難しい問題を見ると手が止まる子へ|問題を小さく分ける考え方
この記事の内容
難しい問題は、最初から特別な解き方を必要とするとは限りません。条件を分け、分かることを増やしていくと、習った基礎問題に戻せることがあります。問題を解ける形まで小さくする方法を、ときわの塾が解説します。

「基本問題は解けるのに、少し問題文が長くなると手が止まります」
「解説を読めば分かるのですが、自分では最初の一歩を見つけられません」
中学生や中学受験をする小学生を指導していると、このような状態を見ることがあります。
公式を知らないわけではありません。
計算がまったくできないわけでもありません。
それでも、問題の見た目が少し変わると、何をすればよいのか分からなくなります。
このような子に足りないのは、新しい公式ではなく、複雑に見える問題を、自分が解ける形まで小さくする手順かもしれません。
難しい問題にも、すでに習った内容が含まれている
学校のテストや入試問題では、基礎問題がそのまま出されるとは限りません。
すでに習った内容に、
- 条件が一つ加えられている
- 問題文の言い方が変えられている
- 必要のない数字や情報が含まれている
- 複数の基礎内容が組み合わされている
- 一つ前の答えを使わないと先へ進めない
といった変化が加わります。
そのため、子どもから見ると、習ったことのない問題のように見えます。
しかし、条件を一つずつ整理し、途中で分かることを増やしていくと、最後には習った基礎問題と同じ形になることがあります。
もちろん、すべての難しい問題が簡単な基礎問題に戻せるわけではありません。
それでも、最初から「知らない問題だ」と諦める前に、どこまで習った内容へ戻せるかを考えることが大切です。
解説には「答えまでの道」が省かれていることがある
問題集の解説には、正しい式や考え方が書かれています。
しかし、
「なぜ、最初にそこへ注目したのか」
「どの条件を先に使おうと考えたのか」
「使えそうな方法の中から、なぜその方法を選んだのか」
までは書かれていないことがあります。
解説する側にとって、その判断が当たり前になっているからです。
問題を作る人や指導する人は、勉強を苦手としていないことが多いため、問題を小さくする手順を意識せずに行っています。
一方、勉強が苦手な子にとっては、その省かれた部分こそが分かりません。
式を見れば意味は分かる。
説明を聞けば納得もできる。
しかし、一人になったときに、最初の式を思いつけない。
これは、解き方を覚えていないというより、解き方へたどり着くまでのアプローチを知らない状態です。
文章題では、すぐに式を作らない
例えば、算数の文章題に数字が三つ書かれていると、すぐに数字を組み合わせて式を作る子がいます。
しかし、その前に確認することがあります。
- 何を求める問題なのか
- 分かっている数量は何か
- 分からない数量は何か
- それぞれの数字が何を表しているか
- 数字同士にどのような関係があるか
- 今の情報だけで答えまで進めるか
ここを整理すると、いきなり答えを求めるのではなく、先に別の数量を求める必要があると分かることがあります。
例えば、全体の人数を求めたいのに、一つのグループの人数しか分からない場合があります。
このとき、いきなり全体を求めようとしても式は作れません。
まず、残りのグループの人数を求める。
その結果を使って全体を求める。
このように、問題を二つの基礎問題に分けると、解ける形になります。
図形問題では、分かっていることを図に書き込む
図形問題を見ただけで、「補助線が分からない」「解き方が思いつかない」と止まる子もいます。
この場合も、最初から正しい補助線を見つけることだけがアプローチではありません。
まずは、
- 同じ長さの辺
- 同じ大きさの角
- 平行な線
- 直角
- 問題文から分かる角度
を図に書き込みます。
書き込んだ情報を見ながら、
「この三角形と、この三角形を比べられないか」
「この角度が分かれば、残りの角度を求められないか」
と考えます。
図を眺めて答えを待つのではなく、分かっていることを増やしながら、使える基礎内容を探していきます。
最初から正しい方法だけを選べるとは限らない
問題を解くときには、使えそうに見えた方法が、実際には使えないこともあります。
補助線を引いてみたが、必要な角度を求められなかった。
割合で考えようとしたが、もとにする量が分からなかった。
方程式を作ろうとしたが、条件を式にできなかった。
このような試し方も、問題を解く過程の一部です。
ときわの塾では、最初から正解につながる方法だけを見せるのではなく、
「この方法を試したが、今の情報では先へ進めない」
というアプローチも見せます。
実際の問題では、使える方法が最初から分かるとは限らないからです。
使えないと分かった方法を捨て、別の方法を試す。
この経験がなければ、子どもは一度考えた方法で進めなかっただけで、「自分には解けない」と判断してしまいます。
アプローチは、先生の考え方を見せてから練習する
問題へのアプローチは、「よく考えなさい」と言うだけでは身につきません。
先生が実際に、
「最初に何を確認したか」
「どの条件を使おうとしたか」
「なぜ、この方法では進めないと判断したか」
「次に何を試したか」
を見せる必要があります。
子どもは、その考え方を見た後で、自分でも同じ手順を試します。
一度見ただけで、すぐにできるようになるとは限りません。
別の問題でも、
- 問われていることを確認する
- 条件を整理する
- 分かることを一つ増やす
- 使えそうな方法を試す
- 進めなければ別の方法へ変える
という行動を繰り返します。
少しずつ自分で問題を小さくできるようになると、初めて見る問題でも、すぐに諦めずに取り組めるようになります。
「解き方を知っている」から「解き方を探せる」へ
基礎問題と同じ形で出されれば解ける。
しかし、言い方や条件が変わると解けない。
この状態で必要なのは、難しい問題を大量に解かせることだけではありません。
複雑に見える問題の中から、すでに知っている内容を見つける練習が必要です。
何を求めるのかを確認する。
条件を一つずつ分ける。
分かることを増やす。
使えそうな方法を試す。
進めなければ、別の方法に変える。
このアプローチを身につけることで、子どもは「解き方を教えてもらう」だけでなく、自分で解き方を探せるようになります。
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