない」と感じてしまいます。
だからこそ、ときわの塾では、問題の正解や不正解だけでなく、問題を見たときの表情や、説明を聞くときの様子も見ています。
分からない問題をすぐに解決することだけが指導ではありません。
子どもが「分かるかもしれない」と思える状態をつくり、教わったことを自分で試せるようにすることも大切な指導です。
問題を見る前から「分からない」と止まってしまう子には、説明を増やす前に、説明が入る状態になっているかを確かめる必要があります。

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