親が勉強を教えすぎるとどうなる?|先生の話を聞く力と質問する力を守るために
この記事の内容
お子さんが困っていると、すぐに教えてあげたくなるのは自然な親心です。
しかし、家庭でいつでも最初から説明してもらえる状態が続くと、子どもが「学校や塾で聞き逃しても、家で聞けばよい」と考えることがあります。
家庭で教えることが悪いのではありません。大切なのは、すぐに答えや解き方を教える前に、子どもがどこまで分かっているのかを確かめることです。
聞いているふりをする、説明が単語だけになる、分からないところを質問できない。このような姿と家庭での関わり方について、ときわの塾が解説します。

教えてあげたいと思うのは自然な親心です
お子さんが宿題で困っている。
問題の前で手が止まっている。
翌日までに提出しなければならないのに、なかなか進まない。
このような姿を見ると、保護者の方が教えてあげたくなるのは当然です。
お子さんのために時間を使い、分かりやすく説明してあげること自体が悪いわけではありません。
しかし、親御さんが積極的に教えることが習慣になると、子どもの中に次のような考えが生まれる場合があります。
学校や塾で分からなくても、家で聞けばよい。
子どもが意識して怠けようとしているとは限りません。
人は、後でもう一度教えてもらえると分かっていれば、最初の説明に集中する必要性を感じにくくなります。
その結果、親御さんの熱心な関わりが、学校や塾で話を聞く力や、自分から質問する力を弱めてしまうことがあります。
「聞いているふり」が上手な子がいます
ときわの塾でも、先生の話を聞いているように見える子がいます。
先生の方を向いている。
うなずいている。
机にも座っている。
一見すると、きちんと説明を聞いているように見えます。
しかし、指示した内容を確認すると、何をするのか分かっていません。
解説した内容を尋ねても、ほとんど説明できません。
聞いているように見えても、話の内容を受け取れていないのです。
このような子は、「やっているふり」も上手なことがあります。
ノートに何かを書いては消す。
また書いては消す。
鉛筆は動いているため、勉強しているように見えます。しかし、考えが進んでいるとは限りません。
集中して考えている雰囲気がなく、書いて消す作業だけが増えていきます。
形だけを見ると、聞いているようにも、勉強しているようにも見えます。
だからこそ、大人が「ちゃんと聞いていたね」「頑張っているね」と判断するだけでは、本当に理解できているか分からないのです。
説明させると「単語」だけになることがあります
話を聞けているかどうかは、子ども自身に説明してもらうと分かります。
ところが、聞くことが習慣になっていない子は、一連の内容を文章で説明することが苦手です。
「何をするの?」
「計算。」
「どこから始めるの?」
「ここ。」
「先生は何に気をつけると言っていた?」
「符号。」
このように、ほとんど単語だけで答えることがあります。
本人の中では分かっているつもりでも、話の順序や条件、気をつけるところを整理できていません。
家庭で質問したときも、子どもが「全部分からない」「これが分からない」と言うだけで、親御さんが最初から説明してしまうことがあります。
これを繰り返すと、子どもは自分の分かっているところと、分からないところを整理しなくても助けてもらえます。
その結果、質問するために必要な、
- 説明を思い出す
- 分かっていることを整理する
- 分からない場所を見つける
- 相手に伝わるように話す
という力を使う機会が少なくなります。
ときわの塾では、説明を小さく分けて確認します
聞いているように見えても、本当に理解しているとは限りません。
そのため、ときわの塾では、指示した内容や解説した内容を子どもに復唱してもらうことがあります。
ただし、最初から長い説明をすべて言わせるわけではありません。
一連の話を五つほどに分け、一つずつ確認します。
例えば、
- 最初に何を確認するのか
- 次に何を書くのか
- どの数字を使うのか
- 何に気をつけるのか
- 最後に何を確かめるのか
というように、小さく区切ります。
言葉だけで説明することが難しければ、図にします。
文章で書かせることもあります。
問題から分かっている数字を書き出したり、途中まで式を書いたりすることも、説明の準備になります。
大切なのは、上手に話すことではありません。
先生の話から何を受け取り、何が分かり、どこから分からなくなったのかを、本人が確かめることです。
問題文の読み間違いにも共通するところがあります
先生の話を聞いているつもりで聞けていない子は、問題文も読んでいるつもりで読み飛ばすことがあります。
最後まで読まずに計算を始める。
条件を一つ見落とす。
「求めなさい」と書かれているものとは違う答えを出す。
これは、国語力や数学の知識だけが原因とは限りません。
人の話や書かれている内容を一度で受け取ろうとする姿勢が、まだ十分に育っていない可能性があります。
家庭でいつでも説明し直してもらえる状態が続くと、最初に聞くことや、自分で読み直すことの必要性を感じにくくなる場合があります。
聞く力と読む力は別々のものに見えますが、どちらにも、
相手が伝えていることを、自分から受け取りにいく
という共通点があります。
家庭では、すぐに教える前に分かっていることを確認してください
お子さんが自分から聞いてきたときは、教えてあげて構いません。
質問するために親御さんのところへ来たこと自体は、大切な行動です。
ただし、すぐに答えや解き方を伝える前に、次のように尋ねてみてください。
- どこまで分かっているの?
- 学校や塾では、どのように教えてもらったの?
- 何を使って解く問題だと思う?
- どこから分からなくなったの?
- 分かっていることを、図や式にできる?
- 明日、先生に何を質問すればよいと思う?
これは、お子さんを困らせるための質問ではありません。
何でも最初から説明してもらえるわけではないと伝える、軽い牽制でもあります。
「分からない」と言えばすぐに答えが出てくるのではなく、まず自分の中にあるものを出してみる。
その習慣が、学校や塾で話を聞く力と、分からないときに質問する力につながります。
積極的に教え続けたり、横で見張ったりする必要はありません
親御さんが先回りして、
「これはこうするのよ」
「次はこの式を書いて」
「そこは違う」
と教え続けると、子どもは自分で説明を思い出したり、次の行動を決めたりする必要がなくなります。
また、勉強している間ずっと横で見張ることもおすすめしていません。
横に大人がいれば勉強できても、一人になると何をすればよいか分からなくなる可能性があるからです。
家庭で常に教え、常に見守ることが、必ずしも子どもの自立につながるとは限りません。
お子さんから質問があったときには話を聞く。
分かっていることを確認する。
考え方を整理する手助けをする。
それでも分からず、答えを伝えるだけになりそうな場合は、学校や塾の先生へ質問させる。
ときわの塾では、答えをそのまま伝えるくらいなら、LINEを使ってお子さん本人から質問してもらうよう、保護者の方にお願いしています。
質問の文章を考えることも、分からないところを整理する練習になるからです。
家庭で教えないことが目的ではありません
この記事でお伝えしたいのは、「親は勉強を教えてはいけない」ということではありません。
お子さんが聞いてきたときに、一緒に考えてあげることは大切です。
ただし、親御さんが積極的に先回りして教え続けると、子どもが学校や塾で聞く必要性を感じなくなる場合があります。
必要なのは、すぐに答えを渡すことではなく、
あなたは、どこまで分かっているの?
と一度立ち止まって確認することです。
聞いた内容を復唱する。
分かっていることを図や文章にする。
分からないところを言葉にして質問する。
こうした行動は、すぐに身につくものではありません。
しかし、家庭と学校、塾がすべて答えを与える場所になるのではなく、子ども自身が聞き、考え、質問する機会を残すことが大切です。
ときわの塾では、問題の答えを教えるだけでなく、先生の話を受け取り、自分の分からないところを整理できる状態を育てていきます。
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