勉強が分からないとき、どこまで戻る?つまずいた箇所の見つけ方
この記事の内容
勉強が分からなくなったとき、前の学年を最初からすべてやり直す必要があるとは限りません。
現在の問題を解く様子や途中式から、最初につまずいた箇所を見つけ、必要な単元だけ戻って復習する方法を、ときわの塾が解説します。
対象となる保護者様
- 何度教えても同じ問題でつまずいている
- 今の単元を繰り返してもできるようにならない
- 前の学年まで戻るべきか迷っている
- どこから分からなくなったのか本人も説明できない
- 基礎から全部やり直す時間がない

今の単元を繰り返しても、できるようにならない子がいます
「何度教えても、同じところでつまずきます」
「今の単元が分からない場合、前の学年まで戻った方がよいのでしょうか」
算数や国語、中学生の数学について、保護者の方からこのようなご相談をいただくことがあります。
分からない問題があると、同じ問題を何度も練習したり、今の学年の問題集を最初からやり直したりすることがあります。
しかし、現在取り組んでいる内容より前の段階で止まっている場合、今の問題を繰り返すだけでは改善しません。
一方で、前の学年を最初からすべてやり直す必要があるとも限りません。
大切なのは、
今の問題を解くために必要な内容のうち、最初に分からなくなった場所はどこか
を見つけることです。
「できない問題」だけを見ても原因は分かりません
例えば、分数の足し算を間違えている子がいるとします。
同じ分母の分数は足せる。
しかし、分母が違うと止まる。
この場合、分数の足し算を最初からすべて復習する前に、どこで止まったのかを確認します。
- 通分の意味が分からない
- 最小公倍数を見つけられない
- 分母に掛けた数を分子にも掛ける理由が分からない
- 掛け算で間違えている
- 通分後の計算で分母まで足している
同じ不正解でも、原因は異なります。
最小公倍数を見つけられない子には、倍数まで戻る必要があります。
通分はできているのに最後の足し算で間違えた子へ、倍数から教え直す必要はありません。
完成した答えだけでなく、どの行から違っているのかを見ることで、戻る場所が分かります。
途中式には、最初のつまずきが残っています
算数や数学で戻る場所を探すとき、途中式は大切な手掛かりになります。
例えば、中学生が方程式を間違えたとします。
「方程式が分からない」と言っていても、実際には、
- 正負の数の計算で間違えている
- 移項したときに符号を変え忘れている
- 分配法則を使えていない
- 小数や分数の計算で止まっている
- 等号の左右に同じ計算をする意味が分からない
- 途中式を書かず、頭の中だけで処理している
など、止まっている場所は異なります。
途中式を書かずに答えだけが残っていると、どこから違ったのかを確認できません。
そのため、ときわの塾では、正答だけでなく、
- どの式までは合っているか
- 最初に違った行はどこか
- その行で何をしようとしたのか
を確認します。
最初に違った場所まで戻ることで、必要な復習内容を絞れます。
国語も、文章全体を最初からやり直すとは限りません
国語の問題ができない場合も、単に「読解力がない」とまとめることはできません。
例えば、記述問題で答えを書けない子でも、
- 問いで何を聞かれているか分からない
- 答えの文末を決められない
- 本文から根拠を見つけられない
- 必要な部分を短くまとめられない
- 本文の言葉を問いに合わせて言い換えられない
- 登場人物の行動と気持ちを結び付けられない
など、止まっている場所は違います。
本文の内容を説明できる子に、音読だけを増やしても、記述問題の作り方は身につきません。
一方で、文章の内容を説明できない子に、記述の型だけを教えても、自分で根拠を選べません。
国語でも、答えが完成するまでのどの段階で止まったのかを確認し、必要な部分へ戻ります。
前の学年を全部やり直す必要はありません
「戻る学習」と聞くと、前の学年の教科書や問題集を最初からやり直すイメージがあるかもしれません。
しかし、すでにできている内容まで、すべてやり直す必要はありません。
例えば、中学数学で分数を含む方程式に困っていても、
- 整数の方程式は一人で解ける
- 移項の意味も理解している
- 正負の数の計算もできる
- 分数の通分だけで止まっている
