テストの点数が悪かったとき、親は何と言う?|次につなげる声かけ
悪い点数のテストを持ち帰った子に、最初に何と言えばよいのでしょうか。「どうしてこんな点数なの」と原因を尋ねても、子どもが言い訳を始めたり、黙り込んだりすることがあります。点数だけで終わらせず、答案を次の学習に使うための声かけと振り返り方を、ときわの塾が解説します。

悪い点数の答案を、なかなか見せようとしません
テストが返ってきた日、お子さまが答案をなかなか見せようとしないことはありませんか。
カバンの奥に入れたままにする。
「どこに置いたか分からない」と言う。
点数を聞いても、別の話へ変えようとする。
「あとで見せる」と言って、そのまま出さない。
このような姿を見ると、保護者の方も、
「また悪かったのではないか」
「どうして早く見せないの」
「これだけ勉強したのに、なぜできなかったの」
と言いたくなるかもしれません。
しかし、思うような点数を取れなかったときこそ、最初の声のかけ方が大切です。
点数を見て叱って終わるのでも、良かったところだけを探して終わるのでもありません。
答案から、
- 以前よりできるようになったこと
- 今回できなかったこと
- 次のテストまでに変える行動
を分けて確認します。
最初に「なぜ、この点数なの?」とは聞きません
良い点数の答案なら、子どもは自分から見せやすいものです。
一方、思っていた点数を取れなかった場合は、
「怒られるかもしれない」
「がっかりされるかもしれない」
「勉強していなかったと思われるかもしれない」
と考え、見せにくくなることがあります。
そのような状態で答案を出した子に、最初から、
「なぜ、こんな点数なの?」
「前にも同じことを言ったでしょう」
「本当に勉強したの?」
と尋ねると、子どもの意識は間違いの原因ではなく、怒られないための説明へ向かう場合があります。
「時間がなかった」
「みんなも悪かった」
「問題が難しかった」
「習っていないところが出た」
という言葉が増え、答案の中身を一緒に確認しにくくなります。
だから私は、最初に点数の理由を問い詰めるのではなく、
「持ってきてくれてありがとう」
「まず、答案を一緒に見てみよう」
と伝えます。
これは、悪い点数を褒めているのではありません。
見せにくい結果でも隠さず、振り返るために持ってきた行動を受け止めています。
落ち込んでいるときは、すぐに振り返らなくても構いません
答案を返された直後は、子ども自身も点数に驚いたり、落ち込んだりしていることがあります。
その状態ですぐに、
「どこを間違えたの?」
「次はどうするの?」
と続けても、落ち着いて考えられない場合があります。
まず、
「思っていた点数ではなかったんだね」
「今日は答案を見せてくれてありがとう」
と受け止めます。
そのうえで、
「今、一緒に見る?」
「少し落ち着いてから見る?」
と尋ねても構いません。
振り返りを先延ばしにしたまま忘れるのではなく、その日の夕方や翌日など、確認する時間を決めます。
大切なのは、返却された瞬間にすべてを話し合うことではありません。
子どもが答案を見ながら考えられる状態で振り返ることです。
点数を見ないのではなく、点数だけで終わらせません
テストの点数は大切です。
どこまで正解できたのかを示す、分かりやすい結果です。
しかし、同じ60点でも、その内容は子どもによって異なります。
以前できなかった文章題が解けるようになった一方で、計算ミスが増えた60点かもしれません。
基礎問題は正解できたものの、時間が足りず、後半が空白になった60点かもしれません。
前回と同じ単元でつまずいた60点かもしれません。
勉強していた範囲は正解できたものの、確認していなかった範囲で失点した60点かもしれません。
点数だけでは、何が変わり、何がまだ残っているのかまでは分かりません。
そのため、ときわの塾では点数を確認したあと、答案の中身を見ます。
最初に、以前よりできるようになったところを確認します
子どもは、返された答案を見ると、間違えた問題へ先に目を向けることがあります。
思っていた点数でなければ、
「全部できなかった」
「勉強しても意味がなかった」
と感じることもあります。
しかし、一問ずつ見ると、以前はできなかった問題が正解できている場合があります。
例えば、
- 前回間違えた小数の計算ができている
- 苦手だった文章題で式を立てられている
- 問題文の条件に線を引けている
- 国語の記述を空白にせず、自分の言葉で書いている
- 漢字の正解が前回より増えている
- 必要な途中式を残せている
- 難しい問題を後回しにして、最後まで進めている
このような変化があれば、具体的に伝えます。
「この問題、前回は困っていたけれど、今回はできているね」
「今回は、問題文の条件を確認してから解けているね」
「この記述は正解ではなかったけれど、根拠を探して書こうとしているね」
結果を無理に良く見せるためではありません。
何の練習が身につき、何がまだ身についていないのかを正確に確認するためです。
良かったところを探して終わるわけではありません
以前よりできるようになったところを確認するのは、悪い点数から目をそらすためではありません。
できなかった問題も、そのあとで確認します。
大切なのは、
「良かったところがあったから大丈夫」
で終わらせないことです。
同時に、
「点数が悪かったから、何も身についていない」
と決めないことです。
できるようになった部分と、まだできなかった部分の両方を見ます。
そうすることで、
「取り組んだことのどこが結果につながったのか」
「次は何を変える必要があるのか」
を考えられます。
「頑張ったのに点数が悪かった」を具体的にします
思うような点数ではなかった子に、
「頑張ったから大丈夫」
と伝えるだけでは、次の改善方法は分かりません。
反対に、
「点数が悪いから、勉強していなかった」
と決めるのも正確ではありません。
