国語の記述問題で手が止まる子へ|本文を写す前に決めたい「答えの文末」
国語の記述問題で手が止まる子には、読解力だけでなく、問いに合わせて答えの文末を決め、本文から必要な根拠を選んでつなげる力が必要である。
本文は読めているのに、国語の記述問題になると手が止まる。そんな子は、答え全体ではなく文末から考えると書き始めやすくなります。問いに合う文末を決め、本文の根拠をつなげる方法を、ときわの塾が解説します。

「文章の内容は分かっているようなのに、記述問題になると手が止まります。」
「本文からたくさん書き抜いているのに、問いに合った答えになりません。」
「答えが書いてある場所は分かっているのに、うまくまとめられません。」
国語の記述問題について、このようなご相談をいただくことがあります。
記述問題が書けないと、
「文章を理解できていないのではないか。」
「読解力が足りないのではないか。」
と思うかもしれません。
もちろん、本文を正しく読む力は必要です。
しかし、本文の内容をおおよそ理解できていても、答えの作り方が分からず、手が止まる子がいます。
そのような子に、
「本文から答えを探そう。」
「自分の言葉でまとめよう。」
と伝えても、何から書き始めればよいのか分かりません。
記述問題では、本文を読むだけでなく、問いに合う形へ答えを組み立てる必要があるからです。
今回は、記述問題で手が止まる子が、最初に何を決めればよいのかを、ときわの塾が解説します。
「答えはこのあたり」と分かっていても書けません
記述問題が苦手な子に、
「答えが書いてある場所は分かる?」
と聞くと、本文の近い場所を指させることがあります。
まったく読めていないわけではありません。
しかし、
「では、答えを書いてみよう。」
と言うと、手が止まります。
あるいは、答えになりそうな一文を、そのまま長く書き写します。
これは、答えの材料が見つかっていないのではなく、見つけた材料をどのような形にすればよいのか分かっていない状態です。
記述問題では、
- 何を聞かれているのか
- どのような文末で答えるのか
- 本文のどの部分が根拠になるのか
- どの内容を残し、どこを削るのか
を考えなければなりません。
本文を読めることと、問いに合った答えを書けることは同じではありません。
最初から満点の答えを書こうとすると手が止まります
記述問題を見た瞬間から、指定された30字や60字をすべて埋めようとする子がいます。
しかし、最初から完成した答えを作ろうとすると、何を書けばよいのか分からなくなります。
そこで、ときわの塾では、最初から答え全体を書こうとせず、
「まず、答えの文末を決めよう。」
と伝えます。
例えば、
なぜ、主人公は黙ってうつむいたのですか。
と聞かれているなら、答えの文末は、
〜から。
になります。
このときの主人公は、どのような気持ちでしたか。
と聞かれているなら、
〜という気持ち。
と答えます。
主人公のどのような性格が表れていますか。
と聞かれているなら、
〜な性格。
という形になります。
まず問いに対応する文末を決める。
それだけでも、答えがまったく書けない状態からは前に進めます。
文末は、答えの半分を作るイメージです
実際の採点では、文末だけを書いても半分の点数をもらえるわけではありません。
必要な内容がそろっていなければ、点数にはなりません。
しかし、答えを作るときには、
「文末を決めれば、答えの半分ができた。」
くらいのイメージを持たせます。
なぜなら、文末が決まると、何を探せばよいかが見えてくるからです。
「なぜ」と聞かれているなら、理由を探します。
「どのような気持ち」と聞かれているなら、人物の気持ちが分かる行動や言葉を探します。
「どのような性格」と聞かれているなら、その行動を生み出した性格を考えます。
問いを読まずに本文だけを探しても、どの部分を答えに使えばよいのか判断できません。
先に文末を決めることで、本文から探す内容が具体的になります。
文末を決めたら、本文から根拠を探します
例えば、本文に次のような場面があったとします。
主人公は、友達から謝られた。しかし、すぐには返事をせず、黙って下を向いた。
そして、
なぜ、主人公は黙って下を向いたのですか。
と聞かれたとします。
最初に、
〜から。
という文末を決めます。
次に、主人公が黙って下を向いた理由を、本文の前後から探します。
仮に、少し前に、
本当は許したかったが、ひどいことを言われた悲しさがまだ残っていた。
と書かれていれば、これが答えの中心になります。
そこから、
友達を許したい気持ちはあったが、ひどいことを言われた悲しさがまだ残っていたから。
と組み立てます。
