「分かった」と言うのに一人で解けない子へ|家庭でできる3つの確認
この記事の内容
子どもが説明を聞いて「分かった」と答えても、一人で解けるようになったとは限りません。説明を隠して解く、自分の言葉で話す、少し違う問題で試すという3つの確認方法を、ときわの塾が解説します。

「教えてもらったときは、できていたはずなのですが……」
西宮市で子どもたちを指導していると、保護者の方からこのようなご相談をいただくことがあります。
授業中は、先生の説明を聞いて問題を解けていた。
家で一緒に解いたときも、子どもは「分かった」と答えていた。
ところが、翌日やテストで同じような問題が出ると、一人では解けない。
このような場合、子どもが説明を聞いていなかったとは限りません。
説明を聞けば分かることと、手がかりのない状態で一人で解けることは同じではありません。
家庭で教えたあとには、「分かった?」と聞くだけでなく、本当に一人で使えるようになったかを確かめる必要があります。
教えてもらって分かることも大切な学習です
ときわの塾は、子どもに答えや解き方を教えてはいけないとは考えていません。
自分で考える時間は必要です。
しかし、まだ習っていない考え方や、今の力では気づくことが難しい問題もあります。
そのような問題を前にして、いつまでも子どもだけで考えさせても、学習が進まないことがあります。
必要なときには、考え方を説明します。
図を使うこともあれば、似た問題を示すこともあります。途中まで一緒に整理することもあります。
問題は、教えることではありません。
説明を聞いて分かったところで、学習を終えてしまうこと
です。
教えたあとは、大人の手がかりがない状態でも、最初から解けるかを確かめます。
教えてもらった直後にできるのは、手がかりが残っているからです
先生や保護者と一緒に問題を解いているとき、子どものそばには多くの手がかりがあります。
例えば、
- 最初に何をすればよいか教えてもらえる
- 大切な数字や言葉を指してもらえる
- 間違えそうになると声をかけてもらえる
- 質問によって、次に使う式へ導いてもらえる
- 途中まで書かれた図や式を見ながら考えられる
という状態です。
子ども自身が考えている部分もありますが、大人が用意した手がかりを使っている部分もあります。
そのため、説明の直後に同じ問題ができただけでは、
「一人でも解けるようになった」
とは、まだ判断できません。
手がかりがなくなったときにも、問題文を読むところから自分で進められるかを確かめる必要があります。
「分かった?」だけでは確認できません
説明のあとに、
「分かった?」
と聞くと、多くの子どもは「分かった」と答えます。
これは、子どもがうそをついているとは限りません。
説明を聞いているときには、本当に分かったように感じていることがあるからです。
大人が説明した順番も、そのときは覚えています。
書かれた式を見れば、何をしているのかも理解できます。
しかし、自分で最初から解こうとすると、
「何から始めるのだったかな」
「どの数字を使うのだったかな」
と手が止まることがあります。
そのため、本人の返事だけでなく、実際の行動で確認します。
家庭でできる三つの確認
ご家庭で勉強を教えたあとには、次の三つを確かめてみてください。
1.説明や途中式を隠して、最初から解けるか
保護者が書いた式や解説、参考にした例題をいったん隠します。
そのうえで、途中からではなく、問題文を読むところからもう一度解いてもらいます。
確認するのは、答えが合ったかだけではありません。
- 何を聞かれているか確認できたか
- 必要な数字や条件を自分で見つけられたか
- 最初に何をするか自分で決められたか
- 教わった方法を使えたか
- 最後まで一人で解けたか
を見ます。
途中で手が止まったときは、「さっき教えたでしょう」と責めるのではなく、どの手がかりがなくなると解けなくなるのかを確かめます。
最初の式を自分で作れないのか。
使う数字を選べないのか。
途中まではできるが、次の手順を思い出せないのか。
止まった場所が分かれば、もう一度説明する部分も絞れます。
2.なぜその方法を使うのか、自分の言葉で話せるか
次に、
「最初に何をする問題だった?」
「どうして、この式になるの?」