のであれば、分数の計算を確認すればよいことがあります。
反対に、分数の計算方法を説明しても解けない場合は、約分、通分、倍数などへ、もう一段階戻る必要があります。
戻る場所は学年で決めるのではありません。
今の問題を解くために必要な内容を一つずつ確認し、最初に一人でできなくなる場所で決めます。
「分かった」ところまで戻るのではありません
先生の説明を聞けば分かる場所と、一人で解ける場所は同じではありません。
解説を見ながらならできる。
先生に最初の一手を教えてもらえば続けられる。
例題のすぐ下にある問題なら解ける。
この状態では、まだ一人で使える力になっていない可能性があります。
戻る場所を確認するときは、
- 何も見ずに解けるか
- なぜその方法を使うのか説明できるか
- 数字や問題の形が変わっても使えるか
を確かめます。
説明を聞いて「分かった」と言えた場所ではなく、何も見ずに一人で解けた場所を出発点にします。
戻った後は、元の問題へつなぎ直します
前の内容を復習して正解できても、それだけで終わると、現在の単元とのつながりが分からないことがあります。
例えば、分数の通分を復習した場合は、通分の練習だけで終えません。
その後、最初に止まっていた分数の方程式へ戻ります。
そして、
- 通分を使って式を整理できるか
- 正負の数の計算まで正確に進められるか
- 何も見ずに最後まで解けるか
を確認します。
戻ることが目的ではありません。
前の内容を使い、今できなかった問題を自力で解けるようにすることが目的です。
戻りすぎても、戻り足りなくてもいけません
必要以上に戻ると、すでにできる問題を繰り返す時間が増えます。
子どもも、
「簡単な問題ばかりさせられている」
と感じるかもしれません。
反対に、戻る場所が浅すぎると、同じところで再び止まります。
適切な戻り方は、次の順序で確認します。
- 現在できない問題を解いてもらう
- 答えだけでなく途中の考え方を見る
- 最初に違った場所を見つける
- その場所に必要な前の知識を確認する
- 何も見ずに解けるところまで戻る
- 必要な内容を練習する
- 元の問題へ戻って一人で解く
この順序なら、前の学年をすべてやり直さなくても、必要な箇所へ絞って復習できます。
子どもが戻ることを嫌がる理由
前の単元や前の学年に戻ることを嫌がる子もいます。
「今さらこんな問題をするのは恥ずかしい」
「自分だけ遅れている」
「前の学年の内容もできないと思われたくない」
と感じることがあるからです。
そのような子に、
「基礎ができていないから戻る」
と伝えるだけでは、自信をなくすかもしれません。
必要なのは、
今の問題を解くために、ここだけ確認しよう
という伝え方です。
戻ることは、できない証明ではありません。
現在の問題を解くために、必要な道具を取りに行く作業です。
どこへ戻ればよいか分かれば、何が分からないのかも整理できます。
家庭では、前学年の問題集を買う前に確認します
子どもが現在の単元で困っていると、前学年の問題集を買い、最初からやり直させたくなるかもしれません。
その前に、次のことを確認します。
- どの問題で止まったのか
- 途中のどこまでは合っているのか
- 最初に違った場所はどこか
- その計算や言葉の意味を説明できるか
- 似た基本問題なら一人で解けるか
ここまで確認しても戻る場所が分からなければ、学校や塾で答案と途中式を見てもらいます。
家庭で全範囲を教え直す必要はありません。
まずは、分からない範囲を小さくすることが大切です。
戻る学習は、今の問題を解くために行います
勉強が分からなくなったとき、必要なのは、むやみに先へ進むことでも、前の学年をすべてやり直すことでもありません。
現在の問題を解く様子から、
- どこまでは一人でできるのか
- 最初に違った場所はどこか
- そこに必要な知識は何か
- 復習後に元の問題を解けるか
を確認します。
ときわの塾では、学年だけで戻る場所を決めません。
答案、途中式、問題を解いているときの様子を見ながら、必要な内容まで戻ります。
そして、戻った内容を練習した後は、元の問題へ戻り、何も見ずに一人で解けるかを確認します。
これが、戻る学習を現在の学力へつなげるために大切なことです。

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