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2026年6月20日

中学受験の問題集を増やす前に|志望校との差を確かめる3つの視点

ときわの塾先生のブログ

「毎日勉強しているけれど、このままで志望校に届くのだろうか。」

このような不安を感じたとき、すぐに問題集を増やしたり、難しい問題へ進んだりする必要があるとは限りません。

まず確認したいのは、志望校でどのような力が求められているのか。そして、お子さまが何も見ずに、どこまで一人でできるのかです。

志望校と現在地の差をどのように確かめ、次に取り組む課題を決めればよいのか。ときわの塾が解説します。

「毎日きちんと勉強しています。でも、このまま続けて志望校に届くのでしょうか。」

中学受験を考えている保護者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。

お子さまは宿題に取り組み、問題集も進めている。

それでも、今の勉強が志望校の入試につながっているのか分からないと、不安になるのは当然です。

そのようなとき、

「問題集をもう一冊増やした方がよいのではないか」

「もっと難しい問題へ進まないといけないのではないか」

と考えることがあります。

しかし、このようなご相談を受けたとき、私はすぐに「問題集を増やしましょう」とはお答えしません。

まず確認するのは、次の二つです。

  • 志望校では、どのような力が求められているのか
  • お子さまは、その力をどこまで一人で使えるのか

志望校対策は、難しい問題を増やすことではありません。

志望校で求められる力と、現在のお子さまの学習状況を照らし合わせ、優先して取り組む内容を決めることです。

中学入試は学校によって問題が違います

同じ中学受験でも、学校によって問題の構成、難度、解答形式は異なります。

例えば算数でも、

  • 計算や基本問題を正確に解くことが重要な学校
  • 文章から複数の条件を整理する力が必要な学校
  • 図や表を使って考える問題が多い学校
  • 途中の考え方や式を書く必要がある学校
  • 限られた時間で多くの問題を処理する学校

など、求められる力は同じではありません。

国語でも、

  • 文章全体を正確に読む力
  • 本文から根拠を探す力
  • 選択肢の違いを見分ける力
  • 指定された字数でまとめる力
  • 自分の言葉で説明する力

など、学校によって重視される部分が異なります。

そのため、どの学校を目指す場合でも、同じ問題集を同じ順番で進めればよいとは限りません。

志望校で必要とされる力を確認せずに教材だけを増やすと、必要性の低い問題に多くの時間を使ってしまうこともあります。

「難しい問題を増やす」が志望校対策とは限りません

志望校のことを考えるほど、

「もっと難しい問題を解かせた方がよいのではないか」

「上のレベルの問題集へ進まないと間に合わないのではないか」

と不安になることがあります。

しかし、難しい問題を増やす前に確認したいことがあります。

基本問題の途中で計算を間違えていないか。

問題文の条件を読み落としていないか。

習った解き方を、自分で思い出せるか。

解説を見たあと、何も見ずに一人で解き直せるか。

別の問題でも、同じ考え方を使えるか。

こうした部分が曖昧なまま問題の難度だけを上げても、解けない問題が増えるだけになることがあります。

難しい問題を教わったときには理解できても、翌日に一人で解けなければ、まだ自分で使える方法にはなっていません。

反対に、基本問題の正確さや問題文の読み方を改善することが、志望校の得点へ直接つながる場合もあります。

大切なのは、「難しいか、易しいか」だけではありません。

その問題に取り組む目的が明確になっているか

を確認することです。

問題集を増やす前に、今ある問題をどこまで使えるかを見ます

新しい問題集を始めると、勉強が進んでいるように感じることがあります。

しかし、すでに取り組んだ問題集の中に、

  • 解説を見ながら答えを書いた問題
  • 正解したものの、理由を説明できない問題
  • 翌日には解き方を忘れていた問題
  • 数字や言葉が変わると解けない問題
  • 間違えたまま直していない問題

が残っていることもあります。

この状態で新しい問題集へ進んでも、「一度見た問題」が増えるだけで、「一人で解ける問題」が増えるとは限りません。

問題集を何冊終えたかよりも、学んだ考え方を次の問題でも使えるかを確認します。

今ある問題集で、

  • 問題文を最後まで読む
  • 必要な条件を整理する
  • 使う考え方を選ぶ
  • 途中式や図を書く
  • 解いたあとに確かめる
  • 間違えた原因を確認する
  • 何も見ずに解き直す

という行動ができているかを見る方が先です。

模試の判定だけでは、次に何をするかまでは決まりません

模試の判定は、志望校までの距離を知る一つの材料になります。

ただし、同じ点数や同じ判定でも、得点できなかった原因は子どもによって異なります。

例えば算数の点数が同じでも、

  • 解き方を知らなかった
  • 問題文の条件を読み落とした
  • 式は立てられたが計算を間違えた
  • 一つの問題に時間をかけすぎた
  • 見直しをせずに失点した
  • 難しい問題を優先し、基本問題を残した

では、次に必要な勉強は違います。

解き方を知らなかったのであれば、その単元の理解が必要です。

条件を読み落としたのであれば、問題文の読み方や整理の仕方を見直します。

計算間違いであれば、難しい問題を増やす前に、途中式や見直し方を確認します。

時間の使い方に原因があるなら、問題を解く順番や、いったん次へ進む判断も必要です。

判定だけを見て学習量を増やすのではなく、どの問題で、どのような行動によって失点したのかを確認することが大切です。

志望校に合った勉強かを確かめる3つの視点

現在の勉強が志望校に合っているかを確認するときは、次の3つに分けて考えます。

1.志望校では何が求められているか

まず、過去の入試問題などから、問題の構成、難度、解答形式、時間配分を確認します。

単に、

「算数が難しい」

「国語の文章が長い」

と捉えるだけでは、次に何を勉強すればよいのかは分かりません。

算数であれば、

  • どの単元がよく出ているか
  • 基本問題をどこまで正確に取る必要があるか
  • 図や条件を整理する問題が多いか
  • 考え方や途中式を書く必要があるか
  • どの程度の速さが必要か

