昨日できた問題を忘れる子へ|答えを見る前に試したい復習法
この記事の内容
授業中に解けた問題でも、翌日には解き方を忘れることがあります。大切なのは、最初から答えやノートを見るのではなく、まず自分で思い出そうとすることです。教わった方法を一人でも使えるようにする復習の進め方を解説します。

「昨日は一人で解けていたのに、今日はもう解けない」
「授業では分かったと言っていたのに、家では手が止まっている」
「答えを見ると思い出すけれど、何も見なければ解けない」
このような様子を見て、
「昨日勉強したばかりなのに、どうして忘れるのだろう」
と心配になることはありませんか。
一度理解したことを忘れるのは、珍しいことではありません。
問題は、忘れたこと自体ではなく、復習するときに何をしているかです。
教科書やノートを最初から読み返す。
解説を見ながら、もう一度解く。
答えを確認して「分かった」と安心する。
これらも復習の一部ですが、見ながら分かることと、何も見ずに自分でできることは同じではありません。
ときわの塾が復習で大切にしているのは、答えやノートを見る前に、自分の力で一度思い出そうとすることです。
授業ではできたのに、翌日になると解けない理由
授業中は、先生の説明を聞いた直後です。
使う公式や解き方が頭に残っており、先生の声かけや板書も助けになります。
そのため、授業中に正解できても、実際には次のような違いがあります。
- 自分で解き方を思い出して解いた
- 直前に見た方法をそのまま使った
- 先生のヒントを受けて気づいた
- 例題と同じ形だったので解けた
答えが合っているだけでは、どの状態だったのか判断できません。
授業中にはできたのに、時間がたつと解けなくなる場合、その場では理解できていても、まだ自分一人で再現できる状態になっていなかった可能性があります。
これは、授業を聞いていなかった、努力が足りなかったという意味ではありません。
理解した内容を、自分の力へ変えている途中です。
だからこそ、少し時間を空けて、もう一度自分で解けるかを確かめる必要があります。
復習は「もう一度見ること」だけではありません
復習というと、授業で書いたノートや解説をもう一度読むことを思い浮かべるかもしれません。
見直すことも必要です。
ただし、最初からノートや答えを開くと、
「見たら分かる」
という状態で終わることがあります。
例えば、算数の問題を復習するとき、解説を見ながら式を書けば、正しい答えまでたどり着けるかもしれません。
しかし、翌日のテストでは解説を見ることができません。
必要なのは、
「この問題では、最初に何を確認するのか」
「なぜ、この式になるのか」
「どの順番で計算するのか」
を自分で思い出せることです。
そのため、復習では次の順番を大切にします。
- ノートや解答を閉じる
- 何を学んだか思い出す
- 自分の力で問題を解いてみる
- 思い出せなかった部分だけ確認する
- ノートや解答をもう一度閉じる
- 最初から自分で解き直す
最初からすべてを見直すのではありません。
まず、今の自分がどこまで思い出せるのかを確かめます。
「答えを見たら分かった」は、まだ途中です
復習中に手が止まると、すぐに答えを見たくなることがあります。
答えを見れば、
「ああ、そうだった」
「この式を使うんだった」
と思い出せます。
しかし、その時点では「答えを見れば分かる」という状態です。
次も一人でできるとは限りません。
答えや解説を確認することが悪いわけではありません。
分からないまま長時間悩み続ける必要もありません。
大切なのは、解説を見て納得したところで終わらないことです。
解説を閉じて、最初からもう一度自分で解きます。
そこで解ければ、教わった方法を自分で使える状態へ一歩近づいています。
もう一度手が止まった場合は、次のどこで止まっているかを確認します。
- 問題文の意味が分からない
- 解き方を思い出せない
- 使う公式が分からない
- 基本となる計算ができない
- 途中まではできるが、その先が分からない
「全部分からない」と考えるのではなく、思い出せなかった部分を見つけることが大切です。
「分かった」と「一人でできる」を分けて確認します
ときわの塾では、「分かった」「できた」を一つの状態として考えていません。
復習では、少なくとも次の三つを分けて確認します。
説明を見れば分かる
ノートや解説を見れば、内容を理解できる状態です。
学習の最初の段階として必要ですが、まだ一人で使えるとは限りません。
何も見ずに同じ問題を解ける
教わった問題を、解説や先生の助けなしで解ける状態です。
問題を見て、自分で手順を思い出せるようになっています。
形の違う問題でも使える
数字や聞かれ方が変わっても、学んだ考え方を使える状態です。
ここまで確認できれば、その問題の答えや手順だけを覚えたのではなく、考え方を身につけた可能性が高くなります。
ときわの塾が大切にしているのは、この再現性です。
- 今日できたことを次もできる
- 教わった問題だけでなく、別の問題でも使える
- 先生が隣にいなくても自分でできる
この状態を目指して復習します。
復習では、最初の一行を書けるかを確認します
問題を見たときに、
「解説を読めば分かる」
「先生が最初だけ教えてくれればできる」
という子がいます。
この場合、問題の途中からは理解できても、最初に何をすればよいのかを自分で決められていないことがあります。
算数なら、
- 問題文から何を読み取るのか
- どの数字を使うのか
- 図を書くのか
- 何を最初に求めるのか
- 最初の式をどう作るのか
を自分で判断する必要があります。
最初の一行を先生に作ってもらい、その続きを解けた場合は、「一人で解けた」とはまだ判断できません。
