中学受験で親が算数を教えるべき?|家庭では先生にならなくて大丈夫です
「中学受験の算数を、親も勉強して教えた方がよいのでしょうか。」
お子さまの力になりたいと思い、難しい算数を学び直している保護者の方もいらっしゃいます。
しかし、家庭で教えるたびに親子げんかになったり、保護者の方が疲れ切ったりしているなら、すべてを家庭で抱える必要はありません。
算数を教え、間違いを指摘し、学習のやり方を修正する役割は塾が引き受けられます。家庭をお子さまが安心して戻れる場所として残すために、家庭と塾の役割について、ときわの塾が解説します。

「先生、私も算数を勉強した方がよいでしょうか。」
中学受験が始まると、保護者の方からこのようなご相談をいただくことがあります。
子どものために、少しでも力になりたい。
そのお気持ちは、本当によく分かります。
しかし私は、いつもこうお伝えしています。
保護者の方は、算数の先生にならなくて大丈夫です。
保護者の方が先生になると、親子げんかが増えることがあります
私は長年、中学受験を目指す子どもたちを指導してきました。
その中で、保護者の方が家庭で算数を教えるようになってから、親子げんかが増えてしまうご家庭を見てきました。
「どうして分からないの?」
「さっき説明したでしょう。」
「何回も同じことを言わせないで。」
保護者の方は、お子さまのためを思って教えています。
お子さまも、わざと分からないふりをしているわけではありません。
どちらも一生懸命だからこそ、思うように伝わらないと、お互いにつらくなってしまいます。
保護者の方が悪いのでも、お子さまにやる気がないのでもありません。
親子という関係の中で、教える側と教わる側になること自体が難しい場合があります。
塾と家庭で教え方が違うこともあります
保護者の方が正しく教えていても、親子げんかにつながることがあります。
その原因の一つが、塾と家庭における解き方の違いです。
算数では、答えが同じでも、そこへ至るまでに複数の考え方があります。
保護者の方が知っている方法と、現在お子さまが塾で教わっている方法が違うこともあります。
そのようなとき、お子さまは、
「塾で習った方法と違う」
「どちらの方法を使えばよいのか分からない」
と混乱します。
一方、保護者の方から見ると、
「この方法で解けるのに、どうして聞いてくれないのだろう」
と感じることがあります。
どちらの教え方が正しいかを家庭で決める必要はありません。
どの方法を使い、どこまで理解できているかを確認することも、指導している塾の役割です。
「教えないこと」は、何もしないことではありません
保護者の方へ「家庭で算数を教えなくても大丈夫です」とお伝えすると、
「それでは、親は何もしなくてよいのでしょうか」
と思われるかもしれません。
もちろん、そういう意味ではありません。
家庭でできる支え方には、次のようなものがあります。
- 勉強を始める時間を一緒に確認する
- 必要な教材を準備できているかを見る
- 分からない問題に印をつけるよう伝える
- 困っていた問題番号を先生へ伝える
- 学習を終えたあとの頑張りを認める
- 睡眠時間や生活のリズムを守る
問題の解き方まで説明しなくても、お子さまの受験を支えることはできます。
むしろ、保護者の方が学習内容を教える役割から離れることで、焦らずにお子さまの様子を見られることもあります。
算数を教える先生は塾が引き受けます
ときわの塾では、子どもたちへ、
分からなければ、100回まで聞いてきて。
と伝えています。
一度説明しただけで、すべての子が理解できるわけではありません。
説明を聞いたときには分かったつもりでも、一人で解こうとすると手が止まることもあります。
そのため、ただ解き方を説明するだけではなく、次のことまで確認します。
- 問題文の意味を理解できているか
- どこで考え方が分からなくなったのか
- 教わった方法を正しく使えるか
- 解説を見たあとに一人で解き直せるか
- 別の問題でも同じ考え方を使えるか
教わった問題が解けただけでは、その方法を身につけたとは限りません。
先生がいないときにも解ける状態になるまで確認することが、塾の役割だと考えています。
家庭は安心して戻れる場所であってほしい
中学受験では、思うようにいかない日があります。
模試で悔しい思いをする日もあります。
宿題が終わらない日もあります。
何度取り組んでも、問題を解けない日もあります。
そのようなとき、最後に戻る場所は家庭です。
塾でも注意され、家庭でも間違いを指摘され続けると、お子さまには気持ちを休められる場所がなくなってしまいます。
家庭まで常に勉強を教える場所にする必要はありません。
「今日は頑張ったね。」
「分からない問題に印をつけられたね。」
「明日、先生に聞いてみよう。」
そのような言葉が、お子さまの気持ちを次の学習へ向けることもあります。
家庭では結果よりも、変えられた行動を見てください
保護者の方には、点数や宿題の完成だけではなく、お子さまが変えられた行動を見ていただきたいと思います。
例えば、
- 決めた時間に勉強を始めた
- 問題文を最後まで読んだ
- 分からない問題に印をつけた
- 答えを写さずに考え直した
- 先生へ質問する問題を整理した
- 教わったあとに一人で解き直した
といった行動です。
「頑張ったね」だけでなく、
分からない問題をそのままにせず、先生に聞けたね。
と具体的に認めます。
点数へつながる行動が増えれば、次に同じような問題へ出会ったときの取り組み方も変わります。
保護者の方が先生にならなくても、お子さまの成長を支えることはできます。
厳しい役目は塾が引き受けます
ときわの塾では、子どもたちに「今できること」だけを求めるのではなく、そこからもう一つ先の行動を求めます。
問題文を最後まで読む。
説明を聞いたあと、自分で解く。
間違えた原因を確認する。
苦手な問題を練習する。
別の問題でも同じ方法を使う。
必要なときには厳しく指導することもあります。
私は、間違いを指摘したり、学習のやり方を修正したりする厳しい役目を、できるだけ塾が引き受けたいと考えています。
家庭でまで同じことを繰り返せば、保護者の方もお子さまも疲れてしまいます。
保護者の方には、お子さまが改善した行動や、続けてきた努力を認めていただきたいと思っています。
教育によって家庭が苦しくなってほしくありません
私は、教育によって家庭が苦しくなってほしくありません。
受験のために努力することは大切です。
しかし、保護者の方が難しい算数をすべて教えられるようになることが、中学受験に必要な条件ではありません。
親子だからできる支え方と、塾だから引き受けられる役割があります。
算数を教えることや、学習方法を修正することは塾へ任せてください。
ご家庭では、お子さまにとって一番の応援団でいていただきたいと思います。
安心できる子どもは、分からないことを質問できます。
質問できれば、理解できることが増えます。
理解したことを一人で使えるようになれば、「できた」という経験につながります。
その積み重ねが、受験だけではなく、これから出会うさまざまな課題へ挑戦する力になります。
勉強を教える先生は塾にいます。
ご家庭では、お子さまが安心して戻れる場所でいてあげてください。
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このブログを書いた先生
桑津塾長先生
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