を具体的に見ます。

国語であれば、

  • 文章量はどれくらいか
  • 記述問題はどの程度出るか
  • 選択問題では何を見分ける必要があるか
  • 語句や漢字でどこまで得点する必要があるか

などを確認します。

すべての問題を解けるようにするのではなく、どの問題で得点する必要があるのかを考えることが大切です。

2.お子さまはどこまで一人でできるか

次に、先生の説明を聞けば分かるかではなく、何も見ずにどこまで取り組めるかを確認します。

  • 問題文を正しく読める
  • 必要な条件を整理できる
  • 解き方を選べる
  • 図や式に表せる
  • 最後まで正確に計算できる
  • 時間内に解ける
  • 解いたあとに見直せる
  • 別の問題でも同じ考え方を使える

このうち、どこで手が止まるかを見ます。

正解か不正解かだけでは、現在地を正確に判断できません。

偶然正解した問題でも、考え方を説明できなければ、次の問題では使えないことがあります。

反対に、不正解であっても、考え方は合っており、最後の計算だけを間違えている場合もあります。

その違いによって、次に必要な学習は変わります。

3.今、何を優先して改善するか

課題がいくつも見つかっても、すべてを同時に直そうとはしません。

志望校で必要になる力と現在の状況を照らし合わせ、優先順位を決めます。

例えば、

  • 計算の正確さを先に整える
  • 問題文から条件を取り出す練習をする
  • 大きくつまずいている単元へ戻る
  • 教わった問題を何も見ずに解き直す
  • 時間を測って解く練習を始める
  • 解く問題と後に回す問題を判断する

などです。

必要な取り組みは、お子さまと志望校の組み合わせによって変わります。

他の子が使っている問題集が、そのままお子さまにも必要とは限りません。

今の課題を改善するために必要な問題を選ぶことが、問題集の冊数を増やすことよりも重要です。

ご家庭では、問題集の分析までしなくて大丈夫です

ご家庭で、入試問題を細かく分析したり、すべての学習計画を立てたりする必要はありません。

また、お子さまの勉強を横で見続け、細かな行動をすべて記録する必要もありません。

もし確認するなら、

  • どの問題で止まっていたか
  • 解説を読んだあと、一人で解き直せたか
  • 同じ種類の別の問題でも解けたか

という様子だけで十分です。

「この問題で長く止まっていた」

「解説を読んでも分からなかった」

「昨日教わった問題を、今日は一人で解けなかった」

という事実を、指導している先生へ伝えてください。

どこまで理解できているのか。

なぜ一人では解けないのか。

志望校へ向けて、何を優先する必要があるのか。

これらを確認し、教材や学習の順番を考えるのは、指導する側の役割です。

問題集を増やした方がよい場合もあります

問題集を増やすこと自体が悪いわけではありません。

現在の教材で必要な内容を身につけ、次の課題が明確になっているなら、新しい問題集が必要になることもあります。

例えば、

  • 志望校でよく出る単元の練習が足りない
  • 記述問題や途中式を書く問題を追加したい
  • 時間内に処理する練習が必要になった
  • 現在の教材では問題の種類が不足している
  • 過去問へ進む前に、特定の難度を練習したい

という場合です。

このときも、「不安だから増やす」のではありません。

何を身につけるために使うのかを決めてから、必要な教材を選びます。

目的が明確であれば、問題集を最初から最後まで全部解く必要がない場合もあります。

必要な単元や問題を選び、身についたかを確認しながら使います。

ときわの塾では、志望校と子どもの両方を見ます

ときわの塾では、志望校の名前だけを見て、全員に同じ教材や同じ学習量を決めることはしていません。

まず、学習中のお子さまを直接見ます。

問題文をどのように読んでいるか。

どこで手が止まるか。

必要な条件を整理できているか。

説明を聞いたあと、教わった方法を使えるか。

何も見ずに一人で解き直せるか。

別の問題でも同じ考え方を再現できるか。

そのうえで、志望校で求められる力と照らし合わせ、今優先する学習を考えます。

その場で一問正解しただけでは、その考え方が身についたとは判断しません。

先生が隣にいないときにも、自分で考えて解ける状態を目指します。

問題集の冊数を増やす前に、今使っている教材から何を身につけられているのかを確認します。

必要であれば新しい教材を使い、今ある問題を使い直す方がよければ、解き直し方や取り組む順番を変えます。

今の勉強が志望校につながっているかを確かめてください

中学受験では、必要な学習量を確保することも大切です。

しかし、問題集や難しい問題を増やす前に、その勉強が志望校で求められる力につながっているかを確かめる必要があります。

確認したいのは、

  • 志望校では何が求められているのか
  • お子さまはどこまで一人でできるのか
  • 今、何を優先して改善するのか

の3つです。

問題集を何冊終えたかではなく、学んだ方法を何も見ずに使い、別の問題でも再現できるかを見てください。

現在の学習と志望校との間にある課題を、ご家庭だけで整理することが難しい場合は、取り組んでいる教材や模試の答案をもとに、指導している先生へ相談してみてください。

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