「さっき教わったことを、自分の言葉で説明できる?」
と聞いてみます。
子どもが自分の言葉で説明しようとすると、理解できている部分と、まだ曖昧な部分が見えてきます。
きれいな言葉で説明する必要はありません。
「ここをこうして、次にこの数字を使う」
という説明でも、考えた順番が本人の中で整理されていれば構いません。
反対に、式や答えを覚えていても、
「なぜ、そうするの?」
と聞かれたときに説明できなければ、考え方までは整理できていない可能性があります。
分からなかった部分だけを、もう一度確認します。
3.少し違う問題でも同じ方法を使えるか
一度解いた問題は、式や答えを覚えていることがあります。
そのため、同じ問題を解き直せただけでは、教わった方法を使えるようになったとは限りません。
次に、数字や聞かれ方が少し違う問題でも確かめます。
算数の文章題なら、
- 数字だけを変えた問題
- 問われるものを変えた問題
- 文章の順番を変えた問題
などが考えられます。
そこで同じ考え方を自分で選んで使えれば、元の問題の答えを覚えただけではなく、教わった方法を自分のものにし始めています。
問題の見た目が少し変わっただけで解けなくなる場合は、元の式や答えを手がかりにしていた可能性があります。
必要なところへ戻り、もう一度確かめます。
三つすべてを一度に確認する必要はありません
説明を聞いたあとに、毎回三つすべてを確認すると、子どもの負担が大きくなることがあります。
まずは、説明を隠して同じ問題を一人で解けるかを見ます。
それができれば、なぜその方法を使ったのか話してもらいます。
必要であれば、最後に少し違う問題でも確かめます。
問題の難しさや子どもの状態に合わせて、一つずつ進めてください。
家庭で何問も追加する必要はありません。
一問でも、何も見ずに最初から解けるかを確認することに意味があります。
教えすぎないことと、何も教えないことは違います
「自分で考える力を育てる」と聞くと、できるだけ大人が教えず、子どもだけで考えさせる方がよいように感じるかもしれません。
しかし、何も分からない状態で長く待つだけでは、考えるための材料が増えないこともあります。
大切なのは、
- すぐに答えや手順をすべて教える
- 何も教えずに待ち続ける
という二つから選ぶことではありません。
まず、子どもの行動を見ます。
どこまで分かっているのか。
何を試したのか。
どこから手が止まったのか。
それを確認して、必要なところだけ説明したり、ヒントを出したりします。
そして、最後は手がかりを減らし、子ども自身に解いてもらいます。
必要なときには教える。
教えたあとは、一人で再現できるか確かめる。
この両方が必要です。
「できた」と認めるのは、一人で再現できた行動です
解き直しができたときは、
「正解できてすごいね」
と伝えるだけでなく、改善した行動を具体的に認めます。
例えば、
- 説明を隠してから自分で解けた
- 最初に何をするか自分で決められた
- さっき教わった方法を使えた
- 分からなくなった場所を言葉にできた
- 少し違う問題でも同じ考え方を使えた
という行動です。
そうすることで、子どもは「答えが合った」だけではなく、
どのような行動をすれば、一人でも解けるのか
に気づきやすくなります。
ときわの塾が大切にしている「再現性」
ときわの塾では、その場で一度正解しただけで、「できるようになった」とは判断しません。
大切にしているのは、再現性です。
再現性とは、
- 今日できたことを次もできる
- 教わった問題だけでなく、別の問題でも使える
- 先生が隣にいなくても自分でできる
という状態です。
そのため、答えを教えないこと自体を目的にはしていません。
必要なことを教えたあとに、子どもがそれを自分の力へ変えられたかを確かめます。
ときわの塾は、点数を追いかける塾ではありません。
点数につながる行動を育てる塾です。
まずはご自宅で、お子さまが「分かった」と答えたあとに、説明や途中式を隠し、最初から一問解いてもらってください。
一人で解けなかったときは、どの手がかりがなくなると手が止まるのかを確認してみてください。

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