計算が遅い・ミスが多い小学生へ|練習量を増やす前に確認したい3つの原因
計算が遅い子やミスが多い子に必要なのは、同じ問題を繰り返すことではなく、数の捉え方・九九の取り出し・筆算の手順のどこで止まっているかを見つけることである。
計算練習を続けても速くならない、テストになるとミスが増える。原因は練習不足とは限りません。数のまとまり、九九の取り出し、筆算の手順という3つの原因と確認方法を、ときわの塾が解説します。

「家でも計算練習をしているのに、なかなか速くなりません。」
「計算の方法は分かっているはずなのに、テストになるとミスが増えてしまいます。」
「毎日計算ドリルをしているのに、同じ間違いを繰り返しています。」
計算について、このようなご相談を保護者の方からいただくことがあります。
計算が遅かったり、ミスが多かったりすると、
「練習量が足りないのではないか。」
「もっとたくさん問題を解かせたほうがよいのではないか。」
と考えるかもしれません。
もちろん、正しい方法を身につけたうえで繰り返し練習することは必要です。
しかし、計算が遅い原因を確認しないまま問題数だけを増やしても、思うように改善しないことがあります。
大切なのは、単に「もっと頑張ること」ではありません。
子どもが計算のどこで止まっているのかを見つけ、その原因に合った練習をすることです。
今回は、ご家庭でも確認しやすい「計算が遅い・ミスが多い子に見られる3つの原因」を、ときわの塾が解説します。
① 数を一つずつ数えていませんか?
計算が遅い子を見ていると、数字をまとまりとして捉えず、一つずつ数えていることがあります。
例えば、
8+7
を計算するとき、
「8、9、10、11、12、13、14、15」
と、7つ分を順番に数えて答えを出します。
この方法でも答えは15になります。
しかし、毎回一つずつ数えていると、数字が大きくなるほど時間がかかり、途中で数え間違えることも増えていきます。
一方で、
「7を2と5に分ける」
「8と2で10を作る」
「残った5を足して15」
と考えられる子は、数を一つずつ数える必要がありません。
これは、計算方法を暗記しているかどうかだけの問題ではありません。
数字を見たときに、
- いくつといくつに分けられるか
- 10のまとまりを作れないか
- 同じ数を組み合わせられないか
と工夫できるかどうかの違いです。
計算練習を増やす前に、答えを出すまでの様子を見てみてください。
指を使って一つずつ数えていないか。
小さな声で数字を順番に唱えていないか。
答えが出るまでに何度も数え直していないか。
このような様子があれば、問題数を増やすよりも、まず数をまとまりで捉える練習が必要です。
② 九九を最初から唱えていませんか?
九九を最後まで暗唱できても、掛け算になると時間がかかったり、間違えたりする子がいます。
例えば、
7×8
を見たとき、すぐに「56」と答えられる子もいれば、
「しちいちがしち、しちにじゅうし……」
と、7の段を最初から唱えなければ答えを出せない子もいます。
どちらも九九を覚えてはいます。
しかし、必要な答えをすぐに取り出せるかどうかに違いがあります。
特に、
- 4の段
- 6の段
- 7の段
- 8の段
などで止まりやすい子がいます。
九九に時間がかかると、割り算や筆算でも途中で止まります。
筆算の手順は合っていても、九九の答えを考えている間に繰り上がりの数を忘れてしまうこともあります。
確認するときは、九九を一の段から順番に暗唱させるだけでは不十分です。
「7×8」
「6×4」
「8×7」
などを順不同で出し、すぐに答えられるかを見ます。
答えが出るまでに毎回数秒かかったり、頭の中で最初から九九を唱えたりしている場合は、九九を「覚えていない」のではなく、「必要なときに取り出せる状態になっていない」可能性があります。
③ 筆算の数字や手順が毎回変わっていませんか?
筆算のミスが多い子は、計算の考え方ではなく、数字の書き方や手順が安定していないことがあります。
例えば、
- 一の位と十の位がそろっていない
- 繰り上がりの数字を小さく書きすぎて見失う
- 繰り下がりで直した数字が読めない
- 掛け算の途中の答えを書く位置がずれる
- 小数点を最後に感覚で付ける
- 途中式を狭い場所に詰め込む
- 問題によって計算する順番が変わる
といった状態です。
頭の中では手順を理解していても、書かれた数字の位置がずれていれば、正しい答えにはなりません。
簡単な問題では偶然正解できても、桁数が増えたり、小数が入ったりするとミスが増えていきます。
このような子に新しい問題を次々と解かせても、自己流の書き方を繰り返すことになります。
まず確認したいのは、正解したかどうかだけではありません。
- 位をそろえて書いているか
- 繰り上がりや繰り下がりの数字が読めるか
- 途中の数字を決まった位置に書いているか
- 毎回同じ順番で計算しているか
という、答えが出るまでの過程です。
筆算では、書き方も計算力の一部です。
教科書や学校で習った手順に戻り、ゆっくりでも毎回同じ形で書けるようにすることが、結果として速さと正確さにつながります。
計算ミスにも一人ひとり違う理由があります
「計算が遅い」「計算ミスが多い」といっても、すべての子に同じ練習が必要なわけではありません。
数を一つずつ数えている子。
九九を最初から唱えている子。
筆算の数字や手順が毎回変わる子。
見た目には同じ計算ミスでも、原因は異なります。
原因が違えば、必要な練習も変わります。
数のまとまりを捉えられていない子に、時間を測って計算させても、焦って数え間違えるだけかもしれません。
九九をすぐに取り出せない子に、難しい筆算を増やしても、途中で止まる回数が増えます。
筆算の書き方が安定していない子に、問題数だけを増やせば、自己流の手順をさらに繰り返すことになります。
だから、ときわの塾では、間違えた答えだけを見るのではなく、子どもが答えを出すまでの様子を確認します。
どこで手が止まったのか。
どの数字を見直していたのか。
頭の中で何を唱えていたのか。
途中式をどのように書いたのか。
実際の行動を観察し、原因を整理してから必要な練習につなげています。
計算力は、算数や数学を考えるための土台です
計算は、ただ速く答えを出すことだけが目的ではありません。
算数の文章題、割合、速さ、図形、そして中学校の数学でも計算を使います。
基本的な計算に時間がかかりすぎると、本来考えるべき問題の意味や解き方に集中できません。
反対に、計算を正確に進められれば、
「何を求める問題なのか」
「どの方法を使えばよいのか」
「この答えで合っているのか」
を考える余裕が生まれます。
そのために必要なのは、ただ大量の問題を解くことではありません。
自分がどこで間違えたのかを確認し、原因に合った方法でやり直し、次の問題では一人で正しくできるようにすることです。
ときわの塾では、一人ひとりの計算中の行動を観察し、つまずいている原因を整理しながら指導しています。
計算を通して、教えてもらった方法を次の問題でも使い、自分で間違いを修正できる力を育てる。
それが、算数や数学だけでなく、これからの学習を支える「学ぶ土台」になると考えています。

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