復習するときは、答えだけでなく、最初の一歩を自分で始められるかも確認します。
その日の復習だけで終わらせません
学習した日のうちに一度振り返ることは、教わった内容を整理する機会になります。
ただし、その日のうちに一度復習すれば、必ず身につくわけではありません。
説明を受けた直後は、まだ解き方が頭に残っています。
本当に自分で思い出せるかを確かめるには、翌日や数日後にも取り組む必要があります。
例えば、次のように分けて確認できます。
学習した日
何を教わったかを確認し、答えを見ずに同じ問題をもう一度解きます。
翌日
最初から説明を読み返さず、まず一人で解いてみます。
思い出せなかった部分があれば、そこだけを確認します。
数日後
数字や聞かれ方の違う問題で、同じ考え方を使えるか確かめます。
毎回長時間取り組む必要はありません。
ただし、「5分すれば十分」と時間だけで判断することもできません。
短時間でも自分で思い出して解けたなら、意味のある復習です。
反対に、長時間ノートを眺めていても、自分で何も思い出そうとしていなければ、次に使える状態になったかは分かりません。
大切なのは復習時間の長さより、何を確かめるために復習したのかです。
教科によって思い出す内容は変わります
「思い出す復習」は算数だけの方法ではありません。
ただし、すべての教科で同じ作業をするわけでもありません。
算数・数学
公式の名前だけでなく、次のことを思い出します。
- 何を求める問題か
- 最初に何を確認するか
- なぜ、その式になるのか
- どの順番で計算するか
そのうえで、問題を最初から自分で解きます。
国語
文章の答えを覚えるのではなく、次のことを確認します。
- 何を聞かれた問題か
- 答えの根拠は文章のどこにあったか
- どの言葉を使って答えたか
- 本文の内容をどのように言い換えたか
答えだけを覚えても、別の文章では使えません。
答えを作った過程を思い出します。
漢字・英単語
答えを眺めるのではなく、一度隠して、自分で書いたり読んだりします。
間違えたものだけを分け、時間を空けてもう一度確認します。
理科・社会
用語だけでなく、次のことを自分の言葉で説明します。
- どのような意味か
- なぜ、その出来事が起きたか
- 何と何が関係しているか
- 結果として何が変わったか
教科によって復習の方法は違います。
共通しているのは、最初から答えを見るのではなく、一度自分の頭から取り出そうとすることです。
復習する問題を増やしすぎないことも大切です
復習が大切だからといって、授業で解いた問題をすべて何度もやり直す必要はありません。
問題数を増やしすぎると、復習を終わらせることが目的になる場合があります。
ときわの塾では、子どもの学習中の様子を見ながら、次のような問題を確認します。
- 一人では解けなかった問題
- ヒントを受けて解いた問題
- 途中の考え方が不安定だった問題
- 同じ間違いを繰り返している問題
- 別の問題でも使いたい考え方が含まれる問題
そして、できなかった部分を中心に練習します。
すでに安定してできることまで、同じ回数だけ繰り返す必要はありません。
自分でできることと、まだ助けが必要なことを分ける。
これが復習を学力につなげるために重要です。
ご家庭では、答えを見る前に一度だけ確認してください
ご家庭で長時間、勉強を教える必要はありません。
お子さんが復習を始める前に、次のように声をかけてみてください。
「ノートを見る前に、どんなことを習ったか思い出せる?」
「この問題は、最初に何を確認するんだった?」
「どこまでは一人でできそう?」
広く「今日は何を勉強したの」と聞かれると、何から説明すればよいか分からない子もいます。
その場合は、教科や問題を一つに絞って聞くと答えやすくなります。
子どもが思い出せなくても、すぐに叱る必要はありません。
まず、
「どこまでは覚えている?」
と確認します。
そのあとにノートや解説を見て、思い出せなかった部分だけを確かめます。
最後はもう一度ノートを閉じ、自分で説明したり問題を解いたりします。
できたときは、
「覚えていてすごいね」
だけではなく、
「答えを見る前に、自分で式を思い出せたね」
「分からないところだけ確認して、最後は一人で解けたね」
と、改善できた行動を具体的に認めてください。
「忘れた」で終わらず、思い出せる方法を身につけます
昨日できた問題を今日忘れていても、それだけで心配しすぎる必要はありません。
学んだことを一度で身につけられるとは限らないからです。
大切なのは、忘れないように何度も眺めることではありません。
- まず何も見ずに思い出す
- 自分で問題を解いてみる
- 思い出せなかった部分だけ確認する
- もう一度、何も見ずに解く
- 翌日や数日後にも確かめる
- 別の問題でも使えるか確認する
という行動です。
復習は、同じ説明を何度も読む時間ではありません。
教わったことを、自分の頭から取り出して使う時間です。
ときわの塾では、授業中に正解しただけで「できるようになった」とは判断しません。
先生が隣にいなくても、自分で考え方を思い出し、次の問題でも使えるかを確認します。
ときわの塾は、点数を追いかける塾ではありません。
点数につながる行動を育てる塾です。
まずはご自宅で、昨日解いた問題を一つ選び、ノートや答えを見る前にもう一度解けるか試してみてください。
思い出せなければ、どこまで覚えているかを確認します。
そのあと、必要な部分だけを見直し、最後はもう一度何も見ずに解いてみてください。
翌日になると教わった内容を忘れ、何から復習すればよいか分からない状態が続いている場合は、ご相談ください。

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