大切なのは、きれいな言葉へ自由に言い換えることではありません。
問いに合う文末を決め、本文に書かれている根拠を必要な形につなぎ直すことです。
本文をそのまま写すだけでは答えにならないことがあります
記述問題が苦手な子は、答えになりそうな本文を見つけると、その一文をすべて写すことがあります。
しかし、本文の一文には、問いへの答え以外の内容も含まれています。
また、本文の言葉をそのまま写すと、問いと文末がつながらない場合もあります。
例えば、
主人公は悔しさをこらえながら、その場を離れた。
という本文に対して、
主人公はどのような気持ちでしたか。
と聞かれたとします。
本文をそのまま写して、
主人公は悔しさをこらえながら、その場を離れた。
と答えても、「どのような気持ち」という問いに直接答えた形にはなっていません。
この場合は、
悔しい気持ち。
あるいは、前後の根拠も必要なら、
努力を認めてもらえず、悔しいという気持ち。
という形に整えます。
本文から離れて自由に作文するのではありません。
本文の根拠を残しながら、問いに対応する答えへ変える必要があります。
記述問題は「要約」ではなく「問いへの返答」です
記述問題を見ると、本文を短くまとめる問題だと思う子がいます。
しかし、記述問題の目的は、本文全体を要約することではありません。
聞かれたことに、本文の根拠を使って答えることです。
そのため、たくさん書けば点数になるとは限りません。
本文の内容を正しく書いていても、聞かれていないことまで書けば、必要な内容がぼやけます。
反対に、短く書きすぎて根拠が不足すれば、十分な点数になりません。
記述問題では、
- 問いの中心を確認する
- 答えの文末を決める
- 本文から必要な根拠を探す
- 文末につながるように根拠を並べる
- 問いに答えていない部分を削る
- 指定された文字数に整える
という順番で考えます。
「うまい文章を書こう」とする必要はありません。
まず、聞かれたことに正しく答えることが大切です。
家庭では、答えを教える前に文末を確認してください
子どもが記述問題で止まっていると、保護者の方が、
「ここに書いてあるでしょう。」
「この部分を書けばよいでしょう。」
と、答えの場所を教えたくなるかもしれません。
しかし、答えの場所を教えるだけでは、次の問題で一人で書けるようになったかを確認できません。
ご家庭で確認するなら、まず、
「何を聞かれているの?」
「答えの最後は、どんな言葉になる?」
と聞いてみてください。
「なぜ」と聞かれているのに「〜こと」と終わっている。
「どのような気持ち」と聞かれているのに、出来事だけを書いている。
このような場合は、本文を探す前に、問いに合った答えの形を作れていません。
保護者の方が答えを作る必要はありません。
子ども自身が問いを読み、答えの文末を決められるかを確認するだけでも、どこで止まっているのかが分かります。
ときわの塾では、書けない場所を分けて確認します
記述問題が書けない原因は、一つではありません。
- 問いで聞かれていることが分からない
- 答えの文末を決められない
- 本文から根拠を見つけられない
- 複数の根拠をつなげられない
- 必要な内容と不要な内容を分けられない
- 指定された文字数に整えられない
同じ空白の答案でも、止まっている場所は一人ひとり違います。
だから、ときわの塾では、単に模範解答を写させるのではなく、
「何を聞かれているの?」
「答えの最後はどうなるの?」
「その内容は本文のどこから分かったの?」
と確認します。
そして、文末だけを決める。
根拠となる言葉を一つ探す。
もう一つ必要な内容を加える。
最後に一文として整える。
このように答えを作る工程を分けながら、一人でも同じ順番で考えられるようにします。
記述問題は、書き始める前の準備で変わります
国語の記述問題で手が止まるからといって、必ずしも本文をまったく読めていないとは限りません。
答えになりそうな場所は分かっていても、問いに合う形へ組み立てる方法を知らない子がいます。
そのような子に必要なのは、やみくもに記述問題を増やすことではありません。
まず問いを確認する。
答えの文末を決める。
本文から必要な根拠を探す。
根拠を文末につなげる。
この順番を繰り返し、自分一人でも使えるようにすることです。
記述問題は、思いついたことを書く作文ではありません。
問いに対して、本文を根拠に答える問題です。
ときわの塾では、子どもがどの工程で止まっているのかを確認し、問いに合った答えを一人で組み立てられるように指導しています。

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