必要なのは、テスト前に取り組んだことと答案を照らし合わせることです。
- 練習した問題は正解できたのか
- 覚えたつもりの内容を、何も見ずに確認していたか
- 問題集では解けたのに、テストでは思い出せなかったのか
- 問題文を読み違えたのか
- 時間配分に問題があったのか
- 見直しで直せる間違いだったのか
- 理解できていない単元が残っていたのか
「頑張った」「頑張っていない」という大きな言葉だけでは、次に何をすればよいか分かりません。
どの取り組みが結果につながり、何が足りなかったのかを具体的にします。
まず、子ども自身の考えを聞きます
答案を見ると、大人は間違えた原因に気づくことがあります。
しかし、すぐに、
「問題文を読んでいなかったからでしょう」
「見直しをしなかったからでしょう」
と原因を決めるのではなく、まず子どもに尋ねます。
「この問題は、どう考えたの?」
「どこで困った?」
「時間は足りた?」
「自分では、何が原因だと思う?」
子どもから、
「急いで読んでいた」
「公式を覚えたつもりになっていた」
「一問に時間を使いすぎた」
「途中で何を求めるのか分からなくなった」
という話が出ることがあります。
自分の答案を見て、起きたことを自分の言葉で説明することも振り返りの一部です。
子どもの説明と答案の事実が合わない場合は、そのあとで一緒に確認します。
間違いを原因ごとに分けます
間違えた問題を、すべて同じように解き直せばよいとは限りません。
原因によって、次に必要な練習が変わるからです。
知識を覚えられていなかった
漢字、用語、公式、計算方法などを思い出せなかった場合です。
必要な知識へ戻り、答えを見ずに再現できるか確認します。
解き方を一人で再現できなかった
説明を聞いたときや例題を見ているときは分かっていても、何も見ずに一人で解けなかった場合です。
例題を確認したあと、閉じて解き直します。
問題文を読み違えた
「正しいもの」を選ぶ問題で「誤っているもの」を選んだり、必要な条件を見落としたりした場合です。
知識を増やすだけではなく、何を聞かれているか確認する行動を改善します。
途中式や考えた跡が残っていなかった
暗算や頭の中だけで進めたため、どこで間違えたのか確認できなかった場合です。
自分で見直せるように、必要な途中式や印を残します。
時間が足りなかった
解ける問題へ時間を使いすぎたのか、難しい問題で長く止まったのかを確認します。
解く順番や、一度飛ばす判断を練習します。
見直しの方法が決まっていなかった
「見直しをした」と本人は思っていても、答案を眺めただけの場合があります。
問題番号、単位、計算、聞かれていることなど、何を確認するか決めます。
原因が違えば、次にすることも変わります。
点数が悪かったからといって、すぐに問題集や勉強時間を増やすのではなく、何を改善する必要があるのかを確認します。
次に変える行動は、一つか二つに絞ります
間違いが多い答案を見ると、
「もっと勉強する」
「次は全部頑張る」
と決めたくなります。
しかし、それだけでは次の行動が分かりません。
例えば、
- 問題文の「何を聞かれているか」に線を引く
- 計算問題では途中式を残す
- 漢字は答えを見ずに書けるか確認する
- 分からない問題で長く止まらず、いったん次へ進む
- 解き終えたら、単位と問題番号を確認する
というように、実際にできる行動へ変えます。
一度にすべてを直そうとせず、次のテストで優先することを一つか二つに絞ります。
次回は点数だけでなく、その行動を自分で実行できたかも確認します。
点数がすぐに上がらなくても、必要な行動ができるようになっていれば、改善は始まっています。
家庭では三つに分けて見てください
テストが返ってきたときは、次の三つに分けると振り返りやすくなります。
1.前よりできるようになったこと
以前はできなかった問題や、改善した学習行動を探します。
2.今回できなかったこと
間違えた問題や空白になった問題を確認し、子どもから困ったことを聞きます。
3.次に変えること
原因を考え、次のテストまでに変える行動を一つか二つ決めます。
すべての間違いを家庭で細かく分析し、保護者の方が教え直す必要はありません。
子どもが説明できない問題や、原因を判断しにくい問題には印を付け、そのまま塾へ持ってきてもらって構いません。
家庭では答案を隠さず話せる状態をつくり、詳しい学習内容は塾で確認するという役割分担もできます。
良い点数のときも、同じ順番で振り返ります
振り返りは、点数が悪かったときだけ行うものではありません。
良い点数だったときも、
「何ができるようになったのか」
「まだ間違えたところはどこか」
「次も続ける行動は何か」
を確認します。
悪い点数のときだけ答案を詳しく見て注意されると、子どもにとってテストは「失敗したときに怒られるもの」になってしまいます。
点数にかかわらず毎回同じ順番で見ることで、答案を次の勉強方法を考える材料として扱えるようになります。
答案には、次に変える行動が残っています
点数は、今回の結果です。
答案には、その結果に至るまでの子どもの理解や行動が残っています。
以前よりできるようになった問題。
まだ理解できていなかった問題。
読み違えた跡。
途中式を書かずに間違えた計算。
時間が足りずに残った空白。
これらを確認することで、次のテストまでに何を変えればよいかが見えてきます。
大切なのは、
できるようになったこと
→今回できなかったこと
→次に改善する行動
の順番で見ることです。
ときわの塾では、点数だけで一喜一憂するのではなく、答案から事実を整理し、原因を考え、次の行動を決めます。
返ってきたテストを、怒られる材料や落ち込む材料で終わらせず、次の学習に使う。
その振り返りも、教わったことを自分の力へ変える「学ぶ土台」の一つだと考えています。
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